【ウェビナーレポート】人材紹介・求人広告だけでは勝てない時代の採用セオリー

セミナー

年々採用が難しくなっている気がする…
求人広告だけでは欲しい人材から応募がこない…
エージェントから候補者が上がってこない…などのお悩みはないでしょうか。

これからの時代、どのような採用を行えば良いのか気になる企業も多いはずです。
そこで、今回は採用手法をテーマに、Rasisatの森さんと弊社代表の中島でセミナーを開催しました。

採用手法のトレンドや、まず採用手法で何に力を入れるべきか、詳しくわかる内容となっています。
本記事では、セミナーをダイジェスト版としてご紹介します。

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登壇者紹介

本セミナーの登壇者について簡単にご紹介します。

森 尚樹(もり なおき)

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2007年に新卒で株式会社リクルートエージェントに入社し、「営業企画」「求職者集客」「法人営業」に従事しました。2013年6月にエムスリーキャリア株式会社に転職し、人事担当として「自社採用」「人材開発」「制度設計」などを担当。2017年に退職し、フリーランスを1年経験した後にRasisat(ラシサト)株式会社を創業しました。主に複数企業の人材コンサルティング業務を行っています。

中島 大志(なかしま たいし)

nakashima taishi

パーソルキャリア株式会社の人材紹介事業に従事。退職後にダイレクトリクルーティングに可能性を感じ、株式会社VOLLECT(ヴォレクト)を創業しました。約5年間ダイレクトリクルーティング支援に尽力し、支援者数の累計は500社を超えています。

採用手法の変遷

本編に入っていきます。

採用手法の変遷  トレンド

画像にある通り、概ね3〜4年周期で採用手法が大きく変化しています。

2007年ごろは人材紹介や転職エージェントが絶頂期で注目度が高かった印象です。メディアの中に人が介在するといった、エージェント機能が加われば今まで以上にビジネスが加速すると言われ始めていた時期です。

しかし、2008年のリーマンショックの影響によって、採用計画がストップしたことで、人材紹介業は大ダメージを受けました。求人はストップしたにもかかわらず、求職者は増えていく現象によってアンバランスな状況が生まれたのもこの時期です。

そんな状況から脱するために、2010年に求人サイトのDB(データベース)の開放によって、転職潜在層へのアプローチに力を入れ始めました。待ちの姿勢から攻めの姿勢に切り替わったのがこのくらいの時期でしょう。

2013年にはスカウトの隆盛期を迎えます。そこで台頭してきた企業がビズリーチです。ビズリーチは質の高い人材情報を集めることで人材採用の透明化を図りました。結果的にダイレクトリクルーティング分野においてはビズリーチが抜き出る存在になりました。

2017年にはオープンな情報発信が中心になっていきます。Wantedlyやオウンドメディアなどを活用して情報発信する企業が増えたのもこの時期でしょう。また、SNSやリファラルなどによるオープンな採用手法が取られるようになっていきました。

2020年にはコロナウィルスの影響によってオンライン化にシフトしていきます。Webセミナーや採用動画の活用、カジュアル面談などが急速に増えたのもこの時期です。

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今後の採用手法(2023年以降)

今後の採用手法

今後の採用は、これまでの採用手法すべてがより密接につながっていくと予測しています。

その理由の1つが求職者のリテラシーが向上した点です。最近の求職者はホームページやWantedlyの記事、Twitterなどを活用して情報収集します。さらに「口コミはどうなのか?」などさまざまな観点から判断するようになっています。

2つ目は求職者の認知起点が多様化している点です。例えば、「社員のTwitterから会社名を知り、興味を持った」というようなこともあります。

最後3つ目がChat GPTのような生成型AIの登場です。AIに自分の経験や希望を伝えることによって、おすすめの職種や企業を教えてくれる時代が2年3年後には訪れるかもしれません。

ゆえに、今後はターゲットを取り巻くあらゆる採用チャネルの関係性を築く必要があります。

自社にあった母集団形成を見つける方法

自社にあった母集団形成を見つける方法

では、自社にあった母集団形成の方法はどのように見つけるのでしょうか。

求職者の顕在層の奪い合いはコストと時間がかかるため、転職潜在層を狙うというのが今後採用で勝つ上でのポイントになります。実際、就業人口の10%程度が転職顕在層であり、残りの90%が転職潜在層という話もあります。

転職潜在層を狙うには、ターゲットがキャリアを見直したり、転職を考えたりするタイミングで自社を思い出してくれるような仕掛け作りが大切です。要するにマーケティングの考え方と同じになります。皆さんの企業でも採用のペルソナを設定しているでしょう。

どのような仕事をしたいのか?
どのようなモチベーションなのか?
どのようなキャリアを歩みたいの?

上記のようなことを徹底的に研究・科学し、求職者に認知してもらうための情報を散りばめておきましょう。ペルソナに該当する求職者と接触する仕掛けづくりが大事になってくると考えています。

ダイレクトリクルーティングを採用手法として取り入れる意義

ダイレクトリクルーティング 採用手法

とはいえ、やることが多すぎて何から手をつければいいのか分からないという方も居ることでしょう。そこでポイントとなるのがダイレクトリクルーティングです。

ダイレクトリクルーティングは、能動的に認知してもらうきっかけ作りができる数少ない採用手法です。ここまでお話しした転職潜在層に上手く接触していけるのがダイレクトリクルーティングなのです。

ダイレクトリクルーティングを採用手法に取り入れる意義は、以下の2つです。

採用の健康診断ツール
採用の基礎トレーニング

それぞれについて詳しく解説していきましょう。

採用の健康診断ツール

Recruitment Health Check Tool

実際に採用活動をしていると、自社の立ち位置が見えにくいという問題があります。どのターゲットを狙えば採用がしやすのか、どのような訴求が求職者に刺さるのか…などと悩んだ経験はあるでしょう。

ダイレクトリクルーティングが他の採用チャネルと違うところは、企業が求める人材からの反応が「数字でわかる」点です。人材紹介の場合、何人にどのような訴求で声をかけて応募に至ったのかはブラックボックスな部分が多いです。また、求人広告でいうと反応率はわかりますが、企業が求める人材以外からも反応があるため微妙なところです。

企業が求める人材からの反応を直接把握できると言う点では、ダイレクトリクルーティングが1つの良い手法だと考えています。

採用の基礎トレーニング

採用の基礎トレーニング

また、ダイレクトリクルーティングは採用の基礎トレーニングになります。母集団形成からカジュアル面談、内定までのプロセスをすべて考え、工夫しなければなりません。

“求める人材はどのような人なのか?“
“自社に興味を持ってもらうためにはどうするのか?“
“訴求メッセージを変えるとどのくらいの反応率になるのか?”

上記のように、ダイレクトリクルーティングはさまざまな過程で試行錯誤を繰り返す必要があります。ダイレクトリクルーティングは他の採用手法にも活用できる考え方が身につくでしょう。これから採用手法を試していくにあたって、ダイレクトリクルーティングを始めるのがおすすめです。

まとめ:採用にダイレクトリクルーティングを取り入れよう

まとめ
採用に重要なのは、以下3つを整えることです。

候補者への興味喚起
情報提供する場の整備
オペレーションの充実

上記3つを整えるために、候補者からの反応が数値で直接見え、自社で候補者へのアトラクトから内定出しまでまるっと行いオペレーション力が鍛えられるダイレクトリクルーティングがおすすめです。まずは健康診断ツールとしてダイレクトリクルーティングを試してみるのもありでしょう。

ダイレクトリクルーティングの運用がうまくいかない、始めてみたいけど何からすれば良いかわからないなどお困りの方は、ダイレクトリクルーティング支援サービス「PRO SCOUT」にて無料相談会を実施していますので気軽にお申し込みください。

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パネルディスカッション

Q.スカウトメールを作成するときに気をつけるべきポイントは?

中島:「スカウトメールはラブレターだ。」ダイレクトリクルーティングに関わる前は私もそのように考えていました。だから、スカウト文面をしっかりカスタマイズしなければいけないという意識はありましたね。

しかし、スカウトが普及してきてからは少し違うかなと感じています。受けるスカウトの件数が以前よりも圧倒的に増えているため、求職者には全部のメールに目を通す暇がありません。
したがって、これからダイレクトリクルーティングを始めるならば、求職者にメールを開封してもらうのが重要ポイントだと考えています。

開封してもらうために意識するところは以下のとおりです。

求職者に魅力的な件名になっているのか?
企業の求めるターゲットにスカウトできているのか?

どの企業様のスカウト文章を見てもそれほど的外れではないと思いますので、ターゲット層や件名という部分には注意したいところですね。

森さん:私がクライアントのスカウトを手伝ったときは、「なぜあなたにスカウトメールを送ったのか?」というところを意識していました。どうしてもテンプレ感のある文章になってしまう部分もあると思います。テンプレ感についてはある程度は仕方ないと割り切り、企業にとってあなたをスカウトする目的を文章で表現するように意識していましたね。

中島:また、スカウトメールだけを見て応募するかどうかという時代ではなくなっていると感じています。それこそ、口コミサイトやSNSから情報収集してから返信・応募する流れでしょう。スカウト返信が欲しいのであれば、インターネット上のあらゆる情報を整備しておく必要があります。

Q.ダイレクトリクルーティングやリファラルの候補者の属性に傾向はありますか?

森さん:属性の傾向は一概に「こうだ!」言えない部分ですが、とくにリファラルの場合は社員と似たような考え方の人が集まってきやすいですね。スタートアップ段階はリファラルを中心に採用していくのがいいと思います。そこからダイレクトリクルーティングやWantedlyを活用して、最終的に転職エージェントを使い始める動きになるでしょう。

Q.リファラル採用に取り組みたいのですが、何から始めればよいでしょうか?

森さん:まずは社員の満足度を上げることです。また、リファラル採用は自分の知り合いに「うちの会社の話聞いてみない?」と伝えることなので、求人URLを送るのはやめておきましょう。むしろ、会社の内容や事業の面白さなどがわかる資料があると相手に伝わりやすいですね。例えば、社長が書いた渾身のnoteや会社の様子がわかるYouTube動画など。社員が紹介しやすいようなツールを提供してあげることが大事です。

中島:そもそも、自分の周りに転職したいと考えている人ってわからないと思うんですよ。転職意向があるかわからない状況で「うちの会社おすすめだよ」というアプローチをするのがいいのかどうかは微妙なところ。それなら、飲み会とかで相手の情報を聞きつつ企業のおすすめポイントを伝えるほうがいいのかなと思っています。

Q.候補者の転職慣れから、スカウト文面以上に求人票の精度を求められていると感じていますか?

森さん:企業のターゲットとする求職者のキャリアステップを理解した求人内容になっているという点が重要だと思っています。ターゲットとする候補者が「その企業に転職する意味は何か?」ということをストーリー仕立てで考えられるような内容なのかが重要でしょう。

中島:求人票を見た候補者が「自分、当てはまりそうだな」と思ってくれるかどうかが重要だと思います。中には求人票をみたけれど、「自分とはちょっと違う」みたいな返信があったこともありました。最低限として求人票と候補者がリンクしているかどうかという部分は重要だと思いますね。

Q.2023年から2024年のエンジニア採用市場の予測を教えてください

中島:上がると予測しますね。みなさんも同じように感じていることでしょう。最近の記事でいうと、エンジニア採用の1人あたりの人材紹介単価が400万円(ダイレクトリクルーティングの場合150万円)が平均だそうです。かなりの高単価だと思ったので、エンジニア採用市場もこのまま続いていくと思いますね。

Q.スタートアップに適した採用手法は何でしょうか?

森さん:これは、スタートアップだから大手企業だからというのではなく、すべての採用手法を網羅的に取り組むことだと思っています。ただし、1つ挙げるなら自社の立ち位置を把握しておくことは重要です。中島さんの健康診断ツールでも話がありましたが、まず試してみないと評価のしようがありません。試した結果を踏まえた上で、スカウトやダイレクトリクルーティングをするのか採用の基礎固めをするのかを判断していくのがいいでしょう。

中島:スタートアップの場合は、自社採用から始めるのがいいかなと思いますね。それこそWantedlyを使い倒すみたいな感じです。昔ほど反応率がいいわけではないため、募集ページの作成も工夫が必要ですけどね。

森さん:ポジショントークになりますが、小規模な転職エージェントを複数社でも確保しておくとアプローチしやすいです。リクルートやパーソルなどの大規模ではないため、意思疎通も図りやすいからおすすめします。

Q.YouTubeで採用を行うのはどこにインパクトがあるのでしょうか?

森さん:結論から言うとすべてにあると思います。母集団形成において、スカウトとYouTubeを組み合わせることで会社内の雰囲気を知ることができるでしょう。また、企業の選考途中で動画を見ることで、企業の興味を引いたり事業理解につながったりします。

Q.どのような求人がYouTubeに向いているのでしょうか?

森さん:YouTubeだからこの求人が向いているというのはありません。ただ、YouTubeを作成するに当たって、視聴者の質を保てるような情報発信を意識する必要があります。チャンネルによっては品のないコメントを見たことがある方もいるでしょうが、そういうのを避ける努力が重要です。しかし、YouTubeで採用するためには時間も労力が掛かる割には即効性がないため、クライアントに積極的にはおすすめしませんね。