【2027年卒】企業側の新卒採用スケジュールを大公開!

採用

多くの企業で行われる新卒採用。近年、採用活動開始時期や採用手法は多様化しており、いつから何をすればいいのかわからない採用担当者の方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、2027卒の新卒採用に向けた企業側のスケジュールを大公開します

「就活解禁はいつ?」「最新の新卒採用のトレンドは何?」と疑問をお持ちの採用担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

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2027年卒採用スタート時期は早期化する?

2018年10月、経団連は採用面接の解禁日などを定めた「就活ルール」の廃止を発表しました。

経団連がルールを廃止した現在は、政府主導で解禁日などがアナウンスされています。例年、卒業年度前(大学3年時)の3月1日が広報解禁日となっています。

しかし、政府が発表した解禁日などを守らなくとも、厳罰などがないため、多くの企業はこの解禁日より前に採用活動を開始しているのが実態です。

株式会社学情が行った調査によると、26卒の学生が2024年12月時点、つまり卒業前々年度に内々定をもらっている割合は36.6%にのぼり、過去最高を記録したとのことです。


出典:2026年卒 内々定率調査 2025年1月度

2027年卒も就職活動開始時期は早まると予想されます。

その理由として挙げられるのが、「新卒人口の減少」と「インターンシップの定義の改正」です。

まず、新卒人口の減少についてです。現在、日本は少子高齢化が加速しており、深刻な人手不足に陥っています。

今後日本の人口は減り続け、2030年には、7,509万人いた2020年より約600万人少ない6,875万人に、2065年には4,529万人にまで減少すると予測されています。


出典:内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」

そんな中、「新卒採用の2021年問題」と呼ばれる問題も起こっています。「新卒採用の2021年問題」とは、浜銀総合研究所の遠藤裕基氏が2019年に提言したもので、2021年以降、新卒世代である22歳の人口が減少傾向に突入してしまうというものです。

新卒世代である22歳の人口は2000年代を通じて減少傾向で推移したあと、2010年代は横ばいになりましたが、2030年には110万9000人と、2020年より13万4000人も減ってしまうと予測されています。


出典:ええっ、「就職氷河期」が再び来る!「新卒採用の2021年問題」とは何か?

このように、少子高齢化が進み中途採用も難しい中、新卒採用においても企業は学生の争奪戦となることが予想されていました。

実際に、マイナビが実施した調査によると2024年卒の10月時点での採用充足率が75.8%と過去最低の値になっています。また、内定者満足度においても、「量・質ともに満足」の割合も低くなっているのです。


出典:2024年卒企業新卒内定状況調査

そのため、企業は採用活動の開始をできるだけ早め、希少な人材を確保しなければいけない状況に立たされています。

就活の早期化が起こっている二つ目の原因は、「インターンシップの定義の改正」です。2022年6月、経済産業省、文部科学省、厚生労働省は2025年卒向けのインターンシップについて定義の改正を行いました。

この改正により、それまで禁止されていた、インターンシップ時に得た学生情報の採用活動への使用が許可されたのです。そのため、よりインターンシップと採用活動の結びつきが強くなりました。

企業側はインターンシップを通し優秀な学生を集め、その学生情報を採用活動に利用します。

それを裏付けるように、就職みらい研究所の調査から、早期に内定を獲得する割合は年々増加していることがわかります。

2つ目のグラフの2014年〜2016年卒と数値を見比べると、違いが一目瞭然です。


出典:就職プロセス調査(2026年卒)「2025年2月1日時点 内定状況」


出典:2016年卒大学生の就職内定率は91.6%、進路確定率は87.4%に

2027年卒の採用スケジュール具体例

ここからは、2027年卒の採用スケジュールの具体例を紹介します。

今回は、就活開始時期の早期化に合わせた場合と、政府主導の就活スケジュールに沿った場合の一例を紹介します。

就活開始時期の早期化に合わせた場合

現在の新卒採用は就活開始時期の早期化が進んでいます。

下記は、2027年卒の学生をターゲットとした、採用開始時期の早いスケジュールの一例です。

2027年卒の学生の学年 時期 内容
大学2年 or 修士に進む予定の学生の大学4年

2024年10~12月 採用チーム立ち上げ、採用戦略立案
2024年12月 就活解禁(採用広報開始)
2025年1~2月 インターン、企業説明会準備
2025年3〜5月 企業説明会実施
大学3年 or 修士1年

2025年6~7月 夏季インターン選考
2025年8〜9月 夏季インターン実施、座談会実施
2025年10月 早期選考①開始、冬季インターン選考
2025年11月〜12月 冬季インターン実施
2025年12月 早期選考①の参加者へ内定出し
早期選考②
開始
2026年1月~ 内定者イベント、内定者フォロー
2026年2月 公募選考開始、早期選考②の内定出し
2026年4月 公募選考参加者の内定出し
大学4年 or 修士2年 2026年10月 内定式

政府主導の就活スケジュールに沿った場合

ここでは、政府主導の就活スケジュールに沿った場合を紹介します。

2027年卒の学生の学年 時期 内容
大学3年 or 修士1年 2025年5月~7月 採用チーム立ち上げ、採用戦略立案
2025年7~9月 インターン募集・実施
2026年3月 採用解禁(採用広報開始)
大学4年 or 修士2年 2026年3~5月 本選考前の企業説明会・座談会など開催
2026年6月~10月 本選考、内々定出し
2026年10月 内定式、内定出し(書面を取り交わす)
2026年11月~2027年3月 内定者イベント、内定者フォロー

参考:「2025(令和7)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請事項」内閣官房内閣審議官・文部科学省高等教育局長・厚生労働省人材開発統括官・経済産業省経済産業政策局長

過去経団連が決めていた就活スケジュールですが、現在の決定権は政府にあります。経団連がこの業務を外れた理由として、「実態とともなっていない」ことが挙げられました。そもそも経団連の決めたスケジュールは、経団連に加盟している企業が守るべきものであり、その対象企業が少なかったこと、そして、加盟している企業でも発表されたスケジュールを守っていなかったのです。

現在の政府主導の就活スケジュールにおいても、沿わない企業が多いのが実状です。

企業側が知っておくべき2027年卒の最新トレンド

新卒の採用活動では、時代によってトレンドが存在します。そこで本章では、2027卒のトレンドになるであろうポイントを紹介します。

オンライン・オフラインハイブリッド形式のさらなる進展

コロナ禍により、急速に広まったオンライン面接やオンライン説明会。コロナ収束後も、活用する企業は多いです。

株式会社i-plugの調査によると、9割以上の学生が「オンラインを取り入れた選考過程」を希望していることがわかります。

出典:【26卒学生/企業対象】就職活動の選考過程に関する調査

一方で、「全工程(説明会〜最終面接まで)オンラインで良い」と回答した26卒学生は27.6%で、前年度の結果からは4.1ポイント減少しました。

また、オンラインと対面の両方を取り入れた「ハイブリッド形式」を希望する26卒学生は69.5%で、前年度の結果より4.4ポイント増加しています。

以上の結果から、オンライン面接やオンライン説明会と、対面での最終面接の実施をかけ合わせるなど、うまく使い分けると良いでしょう。

オンラインツールを使用すれば、企業の近隣に住む学生だけでなく、遠方や海外在住学生へのアプローチもできます。

早期の内定出しと囲い込み

年々内々定を早めに出す企業は増えています。

しかし近年の売り手市場により、学生は複数の内々定をもらっている場合も少なくありません。そこで重要になってくるのが、内定後フォローです。

内定後フォローとは、学生が内定承諾をしたあと、定期的にフォローを行い、辞退を防ぐ施策のことです。

内定承諾後は、内定者研修の実施や配属予定先の部署の社員との交流、内定後体験入社・インターンシップなどを行うと良いでしょう。

また、オファー内容の透明性を担保することも重要です。入社直前になって「思っていた業務内容、採用条件と違う」などと言われないよう、書面に残しておくことをおすすめします。ジョブディスクリプションを活用するのも一つの方法でしょう。

関連記事:内定後の辞退の割合は?新卒と中途の場合に分けて解説
JD(ジョブディスクリプション)とは?目的や記載すべき項目を紹介

求められる企業になるためのブランディング戦略

求められる企業になるためのブランディング戦略も、新卒採用を行う上で欠かせません。

今や、ほとんどの学生がスマートフォンやPCなど、モバイル機器を持ち、SNSを積極的に使用しています。

株式会社No Companyが実施した調査によると、就職活動において、SNSで情報収集をすることはありますか?」の質問に対して、「ある」とした割合は約6割(2024年3月)です。

さらに、「SNSで特定の企業の仕事内容や働き方、社風などに関する発信を見て、その企業に興味を抱いた(もしくは魅力が深まった)経験はありますか?」という質問に対しては、約半数のZ世代就活生が「ある」(「情報収集期」53.5%、「意思決定期」50.8%)と回答しました。

出典:25卒就活生の「情報収集期」と「意思決定期」におけるSNS活用実態を調査

SNSやオンラインコンテンツで自社の魅力を発信し、ブランディング施策を実施する必要があるのです。

例えば、InstagramやX、noteなどで実際に働く社員のインタビューを掲載したり、福利厚生を紹介したりすると良いでしょう。

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2027年卒の採用スケジュールについて担当者が押さえるべきポイント

2027年卒の採用スケジュールについて、担当者が抑えるべきポイントは6つあります。それぞれ解説していきます。

採用目標と求める人物像の明確化

まず抑えるべきポイントとして挙げられるのが、採用目標と求める人物像の明確化です。

採用目標とは、いつまでに何人採用するかの目標で、中長期的な事業計画を踏まえ決めるのが一般的です。現在どのようなスキルを持った人材が何人いて、同じスキルを持った人材があと何人必要なのか、また、新たなスキルを持った人材が何人必要なのかを算出しましょう。

そのうえで、求める人物像の明確化を行います。こちらも中長期的な事業計画をもとに考えます。実務におけるスキル面はもちろん、新卒採用では今後仕事に積極的に取り組んでいく姿勢やポテンシャルを重要視することが多いです。しかし、これを採用基準化するのは難しいものです。そのため、どのような姿勢、どのような成長余地があれば採用するか、言語化し、まとめたものを採用関係者に配布するなどの工夫が必要でしょう。

インターンシップ計画・早期イベントの準備

2025年卒からを対象に、インターンシップの定義が変更となりました。その定義を確認しつつ、インターンシップの計画を早い段階からしておくことが必要です。

新たなインターンシップの定義では、5日以上の開催とし、実施予定期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てることが課されています。そのため、各部署に協力を仰ぐ必要も出てくるでしょう。現場の混乱を招かないためにも、インターンシップの計画は綿密に行うことが重要です。

また、現在の学生は高い割合でインターンシップに参加しています。株式会社マイナビが行った調査によると、インターンシップに参加したことがある学生は近年80%を超えています。


出典:2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)

このように、インターンシップ参加が当たり前となってきている現在、各企業は独自の魅力的なプログラムを開催することが求められています。そのため、市場動向を把握し、他社には提供できないオリジナリティあふれるインターンシップを企画することが重要です。

また、会社説明や座談会、交流会など、イベントは早期に準備しましょう。就活開始時期の早期化が進む中、イベントを早期に行い、魅力付けを行うことは非常に重要です。

関連記事:インターン採用を成功に導く|学生から入社したいと思われるインターンとは

オンライン選考の仕組み・ツール整備

先述したように、近年オンラインを使った会社説明会や選考が一般化しています。多くの学生は最終面接以外はオンライン選考での選考を望んでいます。

そのため、オンライン選考の仕組みづくりや、ツール整備を行いましょう。

オンライン選考は何次面接までとするか決めたり、気をつけるべきことはルールブックを作成したりするなど、土台作りを行うことが重要です。

オンライン選考では対面よりも面接官の表情が伝わりにくく、応募者が委縮してしまう場合があります。それを防ぐためにも、カメラ目線を意識する、リアクションは大きめに、話し方はゆっくりを意識するなどの心がけが必要です。

その注意点をもとに面接官を教育したり、ルールブックを作成したりすると良いでしょう。

オンライン選考において一番重要なのが、ツール・環境の整備です。現在オンライン会議のツールは多く存在するため、何を使用するかから決める必要があります。また、通信環境も非常に重要です。途中で途切れてしまわないよう、適切なインターネット環境を整えることも必要でしょう。

内定者フォロー体制の確立

内定者フォローの体制を確立することも、非常に重要なポイントです。

現在、新卒の内定辞退率はここ3年間、なんと60%以上の辞退率です。

卒業年 内定辞退率
2022年卒 61.1%
2023年卒 65.8%
2024年卒 63.8%

参照:就職プロセス調査(2023年卒)|就職みらい研究所
就職プロセス調査(2025年卒)|就職みらい研究所

人材不足の昨今、複数社から内定をもらっている学生が多いためです。そのため、企業は内定承諾をもらったあとも、丁寧に学生をフォローしていく必要があります。

内定者研修の実施や配属予定先の部署の社員との交流、体験入社・インターンシップを開催したり、チャットツールなどでのコミュニケーションは最低月一回はとるなどの工夫が必要です。

リソース配分と社内体制強化

リソース配分と社内体制強化も、おさえるべきポイントです。

リソース配分に関しては、採用担当者の負荷が均一になるよう、業務を割り振りましょう。

評価基準の明確化、明文化を行い、それをもとに面接官トレーニングを行うことも重要です。

スケジュールの見直しと改善サイクル(PDCA)の実施

最後におさえるべきポイントは、スケジュールの見直しと改善サイクルの実施です。

就活の早期化に対し自社は遅れをとっていないかを見直しましょう。

また、過去の新卒採用の振り返りを行い、何が良くて何が悪かったかをピックアップすることも重要です。

改善の余地がある場合は、内容を改善しましょう。

2027年卒の採用を成功させるポイント

2027年卒の採用を成功させるポイントは4つあります。それぞれ解説していきます。

インターンシップ等を活用した早期からの接触

何度も述べているように、現在は就活の早期化が進んでいます。そのため、優秀な学生とは他社よりも早く接点を持つ必要があります。

その一つの方法として、インターンシップがあります。早期にインターンシップを開催し、学生と接点を持ち、アプローチし続けたり、インターンシップを通して学生への企業理解の促進を早期に進めたりすることが重要です。

広報・ブランディング活動の前倒し

就活開始時期の早期化に伴い、広報・ブランディング活動も前倒ししましょう。

オウンドメディアを通し社員インタビューや福利厚生制度などの発信を行い、早い段階から学生に魅力付けを行うことが重要です。

また、令和の学生に選ばれるよう、ワークライフバランスが保てることやリモートワークやフレックスタイムなど、柔軟な働き方ができることなどを訴求すると良いでしょう。

選考プロセスの明確化と短期化

選考プロセスの明確化と短期化も、2027卒採用のポイントです。

近年の学生は、「選考の透明性」を重要視しています。企業側が採用基準などを公開することで、学生が自身の適性を判断しやすくなったり、不採用となった際の理由を見つけやすくなったりするのです。選考基準を公表することで、透明性とともに公平性が保たれ、企業への信頼感向上にもつながります。

また、新卒・中途に限らず現在の採用活動では選考のスピードが成功の鍵となっています。

選考プロセスが長いと、候補者にとって心理的負担となったり、採用競合に遅れを取ったりします。

合否を出すのが遅くなり、他の企業から内定をもらった候補者が他社に入社を決めてしまう場合も少なくありません。

そのような時は、選考プロセスの短縮を検討しましょう。面接回数を減らしたり応募者へのスピーディーな対応をしたりすることで、選考プロセスの短期化を図ることが重要です。

応募があった段階や、スカウトメールに返信があった段階ですぐに返信するようにしましょう。

人手が足りないなど自社で対応できない場合は、候補者とのやり取りだけを採用代行業者に委託するのも一つの手です。

ダイレクトリクルーティングを用いた採用活動

近年、新卒採用でも、利用したダイレクトリクルーティングが用いられています。

ダイレクトリクルーティングでは、自社の求める人物像に直接アプローチできる、効率的でミスマッチの少ない採用方法です。

現在、OfferBoxやdodaキャンパスなど新卒専門のダイレクトリクルーティングサービスが提供されており、勢いが増しています。早期からアプローチできる、長期的なコミュニケーションによって動機付けができるなど、さまざまなメリットがあります。

ダイレクトリクルーティング市場は拡大しており、2024年度のダイレクトリクルーティングサービス市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比18.7%増の1,275億円を見込まれています。

出典:ダイレクトリクルーティングサービス市場に関する調査を実施(2024年)

このような背景から、今まで中途ではダイレクトリクルーティングを行っていた企業が新卒採用にも用いたり、ダイレクトリクルーティング自体取り組んでいなかった企業が新卒採用に取り入れてみたりする動きが活発になると予想されます。

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関連記事:新卒採用向けダイレクトリクルーティングサービスを徹底比較

企業側が気を付けるべき新卒採用で考えられる失敗

最後に、企業側が気を付けるべき新卒採用で考えられる失敗、防止策を紹介します。

母集団形成ができない

母集団形成がうまくいかないと、選考が困難になります。

応募者が少ない企業の場合、認知度や対外的な魅力の低さが一因になっている可能性があります。

特に新卒採用の場合は、Z世代特有の動向を汲んだ情報発信や魅力の訴求を意識することが大切です。中途採用と同一の手法になっていないか、今の世代に合った戦略か、今一度自社の採用手法や戦略を見直してみましょう。

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多くの学生に内定辞退されてしまう

「4-4.内定者フォロー体制(研修・コミュニケーション)の確立」で紹介したように、現在は売り手市場のため、新卒の内定辞退率は6割を超えています。

そのため、辞退率が高くなってしまうのはしょうがないことですが、8~9割の学生に内定辞退をされている場合は、改善が必要です。

内定者研修や交流会を行う、入社までコンスタントに連絡をとるなど、内定者フォローに力を入れましょう。

早期離職が起こってしまう

厚生労働省が公表した、令和3年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況によると、就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が 38.4%、新規大学卒就職者が 34.9%となりました。
新規大学卒就職者の約3人に1人が3年以内に離職していることが分かります。

出典:厚生労働省:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します

また、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが実施した「新人・若手の早期離職に関する実態調査」によると、早期離職の理由として「労働環境・条件がよくない(25.0%)」「給与水準に満足できない(18.4%)」など働く環境に不満を抱き退職した新人が多いことがわかっています。


出典:リクルート:「新人・若手の早期離職に関する実態調査」の結果を発表

早期離職が起こらないようにするためにも、現行社員の満足度調査を行ったりZ世代の求める働き方を調べたりするなどして、改善できるところから改善していきましょう。

迅速な対応ができず採用競合に負けてしまう

現在、慢性的な人手不足により、採用担当者すらも不足している企業が多くあります。

そのため、採用担当者一人当たりの負荷が大きくなり、迅速な対応をしたくてもできないといった現象が起こっています。新卒採用を早期に始められない、合否連絡や問い合わせに対する返答が遅くなる、日程調整に時間がかかるなどです。

その結果、採用競合など他社に内定を決める学生が多くなり、採用目標に届かない、早期離職が多いなどが起こってしまいます。

人手不足の場合は、社内だけでなく採用代行などの外部のリソースに頼るなどの対策を取ると良いでしょう。

早期の動きだしで新卒採用に成功した事例

プラントエンジニアリング企業では、他社のスカウトが活発化する前である大学3年生の4月〜6月の早期段階でスカウトを送付。

スカウトでは、15分〜30分の個別面談を提案。学生の状況に応じて、Web面談ではなく電話での面談も選択肢とし、手軽に参加できる環境を整えることで、離脱を防ぎました。

面談の場では、学生の疑問に回答するとともに、1day仕事体験への案内を行い、その場で日程確定まで進めることで、参加率を確保。より深い企業理解と魅力訴求へとつなげました。

また、1dayイベントに参加しない学生であっても、早期選考への応募につなげる仕組みを構築。

このような取り組みにより、学生との接点を広げ、スカウト700通の送信で7名内定、4名内定承諾を得ることができました。

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まとめ

今回は、2027年卒の採用スケジュールや最新トレンド、おさえておくべきポイントなどを紹介しました。

2027年卒の新卒採用もここ数年同様、早期化が予想されます。早めに採用戦略や目標を立てる、インターンシップを計画する、採用ブランディングを早期に行うなど、何事も早め早めの行動が成功のポイントとなってきます。

採用担当者が不足し負担が大きい場合は、今のうちから外部のリソースを頼るなどして、来る2027年卒の新卒採用に備えておきましょう。

投稿者プロフィール

大久保 さやか
大久保 さやか
SIerにて中途エンジニア採用を経験。また、リファラル採用支援サービスを提供する企業での従事経験もあり、リファラル採用領域の知見を持つ。