【セミナーレポート】パナソニックに学ぶ!優秀な人材を採用するカジュアル面談の実践方法

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近年、多くの企業が優秀な人材の獲得に向けて、ダイレクトリクルーティングを導入し、候補者に企業を認知させ、応募意欲を高めることを目的にカジュアル面談を取り入れています。
さらに、オンライン採用が当たり前になり、候補者の応募ハードルは下がり、採用競合の数は増加するため、カジュアル面談による候補者の惹きつけはさらに難易度が高まっています。

そこで、パナソニック株式会社の執行様、Sansan株式会社橋本様、弊社代表の中島が、カジュアル面談の基礎知識から実践方法、具体的な成功の秘訣をお話しするセミナーを開催しました。

今回の記事では、セミナーの内容をダイジェストでご紹介します。

登壇者紹介

執行 将太(しぎょう しょうた)

パナソニック株式会社 オペレーショナルエクセレンス社
リクルート&キャリアクリエイトセンター 採用部キャリア採用課 主務

Introduse_Myself

新卒で人材系大手企業に入社。採用(中途・新卒)、教育研修、評価制度のコンサルティングを担当後、RPOによる顧客企業のリクルーターとして活動。

現在は、パナソニック株式会社の本社採用部門にてダイレクトリクルーティングの企画運営に従事。年間150~200ほどの職種に対し、事業責任者層との要件すり合わせから内定承諾獲得まで対応。
年間数百名との1on1カジュアル面談を実施し、事業成長を人材確保の観点で支援している。

橋本 剛(はしもと ごう)

Introduse_Myself

新卒でカルチュアコンビニエンス·クラブ株式会社に入社し、Tポイント提携営業やデータベースマーケティング事業に従事。
2019年にSansan入社。『Eight Career Design』立ち上げ期にセールス面を中心に携わる。現在はマーケティング部門の責任者として事業を推進している。

中島 大志(なかしま たいし)

Introduse_Myself

パーソルキャリア株式会社にて人材紹介事業に従事し、退職後に起業。
ダイレクトリクルーティングの可能性を感じ、株式会社VOLLECTを創業。
約5年間ダイレクトリクルーティングの支援に尽力し、支援社数は累計200社超。

Sansan株式会社 イントロダクション

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労働人口は減少の一途を辿っています。また、コロナの影響もあり、ビジネスのDX化が進んでいるため、AIやDXなど高度な専門性を持つ人材ニーズが高まっています。そのため、特に専門性の高い人材の採用が難しい局面を迎えています。

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さらに、転職をしたいと考えている人は労働者人口のうち5%未満です。優秀な人材を採用するためには、95%以上いる転職潜在層まで広げてアプローチをしていくことが重要なのです。

また、候補者はコロナ禍を経て、働き方や企業の将来性を重要視するようになりました。これらは企業HPや求人票で伝えていくべきところですが、なかなか伝わりにくい部分もあります。

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したがって、これからの採用は、優秀な人材に他社より先に直接アプローチをしていくことや、自社の魅力を正しく認知してもらうことが大切になってきます。

優秀な人材へのアプローチは、Eight Career Designをはじめとする転職潜在層に向けてスカウトを送ることができるサービスを利用することがおすすめです。

また、自社の魅力を候補者に正しく知ってもらうためには、今回のテーマであるカジュアル面談が重要な役割を果たします。

株式会社VOLLECT カジュアル面談攻略方法

約5年、ダイレクトリクルーティングに関わり、累計で200社以上の支援に携わってきました。本日は、その5年間で得たノウハウをベースにお話できればと思っています。

まずは、カジュアル面談の意義についてご説明します。
この図は、候補者の企業に対する心情を4つにパターン分けしたものです。

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この図から、最も知ってしていただきたいのが、カジュアル面談を実施する前から正式に応募を決めているのはわずか8%しかいないということです。

したがって、残りの92%の人が選考に進んでもらえる可能性を作り上げるのがカジュアル面談です。

また、こちらの図から、候補者の心理状態を読み解き、どのようなカジュアル面談をした方が良いのかも判断できます。

例えば、Aの方であれば、転職活動は積極的にしているものの、自社に対する興味が上がっていないため、今受けている他社と比べて、どのあたりが違うのかを伝えることにフォーカスすると良いでしょう。
また、Cの方であれば、自社には興味は持っているものの、転職しようかを迷っているので、今後どのようなキャリアを歩んでいきたいのか、今の会社でもやもやすることは何なのか、伴奏して見つけてあげるというのが大事です。

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カジュアル面談では面接同様候補者の見極めを行う場だと思われている企業もまだありますが、カジュアル面談の目的は、あくまで会社のことを理解した上で正式応募してもらうことです。

感覚値では、カジュアル面談を経て50-60%くらいが正式応募してもらえれば大丈夫です。大企業なら70~80%を目指すと良いでしょう。

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こちらはカジュアル面談と、一般的な面接の違いを表現したスライドです。
もしこの辺りが整理できていないのであれば、ご覧ください。

ちなみに、ダイレクトリクルーティングを行うにあたり、初回接点は「カジュアル面談と面接どちらが良いのか」という質問をよくいただきます。答えは、まずはカジュアル面談やるべきというものです。しかし、カジュアル面談を何度もやったけどうまくいかないのであれば、面接に変更するのはありかもしれません。

ただ最初に申し上げたように、多くの候補者がスカウトを受け取った段階で正式応募するとは決めていないのが現状です。そのため、カジュアル面談を行って少しでも意向醸成した方が良いと思っています。

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次は、カジュアル面談を誰がやるべきかという話です。
結論、役員、事業部長クラスが良いでしょう。候補者に自分を重要視してくれていると感じてもらえますし、候補者の希望に応じてその後のフローやポジションなどを自由に差配できるというメリットがあります。

また、候補者を惹きつけられる人や、候補者が持つ以上の専門性を有する方をアサインすると良いです。

とはいえ人事がやらなければいけない場合は、面談の冒頭に「専門的なことは次回の面談で現場の者が説明させていただく」と釘を打ってみても良いと思います。

実際に弊社が支援している会社の中で、採用決定した企業の75%が、役職者がカジュアル面談を実施しているというデータもありますので、是非この機会に、担当者を見直していただければと思います。

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実際に、カジュアル面談の流れを記載しました。イメージとしては、セールス活動と近いです。商談の最初からお客様の課題も聞かずに、「弊社の強みは…」とは始めませんよね。

そこで、まずは候補者の状況を確認し、その状況を踏まえて、うちの会社に入社すればどう解決するのかを提案するというのが全体のフローです。

アイスブレイクでは、「選考要素がない」ということや、面談の主旨を面談の冒頭でしっかりと伝えましょう。企業側も候補者側も、自己紹介に時間を使うことで、企業対個人ではなく、個人対個人で相互理解を深めようとする会社もありますね。

ポジション説明や会社説明は、求人票の内容を読むのではなく、候補者の状況に応じて、必要な部分を深掘って説明する形が良いです。

そして面談の最後には、必ず本選考に進むのかどうかを意思確認してください。後日また連絡するという感じではなく、その場で次回の面接を設定するぐらいの勢いが良いです。

また、その後の選考中に、他社状況を確認できる間柄になっておくというのも重要ですね。本選考の攻略方法などを教えてあげると、候補者にとっては味方感が出るので、心を開いて話してくれるでしょう。

おおよその時間配分も記載しておりますので、ご参考にしてください。

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最後に、カジュアル面談に関するよくある質問をまとめました。

3番目の質問に関して、カジュアル面談は候補者を見極めする場ではないのでできれば避けて欲しいのですが、候補者の言動などでどうしてもお見送りにしたいという場合は、面談の終わりに「本選考に進んでいただけるのであれば書類選考に進めさせていただきます」とお伝えし、書類選考NGにする企業が多いです。

パネルディスカッション

Q.パナソニック社の中途採用状況を教えてください

執行様:数百名規模の採用を今期は進めています。
現在採用ポジションは200職種程度なので、1つの職種で大量に採用をしているわけではなく、1職種あたり数名のポジションを多く運用している形です。

採用手法としては、エージェント、ダイレクトリクルーティング、求人広告、リファラルなど様々な手段を活用しています。ダイレクトリクルーティングは20%程度ですね。

Q.パナソニックさんですと、エージェントだけでも採用ができそうですが、ダイレクトリクルーティングを全体の20%も行っているのはなぜでしょうか?

執行様:エージェントさんですと、どうしても職種が偏ってしまうからです。弊社は多種多様なポジションがありますので、ダイレクトリクルーティングで足りない職種を補うために使っています。

Q.実際にスカウトを送っているのは執行様ですか?

執行様:基本的に私が送っています。しかし、VOLLECTさんなどのRPO会社さんと協力することもありますね。

Q.RPO会社として一緒にダイレクトリクルーティングを進めていくにあたり、パナソニックさんならではだと思うことはありますか?

中島:ピンポイントな人を採用しているなと感じます。メーカー特有ですが、工場や物流の拠点等がある地方勤務で、特定の経験がある方を狙うなど、母集団が少ないところの採用をされていますね。

執行様:そうですね。また、転勤もあるため、地方で長く働いていたい方もフィットしにくく難しい部分ではあります。

Q ダイレクトリクルーティングのスカウトを自分で行うのは大変だと思うのですが、何名ぐらいの体制でダイレクトやカジュアル面談を実施しているのでしょうか?

執行様:1.5人/月くらいです。1人/月は私で、残りはVOLLECTさん等の会社と協力しながら行っています。

Q採用にあたって、事業部側からの要望の吸い上げにはどの程度の時間を割くことができていますか?

執行様:責任者クラスから1時間程度吸い上げを行っています。具体的には、Eight Career Designやビズリーチの画面を一緒に見て、候補者の数を見ながら採用要件を詰めていきます。
正直、この時点でカジュアル面談無しでも良いくらい事業部側とすり合わせを行うのですが、候補者の心理的ハードルを低くするため、意図的にカジュアル面談を行っています。

Q.多くのポジションがあり大変だと思いますが、それぞれのポジションの詳細をどのように覚えていますか?

執行様:常に候補者からの質問を想定して、優先順位をつけながら覚えています。求人票見てもわからない上司のタイプや、技術職の場合開発環境などの情報は、現場にヒアリングを行っています。また、事業としてどのようなこと行っているのかは、事前に勉強をしています。

カジュアル面談を行っていると、Aという職種でスカウトを送った候補者でも、よく考えたらBという職種の方が合っている、と思うこともあります。そこで上手くスイッチングできるようにするためにも、職種のことを深く理解するよう努めています。

Q.ダイレクトだと細かい志向性や経験について記載が薄くわからない方も一定いますが、そういう方々へスカウトは打たれていますか?

執行様:リストアップした時の人数次第では、記載が薄い方にスカウトを送ることもあります。
中島:基本的にどのくらいカジュアル面談に時間を割けるかによると思いますが、パナソニック様のようにピンポイントな人材を狙う場合ですと、記載が薄い人にも送らざるを得ない状況になることもあります。

しっかりと記載がある候補者は事業部の責任者名義でスカウトを送り、記載が薄い候補者は人事を差出人にして送るなど工夫を行っている企業様もありますね。

また、記載が薄い人にはスカウトを送らない会社が多いため、返信率が上がることもあります。例えば、36歳で2020年以降の開発経験しか書いていない場合でも、その前に経験があるだろうと想定できる場合は、スカウトを送ってみるのもありだと思います。

Q.タレントプールに移行された方へのフォローは具体的にどのようにされていますか?

執行様:弊社にはキャリア登録という制度があり、登録していただいた候補者にマッチする新しい職種が出た際はご連絡をしています。これで実際に、異なる職種で再応募されるケースもあります。

しかし、時間が経つと転職の軸が変わっていたり、転職を終えていたりすることも多く、今後改善をしていかなければいけない部分だと感じています。

Q.パナソニックの今後の採用の展望は何ですか?

執行様:自分たちの力で難しいポジションの採用ができるように、採用力を向上していきたいです。

弊社は来年4月に、各事業のエッジを効かせてトップを取っていこうという方針から、ホールディングス化への体制変更を控えています。そのため、よりピンポイントでハイクラスな人材の確保が重要になってきます。

「パナソニックで自分の経験がこのように活かせるんだ!」と気づきを与えられる存在になり、こちらから欲しい人材を採りにいけるようになりたいです。

ダイレクトリクルーティング運用に困ったら

弊社、株式会社VOLLECTはダイレクトリクルーティングに特化した採用支援「PRO SCOUT」を行っています。
パナソニックやラクスルなど大手企業やメガベンチャーを中心に、さまざまな採用状況に合わせたご支援が可能です。
「マンパワーが足りない」「媒体を上手く活用できていない」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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