【富士通株式会社様】富士通が挑む「戦略的人材獲得」-優秀人材のプロアクティブな獲得を目指す、新設「ソーシングチーム」の挑戦

キャリア採用において、採用規模を拡大するフェーズから事業成長に必要な専門人材を戦略的に獲得する採用へシフトしている富士通株式会社。その推進役として新たに立ち上がったのが、ダイレクトリクルーティング(DR)を担い、能動的にアプローチを行う「ソーシングチーム」です。

ゼロからの組織づくりにおけるリアルな試行錯誤や、部署の垣根を越えて一人ひとりの可能性を引き出す「企業内エージェント」としてのこだわり、そして伴走パートナーである株式会社VOLLECTとの歩みについて、富士通株式会社様にお話を伺いました。

目次

対談メンバー

富士通株式会社
福谷 氏(人材採用センターソーシングチーム マネージャー )
井上 氏(人材採用センターソーシングチーム リーダー)

株式会社VOLLECT
浅居 氏(PRO SCOUT 事業部長)
久保 氏(支援担当コンサルタント リーダー)

ソーシングチーム立ち上げの背景と「戦略的人材獲得」の狙い

―― 富士通様ではHR内に「ソーシングチーム」を新設され、ダイレクトリクルーティング(DR)の内製化へと大きく舵を切られました。まずは富士通様が掲げる「戦略的人材獲得」の狙いについて教えてください。

福谷様(人材採用センターソーシングチーム マネージャー)

福谷様: 富士通におけるキャリア採用の動きとして、実は2〜3年前まではかなりの「数(量)」を獲得するフェーズにありました。しかし、そこから採用方針を大きく転換し、現在は採用の「質」と「スピード」を高めながら「事業成長に必要な専門人材を戦略的に獲得する採用」へとシフトしています。

この方針転換の根本には、「約10万人の富士通グループ社員の活躍を最大化する」という強い経営の思想があります。まずは社員の活躍が最優先と考えています。

そのため、近年、キャリア採用(中途採用)においては、社内人材の活躍機会を最大化した上で社内だけでは補いきれない高いスキルやケイパビリティを持つ即戦力人材をピンポイントで獲得する方針をとっています。

――社員の方々の可能性を最大限に引き出した上で、社外からは真に必要なプロフェッショナルを戦略的に獲得していく方針なのですね。その中で、従来の「エージェント経由中心」からダイレクト採用へシフトされた背景には、具体的にどのような課題感があったのでしょうか?

福谷様: 従来の「人材エージェント様からのご紹介を待つ」スタイルだけでは、私たちがターゲットとする人材にピンポイントで出会うことが難しくなってきたためです。エージェント様にのみ依存するスタイルから脱却し、プロアクティブな人材獲得を目指して、富士通自らが候補者様へ能動的に会いに行き、獲得するノウハウやスキルを社内に蓄積するために「ソーシングチーム」を立ち上げました。

井上様: ダイレクト採用自体は4年ほど前から取り組んでいましたが、以前は各部門の採用担当者(リクルーター)が通常業務と共に行っていました。しかし、多忙な業務の中で、候補者様一人ひとりに丁寧に向き合ったスカウトやアプローチに十分な時間を確保しきれず、結果としてスカウトによる採用実績が目指す形に到達していない実情がありました。

そのような背景から、今後さらにこの戦略的人材獲得を実現していくために、スカウト業務を専任化して集中的に取り組み、最終的な自走化・内製化を目指す新チームを発足させました。

立ち上げにあたっては、ソーシングチームがリクルーターと「対等な立ち位置」で連携できるよう設計しました。募集部門との人材要件定義の打合せからソーシングチームが一緒に同席し、ターゲット層に対する正式応募獲得までの役割を、ソーシングチームが責任を持って担う体制にしています。

組織立ち上げの軌跡とVOLLECTの伴走

―― ゼロからのチーム立ち上げにあたり、当時はどのような課題や困難がありましたか?

福谷様: チーム立上げを当時のリクルーターチームに提案した際、リクルーターのメンバーから反対が出ることはありませんでした。業務の切り分けることに対し懸念の声もあるのでは、と思っていましたが、実際にはそうした反応はありませんでした。リクルーター自身も「候補者様へ直接アプローチすることは非常に重要だと分かっていても、どうしても日々の業務の中で十分な時間を注ぎきれない」というもどかしさを感じていたため、専門チームの誕生はむしろ歓迎されたのだと思います。

ただ、実際の運用検討はとても慎重に検討を進めました。新しい体制に移行して役割分担が変わるため、チーム同士のつなぎ目となる業務やプロセスの擦り合わせを丁寧に進める必要がありました。業務フローや情報連携方法など、一つひとつ確認しながら、候補者様や現場に不利益が生じないよう体制を整えていきました。

井上様: ソーシングチームは4名という少数精鋭で、非常に幅広い部門や求人ポジションをカバーしています。その中で「どういう人を狙っていくのかという採用要件の精緻化」や「ターゲット層をどう応募につなげるかという魅力訴求」を整理して実行していくのは、実際にやってみて改めて難しさを実感した部分です。そのため、毎週のリクルーターとの1on1ミーティングや募集部門との定例会で、求人1件ごと、候補者様1人ごとに泥臭く役割分担やアプローチ方針を擦り合わせ続けました。

―― そうした苦労を伴う組織の立ち上げにおいて、パートナーであるVOLLECTが伴走させていただく中で、どのような変化や価値が生まれましたか?

左:福谷様・井上様(富士通株式会社) 右:浅居・久保(株式会社VOLLECT)

福谷様: VOLLECT様は単なる作業委託(RPO)ではなく、活動データから課題を特定し、改善提案まで担っていただく「コンサルティング要素」を非常に発揮してくださっています。単なる外部委託者としてではなく「どうすればチームとして機能させられるか」について同じ目線に立ち、チームの一員のような当事者意識を持って本音で議論し合えたことで、私達も全幅の信頼を置くことができました。

浅居: そう言っていただけて大変光栄です。富士通様のような大企業の事業や組織構造、ビジネス感覚を、RPOという外部の立場で完全に理解して動くのは、実は非常に難易度が高いことです。だからこそ、社内のビジネス感覚を持つソーシングチームが内側に存在し、共通の目線で議論できることは、現場のリクルーター様にとっても大きな安心になっていると感じます。

立ち上げにあたっては、富士通様が単に外部の委託先として扱うのではなく、一過性の結果だけで判断せずに「どうすれば一緒にチームとして機能させられるか」を真剣に考え、チャンスと深い信頼を与え続けてくださいました。その強いパートナーシップがあったからこそ、活動開始からしばらくして一気に活動が噛み合い始め、内定創出という大きな成果に結びついたのだと心から感謝しています。

久保: 私たちが最も大切にしているのは、富士通様の採用成功であり、富士通様の社内に強固な採用ノウハウが蓄積されることです。「富士通様が完全に自走できるようになると、支援パートナーとしての私たちの役割は一見減ってしまうのかもしれません」という思いもありますが、それ以上に大切なのは富士通様の中に自走できる採用力が定着することです。だからこそ、より要件にマッチするツールの提案、活用支援 やプロの検索ロジックの共有など、知見の共有には一切出し惜しみすることなく全力を注いでいます。

井上様: 担当の久保さんをはじめ、VOLLECTの皆さんは今やチームにとって“ソーシングの先生”のような存在です。最新のマーケット動向やプロのノウハウを惜しみなく教えていただき、非常に心強いパートナーですね。

候補者様と向き合う「1対1の時間」の創出とDRの実践

―― どのような工夫やこだわりを持って取り組まれているのでしょうか。

井上様: 本当に採るべきターゲット層は、求人票の必須条件で機械的に検索・送信するだけでは決して出会えません。

そのため、ソーシングチームでは求人が出た段階で募集部門と行う人材要件定義の打合せに同席し、「なぜこのポジションを募集するのか」「現場社員が求める人物像の行間にどんな想いがあるのか」を深く読み解くことから始めています。その上で、候補者様一人ひとりの経歴や価値観に合わせたスカウト文面の個別カスタマイズを行っています。

さらに、カジュアル面談においても、いきなり富士通の求人説明をするのではなく、まずは候補者様自身のキャリア志向や「今後どうなっていきたいか」を丁寧に深掘りしています。その上で、候補者様が富士通で働くことでどんなキャリアが実現できるのか(候補者様が富士通で働く意義)をお伝えするようにしています。

井上様(人材採用センターソーシングチーム リーダー)

久保: 富士通様が現場との打合せで吸い上げられた「募集背景」や「ターゲット像の行間」を、いかに精緻な検索ロジックや刺さる文面に落とし込むかという部分で、私どもも伴走し技術的にバックアップさせていただいています。

―― そうした候補者様との丁寧な「1対1の向き合い」を積み重ねていく中で、実際に現場や候補者様の反応にどのような手応えや変化を感じていらっしゃいますか?

井上様: ソーシングチーム設立の成果として、「募集部門の縦割りを越えた横断マッチング」ができるようになった点が挙げられます。

従来のリクルーター体制では、どうしても自分の担当部門の求人に縛られがちでした。しかし、全社の求人を横断して見られるソーシングチームができたことで、「当初スカウトした求人(例:エンジニア系)よりも、実はコンサルのあの求人の方がこの候補者様の志向に合致するのでは?」といった柔軟な提案が可能になりました。

実際に面談を通じて別のポジションをご提案・再アトラクトし、候補者様からも「自分では気づけなかった最適なキャリアを提案してもらえた」と非常に満足度の高いお声をいただき、選考が進んだ事例が生まれています。

福谷様: 私たちは、候補者の方にとって富士通が数ある選択肢の一つであることを自覚しています。だからこそ、富士通を選んでもらえるためにも富士通という広いフィールドの中から、その方に一番輝いていただけるポジションを探してご提案する。それこそが私たちの目指す「戦略的人材獲得」のカタチです。

今後の展望と未来の候補者様へのメッセージ

―― これまでの基盤構築を経て、今後ソーシングチームとしてさらに挑戦していきたいことについて教えてください。

福谷様: 今後はキャリア採用で確立した型をベースに、新卒領域への展開や、中長期的なタレントプールの構築、他チャネル(イベントやアルムナイ等)との掛け合わせ、AI活用、グローバル連携など、より先進的なソーシングモデルを創出し、「戦略的人材獲得」をさらに実現していきたいと考えています。

井上様: 今後はソーシングチームを単なるスカウトの実行部隊にとどめず、富士通の人材獲得(タレントアクイジション)の中核機能へと進化させていきたいです。

社内に向けては「ソーシングチームなしでは戦略的人材獲得が実現しない」と全社から認められる存在を目指します。そして候補者様に向けては、一過性の求人案内ではなく「富士通のソーシングチームに声をかけてもらえて良かった」と思っていただけるような、候補者に寄り添う「企業内エージェント」のような存在でありたいですね。

将来的に、転職市場の優秀な方々から「富士通のあのソーシングチームから声がかからないかな」と心待ちにされるくらいのチームブランドに育てていけたら最高ですね(笑)。

転職を考えている・考えていないにかかわらず、「自分のキャリアの可能性を広げたい」と思われるすべての候補者様にとって、一番に相談したいと思っていただけるチームを目指し、これからも「戦略的人材獲得」への挑戦を続けていきます。

浅居: 本日お話を伺う中で改めて感じたのは、富士通様が掲げる「戦略的人材獲得」の本質は、単なる企業の選考ではなく「候補者様一人ひとりのキャリアにどこまでも誠実に向き合う熱量」そのものであるということです。

単一の求人にあてはめるのではなく、富士通様という広大なフィールドの中から「その人が最も輝ける場所」を一緒に探し出してくれる。まさに候補者様の未来に伴走する”企業内エージェント”としての覚悟と情熱が感じられました。

これからご自身のキャリアの可能性を広げたい、新しい挑戦をしてみたいと考えていらっしゃる求職者の皆様にとって、富士通様のソーシングチームは、間違いなく最大の理解者であり、頼もしい伴走者となってくれるはずです。富士通様からスカウトが届いた際や、ご自身の可能性を試してみたいと思われる方は、ぜひ一度カジュアル面談で気軽にお話ししてみてください。富士通様という広大なフィールドで、ご自身でも気づかなかった新しいキャリアの選択肢が、きっと見つかるはずです。

―― 私たちVOLLECTも、富士通様が目指す「企業内エージェント」としての自走とさらなる進化に向けて、これからも最良のパートナーとして全力で後押ししてまいります。福谷様、井上様、本日は本当にありがとうございました!

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