アルムナイネットワークとは?退職者の再雇用システムを拡充しよう

採用

近年注目されているアルムナイネットワーク。アルムナイとは企業を退職したOB・OGを指し、アルムナイ採用を戦略的に導入している企業もあります。

本記事では、アルムナイネットワークとは何か、メリット・デメリット、運営上の注意点などを紹介します

新たな採用手法を探している、アルムナイ採用を行いたいがどのように進めれば良いかわからない採用担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

アルムナイネットワークとは?

Alumni Network

アルムナイネットワークとは、「企業の元従業員で形成されるコミュニティ」を指し、いわば同窓会のようなものです。

アルムナイ(alumni)とは、英語で「卒業生、同窓生」の意味を持つ単語です。そこから派生し、現在では企業を退職したOB・OGを指す言葉としても使われています。

なお、アルムナイは定年退職した元従業員は含まず、他企業に転職したり起業した元従業員のことを指します。

アルムナイネットワークの運用目的として、下記5つが挙げられます。

・アルムナイの再雇用
・アルムナイとの協業
・職場環境の改善
・従業員の成長
・企業ブランディング

順番に解説していきます。

アルムナイの再雇用

人手不足である現代は、いかに優秀な人材を確保するかが企業の生き残りの鍵となっています。その中で、アルムナイの再雇用は効率的に優秀な人材を確保できる採用手法となり得ます。
共同通信社が行った主要企業118社に行ったアンケートによると、アルムナイ採用を実施している企業はなんと71%(84社)にも上ったそう。※1

この結果からもわかるように、現在注目されている採用手法の一つなのです。

アルムナイとの協業

Alumni collaboration

アルムナイネットワークの構築の目的は、再雇用のみにとどまりません。

アルムナイとの良好な関係を築き続けることは、新たな取引先を開拓したり、知見を広げるチャンスにも繋がるのです。
例えば、アルムナイが転職先で自社を紹介してくれ、こちらから営業活動を行わなくとも取引を開始できることがあります。

また、アルムナイが起業し、その事業領域での専門知識を蓄積し、幅広いネットワークを持っているとしましょう。そのアルムナイと企業が協業することで、企業側は新規事業や事業拡大に乗り出すためにコストをかけず必要な資源を得ることができるのです。

アルムナイ側にとっても、企業側のリソースや資金を使うことができる可能性もあります。

職場環境の改善

environment

アルムナイに職場環境改善のためのアンケートや意見交換会を行ってもらうことで、より働きやすい環境づくりに役立てることができます。
退職したからこそ話せる、現場のリアルな声が聞けるため、その結果を受け止め改善すれば社内のエンゲージメントや従業員満足度は上がるでしょう。
また、他の企業で働いてみて気づいた、他社の良い取り組みを教えてもらうことで、自社にも取り入れることができます。

従業員の成長

アルムナイと現役社員の交流の機会を設けることで、現役社員は新たな学びや気づきがあります。その学びや気づきを社内での業務に活かすことができたり、第三者からみた自社の良い点を認識できたりするのです。

また、従業員のキャリア形成にもつながります。転職や起業を経験したアルムナイの体験談を聞くことにより、自己のキャリアを見つめ直し、自己研鑽やリスキリングに一歩踏み出す従業員が増えるでしょう。

企業ブランディング

corporate branding

従来退職は、退職する従業員側にとっても、退職されてしまう企業側にもマイナスな感情を抱かせてしまうものでした。しかし、退職しても円満な関係を維持するためにアルムナイネットワークを構築する企業が増えてきています。

これは、「辞めた従業員をも大切にする企業」という社会的立場から見た企業ブランディングと、「辞めても従業員を大切にしてくれる企業」という採用施策面から見た採用ブランディングの2つのブランディングにつながるのです。

企業ブランディングの側面では、企業とアルムナイもしくはアルムナイ同士の協業が社会に与えるインパクトや、アルムナイの社外での活躍もブランディングの確立に寄与します。

採用ブランディングについては後述します。

※1:退職者再び雇用71% 即戦力「アルムナイ」導入 主要118社、人手不足|産経新聞

アルムナイネットワークのメリット

Alumni benefits

アルムナイネットワークを構築することには、さまざまなメリットがあります。こちらでは4つのメリットを紹介します。

採用ブランディングへの寄与

1章でもお伝えしたように、アルムナイネットワークは採用ブランディングに寄与します。

今や日本の雇用形態が終身雇用ではなく、転職が当たり前の時代となってきていることが理由の一つです。新卒で入社してくる学生は、将来転職を視野に入れている者も少なくありません。そのような学生から見たときに、アルムナイを大切にしている企業は好意的に受け止められるでしょう。

また、アルムナイ採用の実績があることを知れば、「一度退職したけれど、戻ってきたいと思うほど良い会社なのだ」と認知され、求職意欲が増す一因にもなり得るのです。

才能の確保と再雇用

get talent

アルムナイネットワークを構築することは、才能の確保および再雇用につながります。自社の事業に従事した経験を持つ従業員は、業務の進め方や業務に必要な知識をすでに持ち合わせています。それに加え、退職後に社外で培った経験や知識を取り入れ、社内に新たな発想や考え方を生み出すきっかけになってくれる可能性もあるのです。

その才能ある人材を確保しておくことは、採用難である昨今の採用市場をかんがみると、企業にとっては重要な採用施策と言えるでしょう。

再雇用に至った場合は、企業の内情をよく知った上で入社するため、離職率が低いなどのメリットも挙げられます。

アルムナイから即戦力人材を紹介してもらえる可能性

アルムナイネットワーク構築のもう一つの大きなメリットは、アルムナイ自身を再雇用できなくとも、アルムナイから優秀な人材を紹介してもらえる可能性があることです。

アルムナイが、「自分は辞めてしまったけれど友人であればこの会社に合うかもしれない」と思ったとしましょう。アルムナイネットワークが構築されていなければ、誰に紹介すればいいか、社内の雰囲気を知らせるためにはどうすればいいかなど、紹介するハードルは上がってしまいます。ネットワークが構築されていれば、アルムナイのミートアップに招待するなどして紹介のハードルは下がり、企業側は接点を持つことができます。

リファラル採用は、ミスマッチの可能性が低く離職率が低いメリットがあります。仕事内容はもちろん、社内の風土も合うと見越した上で友人に声をかけてくれるためです。

採用コストの削減

Alumni recruitment cost reduction

アルムナイの再雇用やアルムナイからの紹介でのリファラル採用は、採用コスト削減につながります。

今までの採用は求人広告や人材紹介が主流でした。これは今転職したい人から応募を待つ、いわゆる「待ちの採用」と言われており、今の人材獲得競争を生き抜くには難しい採用手法となってきています。

とはいえ、今なおこの採用手法をとっている企業は多く、採用コストがかかることも課題の一つになっています。
求人広告は1枠20万円~100万円、人材紹介は成果報酬型で転職先の理論年収の30%程度が相場です。

これに対し、アルムナイ採用や、アルムナイからの紹介でのリファラル採用は、ほぼコストがかかりません

また、アルムナイ採用に至っては、すでに業務を行うスキルが身についているので、教育する必要がなく、教育コストも削減できるでしょう。

アルムナイネットワークを採用につなげるには

Alumni recruitment

ここまでアルムナイネットワークの概要やメリットをお話ししてきましたが、実際どうすれば採用につながるか気になる方も多いのではないでしょうか?

本章では、アルムナイネットワークから採用につなげるための具体的なステップを紹介します。

アルムナイのデータベースの整備・管理

まずは、アルムナイのデータベースの整備・管理から着手しましょう。アルムナイの基本情報はもちろん、どのようなスキルを持っているか、今はどこに勤めているかなどをデータベース化しておくことが重要です。

アルムナイネットワーク発足時は、退職者に向けてデータベース登録を促す必要があります。実際に、大手SIerで新たに発足された、アルムナイネットワーク登録を促す文面を紹介します。

アルムナイネットワーク登録を促すメール文面例(1回目)

xxx株式会社を退職された方々へ

お疲れ様です。xxxx Alumni Network事務局です。

今般、当社の目指す「〜〜〜」ことの一環として、一部の退職者を参加対象とした、xxxxアルムナイの皆様の交流の場(コミュニティ):「xxxx Alumni Networkを設立いたしました。

本コミュニティにご登録いただきますと、全国にいるxxxxアルムナイ同士の交流が可能となります。また、当社からの情報共有や、アルムナイ向けのイベント等の開催のご案内もお届けします!

本件に関するご案内送付を希望される方は、お手数ですが、その旨ご返信いただきますようよろしくお願い申し上げます。

※当時、退職願に記載されたメールアドレス宛にご連絡しておりますが、本アドレス(個人情報)の利用目的上、一方的にご案内ができないため、同意いただいた方だけを対象にあらためてご案内いたします。

ご興味ない場合は、ご放念いただきますようお願いします。突然のご連絡、大変失礼いたしました。

よろしくお願いいたします。

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xxxx Alumni Network事務局

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アルムナイネットワーク登録を促すメール文面例(承諾者向け)

xxxxアルムナイの皆様へ

こんにちは、xxxx Alumni Network事務局です。

この度は、xxxx Alumni Networkに関するご案内送付をご希望頂き誠にありがとうございます。

是非、以下URLまたはQRコードにアクセスいただきご登録ください。

URL:〜〜〜〜

ご不明点がございましたら、xxxx Alumni Network事務局まで、お気軽にお問合せください。

皆さんと繋がれることを楽しみにしております!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

xxxx Alumni Network事務局

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その後の管理でも、月に1度は最新のデータに更新するようにしましょう。

アルムナイとの定期的なコミュニケーションの継続

communication

アルムナイネットワークの重要なポイントは、アルムナイとの定期的なコミュニケーションを取ることです。

ここで大切なのは、アルムナイ・採用担当者双方の負担になるようなコミュニケーション方法にしないことです。
たとえば、X(旧Twitter)やfacebookなど多くの利用者がいるSNSや、ビジネスチャットツールでコミュニティを形成すれば、操作も慣れており気軽に利用できるため、負担は少ないといえるでしょう。

また、SNSやチャットツールは企業とアルムナイ、アルムナイ同士のコミュニケーションを図ることができます。そのため、一方的なコミュニケーションにならず交流が活性化するのもメリットの一つです。

アルムナイ主導のイベントの開催

アルムナイとの関係を絶やさないために、定期的にイベントを開催しましょう。

オンライン・オフラインをうまく使い分けて開催することが重要です。オンラインであればアルムナイ側の移動の負担などが減り、参加しやすいでしょう。

また、アルムナイ主導のイベントを開催するのも有効です。アルムナイが講師となり、新たな知識を習得するためのセミナーを開催したりして、積極的に運営に携わってもらいましょう。

アルムナイは「任してくれている、頼りにされている」といった企業側からの信頼を感じることができます。その結果、より親密な関係を構築でき、再就職への意欲が高まる可能性があります。

再雇用プログラムの明確化

Reemployment program clarification

アルムナイ採用を行う場合は、雇用条件を明確に設定し、再雇用後の体制も整えておきましょう。

条件なく雇用すると、再び離職してしまう可能性があるからです。たとえば、「勤続年数
5年以上」「主任以上の役職に就いていた者」などの条件をつけましょう。早期退職したアルムナイを再び雇用し、再度早期退職してしまうのを防ぐことができます。

待遇面に関しては、在籍していたときの経験やスキルだけでなく、退職後に得たスキルや経験も加味しましょう。また、介護や育児などの家庭の事情でやむを得ず退職してしまったアルムナイに対しては、仕事とプライベートを両立できるような環境を用意することが重要です。

以前勤めていた企業とはいえ、年数が経っていれば職場環境や人材配置も変わっていることも多々あり、不安を抱くものです。アルムナイが不安や不満なく働けるよう、再雇用後のサポート体制を整えておくことも、再離職を防ぐ重要な施策となります。

アルムナイネットワークのデメリット・注意点

Alumni Disadvantages

アルムナイネットワーク構築には、デメリットや注意すべき事項もあります。
それぞれ解説していきます。

退職のハードル低下

アルムナイネットワークを構築し、アルムナイ採用につなげる場合は、退職のハードルが低くなってしまうことも考えられます。

現役社員が「他の企業でうまくいかなかったら、またここで採用してくれる」などと考え、安易に退職してしまうようになってしまいます。その結果、離職率が高くなる可能性もあるのです。

このような現象を防ぐため、アルムナイ採用制度を運用する場合は、条件をしっかり定め徹底的に周知をすることが重要です。

現役社員の不満

Employee dissatisfaction

アルムナイを再雇用する場合、現役社員が不満を抱く可能性があります。
とくに、アルムナイが特別な待遇や上位の役職に就く場合は、現役社員とアルムナイとの間に軋轢を生むことが多いです。「自分は長年この企業に勤めているのに、途中で辞めた人がなぜ自分より上の立場で再雇用されるのか」「なぜ自分より評価が高く給与も多くもらえるのか」などの不満が生まれやすいでしょう。

このような状況は、社内の士気やチームワークに悪影響を及ぼします。アルムナイを再雇用する場合は、現役社員とのバランスを考えましょう。

また、アルムナイの再雇用に関する条件や制度の内容を社内に広く周知徹底することも、現役社員に不満を抱かせないための施策となります。

スキルのミスマッチ

以前勤めていたからといって、スキルが現状の企業にフィットするとは限りません。

市場は常に変化するものです。企業が求める役割や職務を果たせるか、アルムナイの現在のスキルを適格に測ることが重要です。

情報漏洩のリスク

Information leakage risk

元従業員だからといって、現在の社内の情報をすべて公開していいわけではありません。中には悪意をもったアルムナイがいる可能性もあり、競合他社などに情報を渡されてしまう場合があるからです。

アルムナイとの交流を持つ場合は、どこまでの情報を共有して良いか事前に現役社員に周知しておきましょう。

また、アルムナイは自社への理解が深く現役社員の共感性を生むため、ついうっかり機密情報を話してしまう場合も多いです。

あくまでも現在は社外の人間だということをしっかり意識づけさせましょう。

アルムナイネットワークの導入企業例

アルムナイネットワークの構築を開始している企業の事例を紹介します。

スープストックトーキョー

soup stock tokyo

全国に約60店舗展開するスープ専門店であるスープストックトーキョー。社員やパートナー(アルバイト)を卒業したあともスープストックトーキョーと繋がり続ける制度を設けています。

スープストックトーキョーで働いていた従業員はブランドへの愛着が高く、辞めたあとも店舗に足を運ぶことが多かったそう。そんなときに思いついたのが「バーチャル社員証を作ってスープストックトーキョーの仲間」だと示すこと。

バーチャル社員証を持っていれば、どこのお店に行っても10%引きで食事ができ、メルマガや社内報を受け取ったり、試食会や社内イベントに参加できたりするそうです。

試食会では同窓会のように近況を聞いたり、新作スープへの忌憚ない意見を聞いたりしているそう。

再雇用にも繋がっており、昔アルバイトで働いていた人材が、8年の時を経て社員になってくれた事例もあるとのことです。

参照:アルムナイ(卒業生)とのつながりを大切に。スープストックトーキョーの「バーチャル社員証」とは?|株式会社MyRefer

株式会社ニトリ

Nitori

リーズナブルで手に取りやすい生活雑貨や家具を取り扱う株式会社ニトリ。2023年3月より、「ニトリアルムナイ・ネットワーク」の構築を開始しました。

本施策以前にもニトリでは「ジョブ・リターン制度」や「ジョブ・リターンパスポート」を渡す仕組みを構築していましたが、なかなか機能しなかったそうです。

そこで、個人の成長が企業の成長につながるとの考えのもと、ネットワーク上での情報交換やイベント開催を通じて退職者と社員の交流ができる「ニトリアルムナイ・ネットワーク」を構築しました。

ニトリで再び働くことはもちろん、コラボレーションして何かつくり上げたいという目標のもと、今後もネットワークを構築していくとのことです。

参照:【ニトリHD】アルムナイネットワークの構築を開始|株式会社ニトリ

アクセンチュア株式会社

accenture
アクセンチュアは、世界的ITコンサルティング企業です。そんな同社は、「“卒業”した社員も大切な家族であり仲間」とし、退職者向けのプラットフォームとして「アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク」を構築しています。

78か国30万人の登録者がおり、「ネットワークの拡大」「復職チャンスを探る」「コラボレーション」「支え合う」などのメニューの中でお互いに情報交換をしたり協業の機会を得られるコミュニティとなっています。

参照:アクセンチュアの卒業生(アルムナイ)|アクセンチュア株式会社

日揮ホールディングス株式会社

日揮ホールディングス株式会社は、エンジニアリング会社の日本最大手企業です。

同社は、2019年より「日揮を母校​に」をテーマにアルムナイを集めたイベントを開催。また、アルムナイと現役社員、アルムナイ同士の交流を目的にアルムナイネットワークを構築しました。アルムナイコミュニティを運営するにあたって、人事はあえてサポートに周るようにしているそうです。

その理由は、「出戻り色」が強くなり、居心地が悪くなってしまう可能性があるから。コミュニティは有志が主となり運営され、いつでも帰ってこられる母校を創っています。

参照:日揮グループ企業アルムナイの皆様へ|日揮ホールディングス株式会社

双日株式会社

双日株式会社は、日本の七大商社のうちの一つである総合商社です。

主に投資事業と国際貿易事業を行っており、ほかにも自動車の組み立てなどの機械部門、石炭事業などのエネルギー・金属部門、宇宙航空部門、化学部門、生活産業部門、インフラ部門、スポーツ部門など多岐にわたり事業を展開しています。

そんな同社は「双日アルムナイ」と銘打ち、アルムナイネットワークを構築しました。元従業員と現役職員の人的ネットワークを形成・拡大することが目的です。

社長も参加する対談イベントの開催や、OB同士の1週間に1度のミートアップの開催を行っています。ほかにも、現役の経営者・企業幹部のインタビュー記事の掲載をし、興味を持てば本人と直接やり取りができる仕組みを構築しています。

参照:双日アルムナイ|双日株式会社

SMBC日興証券株式会社

SMBC Nikko Securities
SMBC日興証券は日本を代表する大手証券会社で、世界12か国にグループ会社を展開しています。

そんな同社は、2023年5月より「Alum-nikko」と名づけられたアルムナイネットワーク構築を始めました。

一番の目的は人材の再雇用。2014年にウェルカムバック制度を開始し、家族の介護や転勤などの家庭の事情で退職した元従業員に絞って再雇用の活動を行ってきました。
しかし、昨今の優秀な人材獲得競争を勝ち抜くため、アルムナイの再雇用を拡大すべくアルムナイネットワーク形成を開始したそうです。

アルムナイネットワークではアルムナイメンバーの一覧を見ることができ、企業訪問などにつなげられるようになっています。また、アルムナイ同士やアルムナイと現役社員が交流できる場を提供しています。

参照:SMBC日興証券株式会社 アルムナイ・メンバー登録ページ|SMBC日興証券株式会社

株式会社八芳園

Happoen
株式会社八芳園は、ブライダル事業を中心に事業展開を行っています。
同社は、アルムナイの再雇用を目的にアルムナイネットワークの構築を始めました。

ブライダル事業だけでなく、新規事業を展開していくために、マネジメント能力や新たな発想ができる従業員が必要になったためです。

業務委託やスポットでのアルバイトなどさまざまな雇用形態での求人を掲載し、働き方の柔軟性をアピールしていくとのこと。

求人だけでなく、アルムナイ同士やアルムナイと現役社員との交流も増やしていくそうです。

参照:八芳園 アルムナイ・メンバー登録ページ|株式会社八芳園

株式会社荏原製作所

Ebara Corporation
荏原製作所は、ポンプやタービンなどの製造を行う機械メーカーです。

同社は、2021年より自社の退職者を「エバルムナイ」(荏原製作所のアルムナイ)としてアルムナイネットワークを構築しています。

社内のニュースやキャリア採用の情報を提供し、人材確保やビジネス連携などを推し進めていくとのことです。

参照:荏原製作所 アルムナイ・メンバー登録ページ|株式会社荏原製作所

サイボウズ株式会社

Cybozu

サイボウズ株式会社は、kintoneやサイボウズ Officeが有名なグループウェア開発及び販売を行う企業です。

同社は、2012年より「育自分休暇制度」と呼ばれる制度を運営していました。本制度は、退職時に利用を希望すれば最長6年まで再雇用が約束されるもの。
しかし、全員に再雇用を約束することが難しく、退職者側も保険的に本制度を利用するようになってしまった背景があり、2024年4月より「アルムナイ採用」を始めました。

選考ステップを減らして負担を軽減したり、募集していないポジションでも受け入れ可能性を広く検討したりと、アルムナイ向けの採用フローを準備するとのことです。

また、現役社員との交流ができるようなイベントも開催し、アルムナイネットワークを構築していくそうです。

参照:「育自分休暇」制度改め、「アルムナイ採用」始めます!|サイボウズ株式会社

日清食品ホールディングス株式会社

Nissin Foods
日清食品ホールディングス株式会社は、チキンラーメンやカップヌードルなどのインスタント食品などを製造・販売する食品会社です。

そんな日本を代表する企業が、2023年にアルムナイネットワークの構築を開始しました。
アルムナイの再雇用及び現役社員とアルムナイ、アルムナイ同士の交流からプラスの連鎖が生まれてほしいとの願いを叶えるためにネットワークが設立されました。

今後は定期的な情報発信を行い、再入社の意思を醸成していくほか、つながりを持つことでコミュニティが人生を豊かにするひとつとなってほしいとのことです。

参照:日清食品 アルムナイ・メンバー登録ページ|日清食品ホールディングス株式会社

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【まとめ】アルムナイネットワークで採用を成功へ

今回は、アルムナイネットワークについての概要やメリット・デメリット、導入企業例などを紹介しました。

優秀な人材の採用難が加速する中、以前働いていたアルムナイを採用することで、ミスマッチ防止やコスト削減を見込めます。

また、アルムナイネットワーク構築により、アルムナイと協業できる可能性もあり、新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれません。

ぜひ本記事を参考に、アルムナイネットワーク構築やアルムナイ採用を検討されてみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

大久保 さやか
大久保 さやか
SIerにて中途エンジニア採用を経験。また、リファラル採用支援サービスを提供する企業での従事経験もあり、リファラル採用領域の知見を持つ。