大企業向けの人事給与SaaSを開発・提供し、2026年3月にシリーズBの資金調達を完了した株式会社パトスロゴス様。従業員数が前年比約1.45倍となる急成長を遂げるなか、少数精鋭で採用活動を推進されていました。こうした状況のなか、弊社では「PRO SCOUT」を通じて、同社のスカウト運用をご支援させていただきました。
「採用チームの一員のような存在」と語る二人三脚の関係はどのように生まれたのか。数値に基づく改善提案、媒体CSとの三社連携、要件の背景まで踏み込む対話について、ビジネス職採用責任者の辻様に伺いました。
対談メンバー
株式会社パトスロゴス 辻 真樹 様
株式会社VOLLECT 藤井 量
シリーズB調達を経てIPOへ。売上拡大を担う営業・コンサル人材の採用
━━ まず、御社の事業内容について教えてください。
辻様: HR SaaSのハブとなるHR共創プラットフォーム「PathosLogos」と、大企業向け人事給与SaaS「Combosite人事給与」の開発・販売・導入を手がけています。
多くの大企業では、長年にわたり大規模な人事基幹システムが利用されてきました。ただ、そうしたシステムの老朽化・レガシー化に加え、業務ごとに導入された複数のシステム間でデータが分断され、うまく連携できていないことが大きな課題になっています。人的資本経営をはじめ、従業員を戦略的に活かすことがどの企業でも重要視される一方で、既存システムの構造上、データを横断的に統合・活用することが難しいケースもあります。
当社は単に既存の大規模ERPをリプレイスするのではなく、各領域に適したSaaSを柔軟に組み合わせながら、システム間のシームレスなデータ連携・統合を実現し、大企業の人事DXを支援することを目指しています。そうした新しい時代の人事インフラとして開発・提供しているのが、私たちの共創プラットフォームと人事給与SaaSです。

━━ 現在、特に力を入れている採用ポジションを教えてください。
辻様: 2026年3月にシリーズBの調達を終え、将来的なIPOを見据え、事業基盤と組織体制の強化を進めています。事業成長を加速させるため、売上拡大を担う営業人材の採用を優先的に進めています。併せて、営業が受注した案件のシステム導入や活用を担うコンサルティング部で、大型のシステム導入やリプレイスプロジェクトを強力に牽引するPMおよび導入コンサルタント職の採用にも力を入れています。
━━ PRO SCOUT導入以前は、どのような採用手法を使っていましたか。
辻様: ダイレクトリクルーティングとエージェントの二本立てです。ただスタートアップなので、コーポレート部門にそれほど人数を割けません。私が入社した当時も、人事は私と上司の2人だけでした。採用人数が増えるなかで外部に任せなければいけない領域が出てきて、それがスカウトでした。スカウトのRPOを入れたのは、VOLLECTさんが初めてです。
「歩留まりが読めない」から「逆算できる」採用へ。RPOに求めたもの
━━ ダイレクトリクルーティングに力を入れたきっかけは何でしょうか。
辻様: エージェントも重要な採用チャネルとして活用する一方で、採用計画の予測精度を高めたいという課題がありました。採用人数が増えるほど、それが大きな問題になっていきました。
その点、ダイレクトリクルーティングは、送信数・返信率・面談化率といった各プロセスの歩留まりを数値化できるため、採用目標から必要な活動量を論理的に逆算できます。行動量ベースで計画の予測が立てやすい点が、大きなメリットだと感じています。
単純な工数不足の解消だけでなく、必要な活動量をしっかり確保しながら、スカウトの品質や改善サイクルを高い水準で維持するためにも外部の専門性を活用したいという背景がありました。そうした判断から、スカウトRPOの導入を検討しました。
━━ 複数のRPO企業を比較するなかで、VOLLECTを選んだ決め手は何でしたか。
辻様: 選定の軸は、確保すべき行動量や、何%の既読率・返信率が必要かということを、どれだけ具体的にイメージできるかでした。そこに対して、VOLLECTさんは実績があり、事前に共有いただいた資料や知見からも具体的な運用イメージをしっかり持てたことが大きかったですね。
何より、「スカウトを打っておきます」という外注ではなく、内定承諾を追いかけるために何をすべきかを同じ視点で見ていただけた。それが一番の決め手でした。
「採用チームの一員のような存在」。数値で語り、媒体とも連携する伴走のかたち
━━ 実際の支援について、率直なご感想をお聞かせください。
辻様: 一番安心してお任せできたのは、報告の内容です。お願いしてきた期間、目標を上回る時期もあれば、計画通りに進まない時期もありました。そのなかで、定期的に数値で報告いただけたのが本当に良かったですね。
目標に届かなかったときも、「達成するにはどこを変えるべきか、どの期間でABテストをして、いつまでに判断し、いつまでにこのパーセンテージを達成するか」を、常に数字でやり取りしていただけました。計画通りに進まない時期があっても、課題に対して具体的な改善策と検証スケジュールを提示いただける。その積み重ねが、長期的な信頼関係につながっていると思います。
━━ 特に効果を感じた施策はありますか。
辻様: すごく具体的な話になりますが、求人の細分化です。現年収や希望年収、年齢、経験職種などに応じてターゲットを細分化し、それぞれに合わせた求人・スカウト文面・検索条件を設計いただきました。
実際に効果も出ていますが、これを私が継続して運用するのはとても無理でした。「そこまでやっていただけるんだ」という驚きとともに、感謝しています。
━━ 契約前の提案と実際の運用で、ギャップを感じた点はありますか。
辻様: 基本的には、提案いただいた内容以上のことをやっていただいていると感じます。
特にありがたかったのは、もともとは「私たちとRPO」「私たちと媒体」という関係だったのが、三社でやり取りできるようになったことです。私たちと媒体の間に積極的に入っていただけるとは、提案の段階では全く想定していませんでした。藤井さんから積極的に提案いただいて実現したもので、話がとてもスムーズに進むようになりましたね。媒体のCSとこういうコミュニケーションをもっと取っておくべきだったというのは、私自身の学びにもなりました。
藤井: 支援する側としても、三社で動けたのは本当にありがたかったです。VOLLECTは多くの企業様を支援し、さまざまな媒体を使っているので、客観的なデータや市況をお伝えできます。一方で、どのセグメントの候補者がどんなスカウトを求めているかといった情報は、媒体側のほうが豊富にお持ちです。一次情報をどれだけ集めて活かせるかが、スカウトでは何より大事だと感じています。
辻様: 結果的にすごく仲良くなりましたしね。業務以外でも率直に意見交換できるほど、信頼関係が深まりました。少人数の体制で採用を進めてきたので、採用課題を一緒に考え、相談できる仲間が増えたような感覚があり、非常に心強かったです。
━━ 担当者の印象はいかがですか。
辻様: とてもスピーディで柔軟、オープンマインドなので、何でも相談できます。外部パートナーでありながら、社内の採用チームの一員のような存在で、日常的に相談できる存在です。
「こういう文面で書いてほしい」とお願いすればすぐ対応してくれる。「こういうニュースが出たから、こういう人たちにこういう文面で送ってほしい」という依頼にも応えていただけて、とてもやりやすかったです。

伴走が生んだ成果。中途採用3名と、新卒採用での入社パス取得者7名中6名
━━ PRO SCOUT経由の採用実績について教えてください。
辻様: 中途では、導入コンサルタント2名とPM1名の計3名です。3名とも今、活躍しています。
特徴的だったのは、3名とも元人事の方だったことです。人事から私たちのポジションにキャリアチェンジしてくれました。もともとは他社の人事職への転職も検討されていた方々でした。そうした層にしっかりスカウトを届け、内定承諾につながった。「この媒体で、こういう人が採用できるんだ」と思える成果でした。刺さる内容を刺さるタイミングで届けていただけたのが大きかったと思います。
藤井: 候補者の方からすると、「なぜ自分にPMや導入コンサルのスカウトが届いたのか」と思われたかもしれません。スカウトをきっかけに、ご自身のキャリアに新しい選択肢を見つけていただける。そこにダイレクトリクルーティングならではの意味があると感じています。
辻様: 実際、私たちが採用したいターゲットでした。そういう候補者さんへの私たちの思いを、VOLLECTさんがしっかり文面にして送ってくださった。それが返信につながり、最終的な意思決定にもつながったと思います。
━━ 28卒では、御社として初めての新卒採用も支援させていただきました。
辻様: 28卒の新卒採用において、将来的な入社資格となる『入社パス』を取得した7名のうち、実に6名がVOLLECTさんによるスカウト運用を通じて出会った候補者でした。初の新卒採用という挑戦のなかで、これほどの大きな成果に結実したことは非常に価値のある結果だと実感しています。
※入社パス:通常の内定とは異なり、選考を通過した学生に対して将来的な入社資格を付与する当社独自の制度。
━━ 新卒もVOLLECTに任せようと思ったきっかけは何でしたか。
辻様: 新卒採用でもさまざまな会社さんを比較検討しましたが、最終的にVOLLECTさんへお願いした理由は2点あります。
第1に、当社の事業や採用方針をすでに深く理解いただいており、即座にスピーディな着手が可能だった点です。第2に、スカウト主体の母集団形成に対し、想定歩留まりから逆算して必要な送信数や予算を最も具体的かつ解像度高く設計いただけた点です。スピードと緻密な計画性の双方が揃っていたからこそ、安心してお任せできました。
ダイレクトリクルーティング成功の秘訣は「1通目」と「背景の共有」。入社後の活躍から逆算する採用へ
━━ 他の採用手法と比べて、ダイレクトリクルーティングの強みはどこにあると感じますか。
辻様: 候補者本人に対して、私たちが伝えたい意図をダイレクトに届けられる点だと思います。「これまでの経験のどこを評価していて、なぜうちで活躍できると考えているのか」を解像度高く伝える必要があります。
また、単に直接メッセージが届くだけでなく、候補者ご自身が想定していなかった新たなキャリアの可能性を、培ってきた経験を評価した上でこちらから提案できる。それをスカウトの1通目で届けられることこそが、ダイレクトリクルーティングの魅力だと感じています。
実際、直近1年で入社したPMは全員がダイレクトリクルーティング経由です。今でも入社したメンバーから「あのスカウトがきっかけで、想像もしていなかったこういうキャリアを歩めて本当に良かった」と言ってもらえることがあります。本人が気づいていなかった自身の可能性や新しい選択肢を提示し、人生のターニングポイントをつくり出せること。それこそが、私がスカウトに感じている価値です。
━━ スカウト運用を外部に任せる際は、パートナーとの目線合わせも重要になりそうです。
辻様: おっしゃる通りです。なぜその人を採用したいのか、会社がどういう状況だからこういう採用をしているのかなど、綿密なやり取りが重要になってきます。
当社では事業や組織の状況に応じて採用方針や要件を見直すことがありますが、藤井さんは変更内容だけでなく、その背景や目的にまで関心を持ってくださいます。「そこまで話していいんだ」「よくぞ聞いてくださいました」と思うことが多かったです。そのための時間をつくってくれることが信頼につながっていますし、スカウトを任せるなら、むしろそのくらいのやり取りが必要だと思います。
━━ ダイレクトリクルーティングで採用を成功させるために、意識されていることはありますか。
辻様: 大きく2つあります。1つは、候補者の動き出しをとらえることです。候補者の動き出しを感知して、すぐアプローチできるか。転職を考え始めたタイミングで、他社に先んじて接点を持てるかということを意識しております。「パトスロゴスから最初にスカウトをもらったから、一度話を聞いてみよう」という状況をつくれるかが、とても重要だと思っています。
もう1つは、カジュアル面談です。カジュアル面談の時点では、まだ選考を希望していただいているわけではありません。選考に進んでいただくには、スカウトで伝えた期待と、実際の面談でお伝えする内容に一貫性を持たせることが重要だと考えております。どこを評価していて、なぜ選考に進んでほしいのかを伝えるために、事前の準備を大事にしています。これはこれからも真摯に続けていかなければいけない部分です。
━━ 今後、採用活動で特に力を入れていきたいことを教えてください。
辻様: 組織は前年比で約1.45倍になってきました。社内で活躍する方が増えてきたことで、その方々の入社後の活躍と、採用時の評価や最初の接点とが、少しずつ結びつき始めています。ダイレクトリクルーティング経由の入社者も多いので、最初にどこに魅力を感じ、どの選考段階でどんな気持ちになったのかというデータも取れるようになってきました。
採用人数の達成はもちろん重要ですが、それ自体が最終的な目的ではありません。入社後の活躍まで見据え、双方にとって良い採用を実現することが重要だと考えています。活躍できる人材にいかに出会えるかを、データを活用しながら追いかけていく。それがこれからのミッションです。
━━ 今後、VOLLECTに期待することはありますか。
辻様: 今お話ししたような要件を、一緒につくり上げていくことでしょうか。今後は採用活動の実行だけでなく、入社後の活躍まで見据えた採用の質の向上にも一緒に取り組みたいと思っています。
そのためにも、ダイレクトリクルーティング経由で入社した現場社員へのインタビューや、そこで得た「会社の魅力や選考時の実感」をスカウトやターゲット選定に反映したり、選考アンケートを通じて「見えづらい本音や選考の温度感」を浮き彫りにしたりと、現場と候補者の双方から課題を見つけ出し、改善へつなげる施策を一緒に仕掛けていきたいです。
藤井: 候補者の方からすると、入社するかもしれない会社には伝えにくいこともあると思います。第三者である私たちが目的をきちんと伝えて集めることで、より本音に近い情報が得られるはずです。ぜひ今後の支援に活かしていきたいと思います。
投稿者プロフィール

- ダイレクトリクルーティングに特化した採用メディア「VOLLECT JOURNAL」の編集部です。採用人事の方に向けて、スカウト採用のノウハウや媒体比較、成功事例を発信しています。運営:株式会社VOLLECT(https://vollect.net/)





