【入門編】メーカーのエンジニア採用を成功させるポイントとは?

メーカー エンジニア採用 ポイント

難易度の高いエンジニア採用。今回はエンジニアと言ってもITエンジニアではなく、主にメーカーに所属している、ものづくりエンジニアの採用について取り上げます。

  • 人材エージェントに紹介をお願いしているけど全然推薦がもらえない
  • せっかく推薦をもらったけど現場に「ズレている」と言われ面接に進まない
  • スカウトメールを配信したいけどどういう人を対象にして送ったらいいか分からない

ということは、エンジニア採用ではよくある困りごとかもしれません。
メーカーのエンジニアと言ってもその職種は、機械設計や回路設計、組み込みや生産技術など、様々です。

優秀なエンジニアを採用するために、求人広告や人材エージェントなどあらゆる採用手法を試している方もいるかもしれませんが、それだけで採用がうまくいくわけではありません。この記事ではメーカーのエンジニアを採用するときに抑えておきたいポイントを具体的に説明していきます。この記事を読んで、学んでいただけると幸いです!

▼本記事で学べる内容

  • エンジニア採用の市場の現状とこれからのトレンド
  • メーカーのエンジニア採用がなぜ難しいか
  • どうすればエンジニア採用がうまくいくのか

メーカーの採用市場

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doda転職求人倍率レポート(2020年12月)によると、「メーカー」の求人倍率は1.42倍と業種の中でもっとも高い「IT・通信」の5.78倍と比較すると低めです。コロナ禍以前の2019年11月を見ても「メーカー」2.1倍、「IT・通信」7.85倍と採用難易度は「IT・通信」のほうが高い傾向にあります。

ただ求人倍率だけを見て「メーカーの採用はまだカンタンそう」と安心するのは早いかもしれません。
なぜなら、「IT・通信」業と比較し、「メーカー」業界、特にメーカー業界のエンジニアのスキル・技術は同業他社で汎用的に役立つものはさほど多くないからです。
例えばIT・通信業では、Javaを用いたシステムを開発するために即戦力エンジニアを採用したいといった場合は、今までにJavaを用いて3年以上程度開発経験があるエンジニアを対象とする場合が多いでしょう。
一方、メーカーでエンジニアを採用する際に「即戦力」を求めるのはより対象者が絞られます。理由は、メーカーの研究開発は特許で保護され、量産化の肝である生産技術も同じ装置を使っていてもすぐに真似できるようなものではないからです。そのため、メーカーで即戦力人材を中途採用には有効求人倍率には表れにくい、別の難しさがあることを認識することが重要です。

メーカーのエンジニアの正しい人材要件定義の方法

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現場から「生産技術の人が欲しい」と言われたとき、そのまま人材紹介会社に伝えたり、スカウトサービスで探してスカウトをしたりしても、良い結果には繋がらないでしょう。「生産技術の経験者」は正しい条件ではありますが、マッチングする際には粒度が荒い、つまり”ざっくり”しすぎています。例えるなら、人事制度設計のスペシャリストが欲しいのに「人事経験者」と募集するようなものです。
では生産技術の人が欲しい、と言われた時にはどの粒度まで絞る必要があるのか解説します。

メーカーのエンジニアを分類するには、「どのような製品」に「どのような工程」で関わったのかを押さえることが基本的です。つまり、「製品ジャンル」と「担当する工程」の2つです。

製品ジャンル

比較的簡単で、「電気」「機械」「化学」の3つで分ければ一旦問題ないと思います。「電気」だとモーターや半導体、「機械」は機械部品、「化学」は樹脂の素材となるポリプロピレン等の化学製品を指します。

担当する工程

メーカーでは下記の図のような工程を踏んでモノが作られます。「企画」、「設計・開発」、「調達」、「生産」、「品質保証」、「出荷」、「販売」、「アフターサービス」です。「企画」〜「品質保証」までの工程ごとに専門のエンジニアが配置されています。

「電気」×「設計・開発」のエンジニアや、「化学」×「品質保証」のエンジニアといった形に「製品ジャンル」と「担当する工程」に分類して要件定義を行います。

Engineer_scout_prosess これでもまだ粒度は荒いですが、このように分類分けすることがまず要件定義の第一歩になります。
この分類方法を理解した上で、下記のようにより詳細に絞ることで、よりフィット感の強いエンジニアを探す事ができるでしょう。

◆製品ジャンル:「電気」→「半導体」→「マイクロチップ」など
◆工程:「生産」→「生産技術」→「量産化技術開発」「工程設計」「装置設計・改善」「治具設計」など

メーカーのエンジニア採用のポイント

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従来の採用ターゲットから変わりつつある

メーカーのエンジニア採用といえば機械、電気、化学が中心でしたが、今まで採用ターゲットにしていなかった、もしくは採用数が非常に少なかった分野のエンジニアの採用を積極化しています。具体的には、ソフトウェアエンジニアやIT系のエンジニアの採用ボリュームが増えていきます。理由は単純で、オートモビリティやコネクティッドサービスなどを含むIoTやDXが世の中のトレンドになっており、既存のメーカーエンジニアだけでは対応できない状況になりつつあるからです。家電でさえもインターネットに繋がることが当たり前になってきているため、従来メーカーが採用してきたターゲットではないITエンジニアの採用は今後もより加速の一途を辿るでしょう。

汎用的なスキルや経験が少なく要件緩和が難しい

何かをつくるという意味でITエンジニアと似ている部分もありますが、大きく異なる点もあります。ITエンジニアと大きく異なる点は、下流工程の経験を生かして上流工程にステップアップしていくというキャリアはなかなか築く事ができないという点です。
ITの場合、新卒で保守エンジニアをやった後に、徐々に「開発」、「要件定義」のように下流での経験を生かしながら、上流に向かっていくキャリアが一般的ですが、メーカーのエンジニアではそのようなキャリアの歩み方は一般的ではありません。そのため、設計開発ができるエンジニアを採用する際は、設計開発の経験が必須要件となるケースがほとんどです。

上流工程を担うエンジニアは特に採用が難しい

どのような製品ジャンル・工程を担うエンジニアの採用が難しいか?という点は、そのときにどのような人材が転職市場に出ているか次第ではありますが、一般的には「上流工程を担当している人材」のほうが難易度は高くなりがちです。理由は、評価や解析などの下流工程は自社外の専門会社や非正規雇用のエンジニアが担当することが多いものの、競争力の源泉である研究開発や設計などは自社内のエンジニアが行う場合が多く、下流工程と比較すると人数も多くないためです。

現場の協力がなかなか得られないことがよく起こる

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人事担当者がもっとも苦労するのは、現場から採用活動に対する協力を得ることではないでしょうか。
もちろん通常の業務で忙しい現場エンジニアに協力してもらうことはすぐにできないかもしれませんが、少しでもいい人材を獲得しようとした場合、協力があるのとないのとでは雲泥の差がでます。
従来の日本型企業は終身雇用が当たり前で少し前までは転職は一般的ではありません。メーカーが全て終身雇用主義とは言いませんが、他の産業と比較するとまだまだ現場ではそのような考えが根強いかもしれません。実際に平均勤続年数の上位を見てみるとメーカーが多くの割合を占めています。

そのような状況ではなにか起こるかというと、

  1. 社内にいる人材なのだから絶対に転職市場にもいるはず、と「採用要件があがる」
  2. 社内に何人もいるため採用が簡単だろうと思い、「採用は人事だけの仕事だと考えている」

など、なかなか採用に協力してくれなくなってしまうのです。

今社内で活躍しているのは、ほとんどが新卒で入社し、手厚い教育体制のもと、様々な仕事を経て結果スキルや技術を身につけた人材でしょう。中途で採用する人に最初から同等のスキルを求めるのは酷かもしれません。
もちろん、競合他社から採用してくるのであれば話は別です。ただし競合他社の人材を採用するには、自社に相当な魅力がなければいけませんし、メーカーでは競合他社への転職は入社時に禁止されたりしているケースも多いです。

現場の方の協力を得るためには、まさに地道な活動にはなりますが、中途採用の難易度や現場が協力するメリットをしっかり伝え続けなければなりません

中途採用の難易度を伝えるときにオススメの方法ですが、下記2つで十分伝わるはずです。

  • 各転職サイトが出している求人倍率レポートを活用する
  • 最終面接を経て内定を出したものの、入社してくれなかった人材の入社先を現場に教える

※これは採用競合を明確に意識してもらう上で非常に有効です

メーカーのエンジニア採用でおすすめしたい採用手法

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ここまでメーカーのエンジニア採用の市場と難しさについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
エンジニア採用って難しい、と思うかもしれませんが、メーカーが成長するためにエンジニアの採用は必要不可欠です。
ぜひ人事だけではなく、現場も巻き込みながらトライ&エラーを繰り返していってください!

ここからはメーカーのエンジニア採用でおすすめしたい採用手法についてご紹介していきます。

リファラル(知人紹介)

1つ目はリファラル採用と呼ばれる、社員の人的ネットワークを通じて人材を採用する手法です。
社員に対して「欲しい人材の要件」を伝え、合致しそうな友人や元同僚を紹介してもらうことで他の採用手法よりも経験的にも人柄的にもマッチした人材を集める手法として注目を集めています。

メーカーのエンジニア採用でおすすめしたい理由としては、下記の2つです。

  • 転職意向が低い人に対してアプローチできる点
  • いまいる社員と同じようなスキルを持った人にアプローチできる点

前述したとおり、まだまだ終身雇用が前提のメーカー業界ではなかなか人材が転職市場には出てきません。
そこでいまいる社員を通じて転職意向が低い人材にもアプローチができるリファラル採用はおすすめです。
また、メーカーでは研究室からの採用を積極的に行っているケースが多く、同じ研究室や職場出身は基本的に同じようなスキルを持っているため、即戦力人材の獲得にも繋げることができます。

実際富士通でもかなりリファラル採用に力を入れており、採用HP上でもリファラル採用の告知があります。
※富士通採用HP

ダイレクトリクルーティング

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2つ目はすでに多くの企業が取り入れているダイレクトリクルーティングです。
転職サイトが保有している人材に対して企業が直接アプローチでき、確約など選考フローを省略もすることも可能であるため、近年多くの企業が取り入れている採用手法です。

  • 人事が直接経歴を見てアプローチできるため、無駄のない選考が可能
  • それぞれの人材に応じて訴求ポイントを変えてアプローチできる

という2点で非常におすすめです。
エージェントや求人サイトに依頼するとどうしても細かな要件が伝わらなかったりするため、欲しい人材だけから応募がくるわけではありません。実際に自分の目で見てスカウトメールを送ることができるため、経験・技術的にもマッチした方からの応募が見込めます。また、一人一人のエンジニアが転職時気になることは、業界としての将来性や研究開発への投資比率、保有している特許数等、それぞれ異なります。今所属している会社や転職理由などから「こういうポイントを訴求すれば魅力的に思ってくれそうだな」と自社の強みを十分に活かした採用活動がダイレクトリクルーティングでは可能になります。

再就職支援

再就職支援サービスとは、事業規模の縮小等により、離職を余儀なくされる労働者に対して再就職支援をおこなうサービスです。再就職支援を行っているサービス会社が、規模縮小をする会社から依頼を受け、その企業の出身者に対してキャリアカンセリングや再就職先の斡旋を行うというモデルです。「○○会社が再就職支援サービスを使っている」という情報は流れてきませんが、登録しておいて損はない採用手法です。ただし、規模縮小によって離職を余儀なくされた人材が対象であるため年齢層は高めで、40代後半以上であることがほとんどな点は注意が必要です。

番外編

かなり特殊なケースにはなりますが、駅や電車の中に採用広告を出したケースが一時期話題になりました。
トヨタ自動車が南武線に、キオクシア(旧東芝メモリ)も地方の駅ナカにポスターを出していました。
理由は明確で、それぞれの会社が欲しいエンジニアが使う駅や路線を狙っての採用広告ですね。
ここまでの取り組みをしているケースは稀ではありますが、「特定の技術をもったエンジニアは通常の手段では採用できず、直接訴えるしかない」という採用難易度の高さを感じていただけるのではないかと思います。

メーカー エンジニア採用 駅広告

メーカー エンジニア採用 駅広告

最後に

今回は入門編として、初めてメーカーのエンジニア採用に携わる人に知っておいてほしい知識を紹介してきました。要件定義に必要な「製品ジャンル」×「工程」については、部門が多岐に渡る場合、理解するのが難しいかもしれません。現場とのコミュニケーションを密にとり続けることが最も重要です。

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