カジュアル面談の進め方や面接との違い・成功事例付きでコツを解説!

人事

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ダイレクトリクルーティングが当たり前になった今、採用の入り口としてカジュアル面談を取り入れている企業も多いのではないでしょうか。

しかし、カジュアル面談の具体的な進め方や、面接との違いがよくわからないまま、候補者の惹きつけに失敗する企業も少なくありません。カジュアルに臨んで良いのは候補者だけです。

本記事では、採用担当者がカジュアル面談を上手に進めるコツや、面接との違い、そして4社のカジュアル面談成功事例をご紹介します。

より詳細なカジュアル面談の進め方や面談担当者のアサインについて、知りたい方は下記「カジュアル面談攻略マニュアル」がお勧めです。

Casual Interview Strategy Manual

カジュアル面談
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当記事の監修者
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中島 大志
著書:ダイレクトリクルーティングの教科書
経歴:⽴命館⼤学卒業後、パーソルキャリア株式会社にて⼈材紹介事業に従事。株式会社VOLLECTでは、約5年間ダイレクトリクルーティングの⽀援に尽⼒。日経トレンディや東洋経済オンラインへの寄稿実績あり。

 

カジュアル面談とは、候補者が企業の求人に正式に応募する前に、企業の採用担当や現場部門とお互いの情報交換をする場のことです。特に、ダイレクトリクルーティングで企業から候補者にスカウトを送った場合は、企業が候補者を口説く場としての意味合いが強くなります。

そもそもカジュアル面談が選考プロセスで活用されるようになったのは、転職市場が候補者有利で、採用が難しい状況だからです。企業有利な状況であれば、多数の応募者の中から厳しく書類選考を行い、通過した人とのみ面接を行うといったやり方でも採用できます。

しかし、現在は応募が集まりにくい状況のため、なるべく多くの候補者と接点を持つためにカジュアル面談等のプロセスを設けている企業が増えているのです。

 

カジュアル面談と面接の違い|比較表付きで解説

Purpose of casual interview

カジュアル面談と面接は目的が異なります。

カジュアル面談は、まずは話だけ聞きたい候補者から、正式に応募を獲得するために行うのに対し、面接は合否を判断するために行われます。

カジュアル面談と言いつつ合否をつけている企業がありますが、本来のカジュアル面談に選考要素はありません。カジュアル面談で話を聞きに行っただけなのに落とされた…と不信感を抱かれてしまいます。

また、カジュアル面談は、候補者が求める情報を企業が提供するため、企業側の話す時間が長いのに対し、面接では候補者が回答する時間が多いという違いもあります。

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カジュアル面談のメリット・デメリット

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企業の人事から見たカジュアル面談のメリット・デメリットについてご説明します。

メリット

多数の候補者、優秀な候補者と会うことができる

カジュアル面談は候補者にとって職務経歴書等を用意する必要がなく、気軽に臨めるため、通常の面接よりも候補者と話せる確率が上がります。また、今すぐには転職するつもりがないが情報収集をしている人ともコンタクトを取ることができます。

候補者側の手間が少ないので、書類選考など通常の選考ルートでは応募してくれないような優秀な人材との接点を持てる施策と言えるでしょう。

自社に来てほしい候補者を直接口説くことができる

カジュアル面談の最大のメリットは、企業側からアプローチした候補者に対して、自社の魅力を言葉で伝えられることです。採用サイトや人材エージェント経由の募集要項では仕事の内容や待遇しか伝えられませんが、カジュアル面談では社風やビジョンなどより深い部分まで理解してもらうことができます。

また、候補者の職務経験やキャリアビジョンについても詳しく聞くことで、自社で募集している中でよりフィットするポジションを案内できる場合もあるでしょう。

正式選考がスムーズに進む

カジュアル面談で事前に企業のことを深く知った状態から正式選考がスタートするため、選考がスムーズに進みやすいです。

また、役員や、現場のリーダークラスがカジュアル面談に対応し、「この人は採用したい」と判断した場合は、その後の正式選考を短縮して早く内定を出すことで、内定承諾率を上げることも可能でしょう。

 

デメリット

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面談前の情報が少ないため、時間の無駄になってしまうケースも

一般的には、カジュアル面談の段階では職務経歴書などが手元にない場合が多いです。

ダイレクトリクルーティングサービスの登録情報から「会って話をしたい」と判断しますが、実際に話してみると志向や経験が合わない場合はどうしてもあります。

ある程度レジュメの登録内容が詳細な方に絞って面談を行えばミスマッチは防げますが、多数の方へのアプローチは難しくなります。どの程度確実さを求めるのかは、会社の状況に応じて判断しましょう。

採用担当者の念入りな準備が必要となる

カジュアル面談は一般的な面接の前に取り入れるため、時間や準備などのコストが増えてしまいます。ですが、カジュアル面談を行うことによって、求職者がより企業の理解度を深めたり、志望度を高めたりすることができます。

入社後のミスマッチが起こることはどの企業においても採用課題の1つです。ミスマッチによって退職者が出ることは、求職者、企業にとっても大きな損失になります。

しかし、採用担当者が考えるべきは求職者ファーストです。カジュアル面談はコストが増えますが、採用活動においてミスマッチを防ぐためにも、必要不可欠なコストと考えられるでしょう。

カジュアル面談の進め方マニュアル

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誰がカジュアル面談に対応するかを決める

カジュアル面談は候補者を口説くための場です。そのため、話や空気作りがうまい、人を惹きつける力を持っている人が理想です。

また、基本的には人事ではなく、仕事内容や技術に詳しい現場サイドの担当者、責任者に対応してもらった方が良いでしょう。

どうしても専門領域がわからない人事がカジュアル面談を行う場合、面談の冒頭に、「専門的なことは、一次面接で現場の者が説明させていただく」と釘を打っておきましょう。

また、よく聞かれる内容は、事前に現場に確認しておきましょう。

そして、できるだけ裁量権を持った人がカジュアル面談を担当することも重要です。
話を聞くうちに、スカウトを送ったポジションとは異なるポジションの方が向いている場合もあるかと思います。その際、次回、違う部署の者と話をしませんか?と言えるような、裁量権を持った人が担当するのが望ましいです。

 

実施方法を決める

ZoomなどのWeb会議ツールで行われることが多いです。一方で電話での面談も、場所と時間を気にせずに設定できるというメリットがあります。ただ、デメリットとして、候補者の惹きつけには適しません。

返信からの正式応募率を計算し、最も応募率が高い方法を選択すれば良いでしょう。

電話面談の活用方法

・自社の魅力づけを頑張って行うのではなく、候補者から転職状況や他社選考状況などの情報を収集する手段として電話を活用するのがオススメ

・次に繋げるために、フィットする次の面接官をアサインする

 

カジュアル面談当日の進め方

候補者に応募してもらうまでに必要なプロセスは、営業で商品を購入してもらうために必要なプロセスと似ています。

セールスのプロセスは、(1)自己紹介(2)顧客の課題をヒアリング、(3)課題に合わせた商品説明、(4)検討期間を含めた今後のスケジュールの確認、となっていますよね。

カジュアル面談のプロセスもこれに似ており、(1)自己紹介・会社紹介(2)候補者のキャリアに関する現状や希望をヒアリング、(3)現状や理想に合わせて、自社もしくは募集ポジションで提供(改善)できることを説明、(4)応募検討のスケジュールの確認といった流れになります。

(1)自己紹介・会社紹介

まずは自己紹介です。⾃分の新卒からの職歴や入社理由を入れ、会社対個人ではなく、個人対個人という関係性を作りましょう。趣味など、仕事以外の項目を取り入れることで場が和みやすくなります。

また、始めに選考要素がない旨を伝えて、候補者が安心して面談に臨めるようにするのも重要です。

会社紹介は、エージェント推薦や広告とは異なり、スカウトをした候補者なので、どこまで自社のことを知ってくれているかはわかりません。10分程度で、主な事業やメンバー構成などの基礎的な情報を説明しましょう。

ただし、この会社紹介の時間は後述する「採用ピッチ資料」を事前に送付しておくことで短縮することが可能です。一方的な説明ではなく会話に時間を割けるよう、準備しておくことをおすすめします。

(2)候補者のキャリアに関する現状や理想をヒアリング

候補者自身、キャリアに関する希望が明確になっていない場合もあります。特にスカウト経由だとすぐには転職考えていないという方も多いので、「なぜ転職を考え始めたのか」といった質問は適していません。

しかし、カジュアル面談に応じてくれた時点で「いいところがあれば時期を見て転職したい」という気持ちは持っているはずです。情報交換だけしたいという言葉を鵜呑みにせず、「今回なぜスカウトに返信し、面談に参加してもらえたのか?」という質問を切り口に、候補者の現状と理想を探っていくのが良いでしょう。

 

 

カジュアル面談の質問例
  • なぜ今回カジュアル面談に参加しようと思っていただけたのですか?
  • 本日の面談で特に知りたいことがあれば教えてください。業務内容、社風、福利厚生などなんでも構いません。
  • 他にどのような業界・企業を見ていますか?
  • なぜ転職を考えているのですか?
  • 企業選びで重視することは何ですか?

(3)現状や理想に合わせて、自社もしくは募集ポジションで提供(改善)できることを説明

最初は難しいですが、何回も面談対応をすることで候補者の理想はパターン化できると思います。

大きく分けると、「会社のビジョン・カルチャー」「仕事内容」「一緒に働く人」「働き方・福利厚生」の4つです。

この4つのパターン別に、自社の魅力として打ち出せる点を整理しておきましょう。面談慣れしている会社の人事であれば、併願されることが多い競合企業を認識し、競合と自社の差別化ポイントを認識した上で面談に臨むことも珍しくありません。

(4)応募検討のスケジュールの確認

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「ご興味あればまた連絡してください」「後日今後についてメールします」終わるのは絶対にNGです。「今後の選考プロセスは〜〜〜〜になっております。◯◯様にはぜひ、本選考に進んでいただきたいのですが、いかがなさいますか?」と聞き、本選考に進むかどうか、その場で意思確認しましょう。

スケジュールを確認する際は、今すぐ応募した方が良い理由を用意して伝えるとより良いでしょう。どうしてもしばらく検討したいという候補者に対しては、「いつ頃までには転職をしたいのか?」と確認し、スケジュールを握っておきましょう。

「検討します」と言われた場合は、「どのあたりに懸念をお持ちでしょうか?」「いつ頃までにご検討いただけますでしょうか? / いつ頃、再度ご連絡してもよろしいでしょうか?」と聞いてみてください。

本当に採用したい候補者の場合、懸念点に合わせて再度カジュアル面談を提案するのも手です。

 

カジュアル面談の成功事例

他の企業はカジュアル面談をどのように進めているのでしょうか。事例を紹介します。

パーソルキャリア様

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・エンジニアの面談では、技術に明るいリードエンジニアと、エンジニアのキャリア形成に明るいエンジニアマネジャーの2名で実施し、さまざまな角度から候補者の方からの質問に回答できるようにしている。

・自社をアピールするだけではなく、候補者がキャリアに悩んでいる場合にはキャリア構築についてご提案するなど、カウンセリング的な面談を行うこともある

参照:PRO SCOUT導入事例 

 

医師のとも様

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・ご経歴が非常にマッチする方は最初から代表が出て、事業に込めた熱い想いを候補者に伝えている

・カジュアル面談から代表と話ができるというのは、候補者にとってプラスの意味でサプライズになっている

参照:PRO SCOUT導入事例 

 

ランスタッド様

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カジュアル面談の基本は、会社の自己紹介だと思っている候補者が本当に聞きたい内容を聞けるチャンスなので、面接前や入社前にあるストレスや不安を払拭してあげられるようにしている。あくまで、フラットに「何でも聞いてください」という形で、傾聴に重点を置いている

・スカウト経由の方に入社の理由を伺った際に、「カジュアル面談で御社が一番丁寧に説明してくれたから」と言われた

カジュアル面談でよく聞かれる内容は「開発環境について」「開発スケジュール」など決まっています質問が多い内容については、あらかじめエンジニアに確認しておき、エンジニアから教えてもらったことをそのままお伝えしている。

参照:ウェビナーレポート

 

グロービス様

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相手に関する質問は基本的にせず、候補者側からの質問に答える形式で進める。最後に感想を聞くと、初めてこんなにざっくばらんに話せましたと言われることが多い。

カジュアル面談を行わないと、候補者側も面接への準備が全くできていない状態になり、面接の通過率がかなり落ちる

参照:ウェビナーレポート

 

カジュアル面談の効果を高めるコツ

採用ピッチ資料を作成する

候補者に自社の魅力を余すところなく説明するための資料が「採用ピッチ資料」です。企業のビジョンや仕事内容などHPに掲載している内容はもちろん、メンバーへのアンケートなどHPでは知ることのできない内容なども盛り込むと良いでしょう。

どのように作ればいいかわからないという方は、すでに採用ピッチ資料を公開している企業が多くありますので、参考にしましょう。SmartHR社やミラティブ社の資料はHR業界ではとても有名です。

志望動機を聞かない

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候補者(求職者)がスカウトサービスに登録する際は、「転職はすぐには考えていないけど、良い案件があれば転職を考えたい」という考えのことが多いです。

つまりスカウトメールが来て、話を聞かせて貰えるのであれば、と面談に参加します。そのような候補者に志望動機を訪ねると、「スカウトされたのになぜ志望理由を聞かれるの?」と不信感を抱かれてしまいます。

極端に言えば、ナンパされてついて行ったら、「俺のどこか好き?」と聞かれるようなものです。会社(仕事)に求めるもの等は聞いた方が良いですが、個別の志望動機は絶対に聞かないようにしましょう。

ただし、志望理由と転職理由は全くの別物です。カジュアル面談で志望理由を聞くのはタブーですが、転職理由を聞くのは問題ありません。どのようなことがきっかけで転職を考えるようになったのか、その点はしっかりとヒアリングすることをオススメします。

今すぐに転職を考えていない候補者に対しては、「今回面談にお時間頂いたのには、何かキャリアに対して不安に思われていることはありますか?」といった内容で浅めに聞いてみても良いかもしれません。

正式に求人応募してもらうことを意識する

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企業側のカジュアル面談のゴールとは「候補者から正式に応募してもらうこと」です。

カジュアル面談で候補者の見極めをすることは間違ってはいません。しかし、候補者から正式に応募してもらえないと意味がありませんし、応募後には好きなだけ候補者を見極める機会があるので、カジュアル面談時では必要がありません。

またカジュアル面談は、候補者との一番最初のタッチポイントです。ここでの印象=会社の印象の全てとなります。このカジュアル面談を担当するのは、「インパクター」となる人が相応しいとされています。

「インパクターとは、インパクト(=気づき)を与え、自社を印象づける役割です。インパクトとは、候補者がまだ知らない、自社に関する新たな視点を与え、「この人と一緒に働きたい」と思わせるような強い動機づけを行うこと。そのため、インパクターは社内で最も活躍している人や優秀な人に担ってもらうと効果的で、現場のトッププレーヤーやトップエンジニア、部長・役員クラスが適任です。
引用元:https://bizreach.biz/media/8562/

また、出来るだけ「その場」で正式応募してもらうことを心掛けるべきです。「前向きに検討します」という言葉を真に受けて終了するのではなく、次のフローの調整をしてしまうのです。

「すぐには転職を考えていない」と言いつつ、カジュアル面談に応じてくれるということは転職への意識は少なからずある方が多いでしょう。もし転職時期がしばらく先なことが決まっていても、選考して内定を出してから調整することも可能です。

面談実施後1〜2ヶ月後に正式応募する方は少ないので、「その場」で正式に応募してもらうことが重要です。

もちろんその場で応募を取り付けられなかったときは、長期的な関係作りへとシフトし、一定期間をおいてこまめに接触を図るようにしましょう。

より詳しいカジュアル面談の進め方は、無料のお役立ち資料「面接官にも共有できる!カジュアル面談攻略マニュアル」に掲載しております。是非ダウンロードしてください。

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求職者の意見や質問を引き出す

採用担当者が思う以上に求職者はカジュアル面談でも緊張しています。採用担当者から意見や質問を引き出すことや、質問しやすい雰囲気作りをすることが重要です。

カジュアル面談は求職者もどこまで聞いていいのか不安になるため、質問されやすい内容を例として挙げると求職者の不安を取り除ける可能性があります。

また、面談官が自己紹介等でぶっちゃけた内容を伝えることで、「何でも聞いて大丈夫なんだ」と心理的に楽に思わせることができます。そうすることで、企業としての印象も良くなり、志望度が高くなるのです。

求職者にカジュアル面談での質問内容をあらかじめ教えておく

カジュアル面談は本選考ではありません。しかし、求職者の方は本選考に関わるのではないかと思う方も多いです。

また、求職者には選考に関わらないことを伝えることで、スムーズに話すことが可能です。面接担当者は当日の雰囲気だけでなく、当日になるまでの雰囲気作りを意識しましょう。

自社の強みと弱みを明確にし、今後のビジョンを伝える

求職者は自分の将来を考えた上で就職・転職活動を行います。求職者が求めている知識やスキルが企業にはあるのか、求職者に対して自社の強みと弱みを伝えることでどのように成長できるかイメージをしてもらうことが大切です。企業として何を目指しているのか明確に伝えることで、企業と求職者の間にギャップがない状態で本選考へと進めます。

企業と求職者の間にギャップを作らないためにも、自社の強みや弱み、今後のビジョンを伝えましょう。

転職意向が無いと言われてもすぐに諦めない

本当に転職意向がないのであれば、わざわざカジュアル面談に来ないはずです。

面接官と候補者との相性が悪かった可能性が考えられるため、別の担当者と面談しないか誘い、次の面談につなげるのもおすすめです。

 

カジュアル面談でよくある質問

カジュアル面談を行う上で、よくある質問をご紹介します。

Q.カジュアル面談の選考基準は?

A.基本的に、カジュアル面談で見極めは行わず、よほどのことがない限りは選考に進んでもらうことを前提としてください。

そのため、極論会話が成り立っていればOKとすべきと思いますが、どうしてもある程度の基準を設けたい場合は、下記項目を目安にしてみてください。

・スカウトサービス登録情報に違いはないか(例えば何社かスキップして記載している場合もあるので、社数が選考基準に入る場合は注意)
・通院歴や業務に支障をきたすような状況ではないか(こちらからは質問出来かねることもあるため、候補者から自発的にお話があれば注意)
・今後やってみたいことと、会社が用意できるポジションがマッチしているかどうか、やりたいことが叶えられそうか

Q:職務経歴書や履歴書はどのタイミングで候補者から提出してもらうべき?

A :カジュアル面談実施前に依頼をすると、候補者にとっての面談に参加するハードルが一気に上がるので、カジュアル面談を通じて「選考に進みたい」と候補者から意向が取れたタイミングで、応募書類の提出を依頼するのがベストです。

Q:職務経歴書や履歴書がないとカジュアル面談で何を聞いたら良いのか分かりません

A:正式に応募してもらうために、候補者が抱えている課題や希望を自社であれば叶えられることを伝えるのがカジュアル面談です。「どこでどんな仕事をしてきたか」ではなく、候補者が仕事をする上で叶えたいことや課題に思っていることをヒアリングするのが良いと思います。

レジュメは後でいくらでも貰えるので、もっと候補者の内面を知る場として活用するのがおすすめです。

Q:カジュアル面談を実施した候補者をお見送りにしたい

A:基本的には、カジュアル面談は候補者を見極めする場ではないので出来れば避けて欲しいのですが、候補者の言動などでお見送りにしたいという場合もあると思います。

その場合は、面談の終わりに「本選考に進んでいただけるのであれば書類選考に進めさせていただきます」とお伝えし、書類選考NGにする企業が多いです。

Q:スカウトの差出人と異なるメンバーが面談を実施しても良い?

スカウト差出人とカジュアル面談担当者はできれば統一した方が良いですが、どうしても難しい場合には面談者が違っても大きな問題にはなりません

異なるメンバーがカジュアル面談を行う際は、候補者にネガティブな印象を与えないように、「当日は、より現場目線で業務内容やチームの雰囲気をお伝えできる、●●事業部リーダーの●●が担当させていただきます。」などと一言添えておくと良いでしょう。

また、スカウト文面の最後に、他メンバーの可能性がある旨を伝えると、誠実な印象を与えます。
「まずはざっくばらんに私、あるいは同チームの●●とお話させていただければ幸いです。」などと書きましょう。このとき、担当する可能性がある方々のインタビュー記事を記載しておけば、どちらになっても親近感が沸いて効果的です。

Q.ダイレクトリクルーティングの場合、必ずカジュアル面談を行う必要がある?

カジュアル面談の後に離脱が大量に発生するなど、カジュアル面談を通さない方が、採用決定までの歩留まりが良くなる場合は、通常面接に変更した方がよいでしょう。

ただ、その場合は返信率が下がる可能性もあります。あくまで、「採用決定が出やすい方」を選択してください。

 

ファーストコンタクトは、通常面接とカジュアル面談、どちらを選ぶべき?

スカウトを送る際、基本的にはカジュアル面談を案内するケースが一般的ですが、時には通常面接を案内して上手くいくケースもあります。
そのケースというのは、下記2点の場合です。

  • 現場側がカジュアル面談というものを理解しきれない
  • 転職顕在層寄りの候補者をアプローチする場合

一つ目に関しては、現場が採用にあまり関わってきておらず、候補者への魅力付けが必要なカジュアル面談のことを理解していない状態です。今まで通常面接しか経験がない方しかアサインできない場合は、ファーストコンタクトをいっそのこと通常面接にしてしまっても良いでしょう。

しかしながら、良い求人があれば転職を考えても良いかもという転職潜在層をアプローチする場合にはさすがにやめておいた方が賢明ですので、すぐに転職を考えている候補者に対してアプローチする時に限定した方が良いかと思います。

dodaダイレクトなどのような転職顕在層寄りのスカウト媒体であれば、スカウトする段階で即通常面接を案内するのもやり方の一つだと思います。ただし、返信率に関してはやや下がる可能性もありますので、基本的にはカジュアル面談を案内するのがオススメであることは変わりありません。

最後に

主にスカウト経由を想定して、カジュアル面談を成功させるために必要な内容を紹介してきました。人事向けの方の記事ですが、面接官となる方にも是非シェアしてみてくださいね。

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投稿者プロフィール

中島 大志
中島 大志株式会社VOLLECT CEO
「ダイレクトリクルーティングの教科書」著者。日経トレンディや東洋経済への寄稿も果たす。新卒でパーソルキャリア株式会社にてクライアントに対して採用コンサルティングに従事。その後、外資系コンサル企業の採用支援をする中でダイレクトリクルーティングの魅力に気づき株式会社VOLLECTを創業。スカウト採用支援実績は500社超。