スカウトを送るべき曜日や時間は?成功事例を交えてタイミングのコツを伝授
スカウトの返信率に影響する3つの要素として、「ターゲット」「タイミング」「メッセージ」があります。
スカウト返信率を上げるために、スカウト文面を候補者一人ひとりにカスタマイズする等、スカウト文面の内容を気にしている会社が多いように思います。しかし実際には、スカウト文面では大きな返信率の差は出せないことの方が多いです。
そして重要なのに、最も見過ごされがちなのが「タイミング」です。本記事では、この「タイミング」に関して、おすすめの曜日や時間に加え、スカウトサービスごとに、送るべきタイミングの対象者を見極める方法を解説します。実際の事例もございますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
スカウト配信における「タイミング」とは
スカウト配信における「タイミング」とは、実際にスカウトを送る時間帯や曜日という意味の他に、候補者がどういう状態の時に送るのか、という意味があります。
候補者が媒体に登録した時や、登録しているプロフィールを更新した時などの「タイミング」を指します。スカウト媒体で候補者検索すると、候補者毎に「新着登録」や「レジュメ更新」などのタグが付けられています。よりスカウトを送る企業の効果を高めてもらうために、どんなスカウト媒体でも基本的に装備されています。
スカウトを送るおすすめの時間帯や曜日
ダイレクトリクルーティングサービス、Offersが2022年3月に行ったデータをご紹介します。
Offers のデータに基づく、おすすめのオファー送信タイミングは、木・金・土の午前中または17~21時です。
スマートフォンを操作する可能性が高いタイミングと言えるでしょう。
- 曜日 木曜日、金曜日、土曜日
- 時間 午前中、17時〜21時
オファー送信の時間帯別
以下の時間に送信した、オファーの承諾率が比較的高いことがわかりました。
- 朝7時〜11時台(8時台、10時台を除く)
- 17時〜21時台(19時台を除く)
オファー送信の曜日別
以下の曜日に送信したオファーの承諾率が、他の曜日と比較して高い傾向にありました。
- 木曜日、金曜日、土曜日
表1:送信時間帯別のオファー承諾率
送信時間帯 | 全オファー承諾率との差 |
0時 | +35.4% ※1 |
1-6時 | – ※2 |
7時 | +5.4% |
8時 | +0.1% |
9時 | +5.9% |
10時 | -1.6% |
11時 | +3.6% |
12時 | -7.2% |
13時 | -0.1% |
14時 | -0.7% |
15時 | -0.9% |
16時 | -1.5% |
17時 | +2.3% |
18時 | +4.4% |
19時 | -1.4% |
20時 | +2.6% |
21時 | +3.8% |
22時 | -4.1% |
23時 | -8.8% |
※ 1 オファー送信数が少ないため、参考にしにくい
※ 2 この時間帯はオファー送信の実績がなかったため、データなし
表2:送信曜日別のオファー承諾率
送信時間帯 | 全オファー承諾率との差 |
日曜日 | +0.2% |
月曜日 | -0.1% |
火曜日 | -0.8% |
水曜日 | -1.7% |
木曜日 | +0.8% |
金曜日 | +2.2% |
土曜日 | +4.2% |
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スカウト媒体におけるスカウトを送るタイミングの見極め方
具体的には4つの指標が存在します。媒体によっては4つ全て開示してくれるものもあれば、1〜2つしか開示していないものもあります。
(1)直近媒体登録
候補者側が直近に媒体に登録(アカウント開設)したことを意味します。媒体に登録したばかりということで、転職意向も高く、他の会社からのスカウト受信通数も多くない可能性があるので、出来るだけ直近に登録した候補者を狙うことでスカウト返信率を高めることができます。ただし、直近登録した候補者のプロフィールが薄い場合は、登録してみただけで転職する気が無い候補者も一定数存在します。
(2)直近レジュメ・プロフィール更新
候補者が直近に、媒体に登録しているプロフィール情報を更新したことを意味します。もちろん候補者の中では媒体に登録したタイミングから一度もプロフィールを更新せずに転職活動を終える方もいますが、登録してから一定期間経ってから本格的に転職活動を始めるためにプロフィールを更新する方も多くいます。その意味では、(1)の登録日よりこの指標の方を最重要視してスカウトしている企業もいます。
(3)直近他社応募
候補者が直近に、媒体上の他の会社の選考に応募したことを意味します。媒体によっては、応募したのか、選考に進んだのかまで分かるようになっているものもありますが、そこまで明確に分からない媒体が殆どです。応募したばかりであれば、転職活動が本格化しているというシグナルになるので狙うべきという判断になりますが、一方で既に他社選考の終盤まで進んでいるケースもあり、スカウトしても反応が無い場合もあります。
(4)直近ログイン
候補者が直近にスカウト媒体にログインしたことを意味します。直近に媒体にログインすらしていない候補者は、少なくともその媒体上では転職活動を全く行っていない場合が多いので、最終ログイン日の日付が遠い候補者にスカウトしても、リアクションはないことがほとんどです。ただ、この指標は上記の(1)〜(3)に当てはまる候補者であれば、(4)は必ず当てはまるので、スカウトしても良い最低条件に過ぎません。
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スカウト媒体別のタイミング表示内容
BIZREACH
(1)直近媒体登録に関しては具体的な日にちは非表示ですが、直近7日以内に登録した候補者には「新着」というタグが付けられます。また、候補者検索をかけてヒットした候補者が並んでいる状況で、登録日順にソートをかけることは可能です。
(2)直近レジュメ・プロフィール更新は候補者毎に具体的な日付が表示されています。
(3)直近他社応募は他社選考に応募しているかどうかは不明ですが、直近のログより積極的に転職活動中である可能性として「HOT」というタグが候補者毎についています。
(4)直近ログインは候補者毎に具体的な日付が表示されています。また、1日〜6ヶ月以内に最終ログインしたかどうか候補者を検索することができます。
dodaRecruiters
(1)直近媒体登録は、「新規会員」タグで確認することができます。降順で並べ替えも可能です。
(2)直近レジュメ・プロフィール更新については、自社がレジュメを閲覧した後に情報を更新した候補者には、「更新!」タグが付きます。
(3)直近他社応募は、応募求人閲覧あり、求人への気になるあり、応募あり/選考中の3パターンで検索をかけることができます。また、この3パターンに比例して、炎マークの数も増えるため、視覚的にもわかりやすい仕様になっています。
(4)直近ログインは、2週間以内、1ヶ月以内、2ヶ月以内、特定の日付以降の4パターンで検索をかけられます。降順で並べ替えもできます。
Wantedly
(1)直近媒体登録に関しては検索結果からそれぞれの候補者をクリックすると具体的な日にちが表示されます。検索でソートすることはできません。
(2)直近レジュメ・プロフィール更新は検索結果からそれぞれの候補者をクリックすると「●日前にプロフィールを更新」と表示されます。検索でソートするためにはプラススカウトかプレミアムスカウトの契約が必要ですが、アクティブに絞り込むと「1ヶ月以内にプロフィールを更新」した候補者、非常にアクティブに絞り込むと「1ヶ月以内にこの先やってみたいことを更新」した候補者を表示させることができます。
(3)直近他社応募は、見ることができません。
(4)直近ログインは、検索結果画面で候補者情報の右上に表示されます。また、プラススカウトかプレミアムスカウトにおいてはログイン1か月以内、1週間以内、1日以内に絞り込むことや、ログイン順に並び替えることも可能です。
Green
(1)~(4)を個別に確認することはできませんが、検索時に「最終アクション日(候補者が気になるや応募をした日)」を絞り込むことができます。
また、候補者ごとに、反応率が高い順に赤い炎マーク、オレンジの炎マーク、グレーの炎マークが表示されます。Greenの独自アルゴリズムで反応率を算出しているので、返信率を高めたい場合は、赤い炎マークのみに絞ってスカウトを送付すると効果的です。
AMBI
(1)直近媒体登録(2)直近レジュメ・プロフィール更新(4)直近ログインについて、候補者検索結果を新しい順に並び替えることができます。ログインに関しては絞り込んで検索することも可能です。
(3)直近他社応募については、候補者が様々な会社の求人に「興味あり」をした数を確認することが可能です。
タイミングを意識したスカウト運用方法とそのメリット
実際にしっかりと運用するには、毎日媒体にログインして、自社のターゲット要件を満たす方でかつ上記(1)〜(4)に当てはまるアクティブな候補者をサーチしてスカウト配信する必要があります。
媒体によっては、ログインして最初に表示されるダッシュボード上に「新着候補者一覧」が出てきたり、「おすすめの候補者一覧」のようにアクティブな候補者にすぐにスカウト出来たりと、UIUXが工夫されているものもあります。
ポジション毎の人材要件によりますが、「自社のターゲット要件を満たす方でかつ上記(1)〜(4)に当てはまる候補者」というのは1日に数件しか出てこないので、かかる所要時間は15分程度です。毎日のルーティン業務として習慣化するまでが大変ですが、工数が大きく増える訳ではありません。むしろ、スカウト配信前に現場サイドに候補者チェックをしてもらってから配信するスタイルを取っている会社であれば、チェックなしで毎日アクティブな候補者に配信する方が所要時間は短縮することができるでしょう。
また、アクティブな候補者をアプローチすることで返信率は2倍程度までUPすることも珍しくなく、今まで100通送って5名面談していた所から、50通送って5名面談に繋げることもできます。
最もメリットが大きいのは、フルスタックエンジニアやCXO等の稀有なターゲットを採用したい場合です。どうしても稀有なターゲットを採用したいとなると、1つの媒体に100名も登録がないという事もあります。そうなると、他の媒体を探し続けなければいけませんが、なかなか見つからないことが多いでしょう。
そういった時に、タイミングを意識したスカウト配信を行うことで同じ媒体を継続的に利用しながら、採用に繋げる事ができるのです。
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タイミングの見直しで返信率を向上させた具体的な事例
企業:HR関連のインターネットサービスを提供するA社
ポジション:25〜40歳、webエンジニア(ソフトウェアエンジニア、SRE、フロントエンド等)
媒体:BIZREACHとWantedly
具体的なアクション
ターゲットとメッセージの変更は行わず、タイミングのみ変更した。
BIZREACH
頻度:1日1度
方法:ポジション毎に作った保存検索条件でサーチをかけ、配信(スカウトは候補者の経験面を言及してカスタマイズして配信)
対象:「新着」「HOT」「更新」のタグがついた候補者に配信
Wantedly
頻度:1週間1度
方法:「非常にアクティブ」「アクティブ」で候補者サーチをかけ、配信(スカウトは候補者の経験面を言及してカスタマイズして配信)
対象:「非常にアクティブ」「アクティブ」な候補者(=直近レジュメ更新)に配信
結果
元々の月間スカウト通数と返信率:389配信23返信(返信率5.9%)
改善後の月間スカウト通数と返信率:294配信24返信(返信率8.2%)
まとめ
どんな転職者も常に転職を考えている訳ではなく、年に数回、人によっては何年かに1回程度しか転職を考えない人もいます。実際に、BIZREACH調べの媒体に登録した理由ランキングでも、「情報収集」と「自分の市場価値を知るため」が上位にきています。すぐに転職を考えずに、媒体に登録する人もたくさん存在するのです。
タイミングが悪ければ、どんなに魅力的な案件でも転職しようと思いませんし、逆にすぐにでも転職を考えている人であれば、多少その人の希望とは違う案件でも検討してくれる可能性もあります。転職意向の高いタイミングでスカウトすることが返信率に大きく影響するのです。
ほとんどの媒体で、企業側がアクティブな候補者を把握できるようになっています。活用しない手は無いでしょう。
タイミング毎の表示項目が少ない媒体は、アクティブな候補者が少ない媒体という意味です。スカウト媒体を導入する上での検討材料の1つにもなり得るでしょう。
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株式会社VOLLECTはダイレクトリクルーティングに特化した採用支援「PRO SCOUT」を行っています。
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投稿者プロフィール
- 「ダイレクトリクルーティングの教科書」著者。日経トレンディや東洋経済への寄稿も果たす。新卒でパーソルキャリア株式会社にてクライアントに対して採用コンサルティングに従事。その後、外資系コンサル企業の採用支援をする中でダイレクトリクルーティングの魅力に気づき株式会社VOLLECTを創業。スカウト採用支援実績は500社超。