ダイバーシティ採用とは?変革を求める企業は特に注目!

近年よく耳にするようになった「ダイバーシティ」。この言葉が、採用界隈でも聞こえるようになってきました。

ダイバーシティ採用とは、多様な人材を雇用すること。大手企業は、率先してダイバーシティ採用やそれに伴う制度作りに力を入れています。

そんな中、「そもそもダイバーシティ採用って何?」「ダイバーシティ採用にはどんなメリットがあるの?」などの疑問を持つ採用担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、ダイバーシティ採用の概要やメリット、成功させるための取り組みなどを紹介します

ダイバーシティ採用とは?

そもそも、ダイバーシティ採用とはどのような採用を指すのでしょうか?本章では、概要と注目されている背景を解説します。

概要と基本情報

「ダイバーシティ採用」の「ダイバーシティ(diversity)」とは、「多様性」を意味する英語です。よって、ダイバーシティ採用とは、多様な人材を雇用するための採用活動を指します

後述しますが、ダイバーシティは大きく二種類に分けられます。年齢や人種、性別など目に見える「表層」、価値化や職歴など目に見えない「深層」です。

この二種類のダイバーシティを考慮した「ダイバーシティ採用」を行うことで、今までとは違った価値観や文化が企業に浸透し、新たなアイディアなどが生まれる可能性があります。また、多様な人材を受け入れることで、採用難の時代を勝ち抜いていける可能性もあるのです。

ちなみに、経済産業省では「ダイバーシティ経営」を推進しています。ダイバーシティ経営とは、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義づけられています。

以上の事項より、ダイバーシティ経営を実現するための人材採用手法を「ダイバーシティ採用」ともいうのです。

注目される背景

ダイバーシティ採用が注目される背景は、大きく4つあります。それぞれ解説していきます。

労働人口の減少

日本の労働人口の減少は深刻で、2030年には、7,509万人いた2020年より約600万人少ない6,875万人に、2065年には4,529万人にまで減少すると予測されています。


出典:内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」

今までは、「男性だけ」「若手だけ」「日本人だけ」など特定の範囲の人材しか採用してこなかった企業も、この人手不足には太刀打ちできません。

そこで、これまでの考えを改め、女性やシニア層、外国人など多様な人材を採用する必要性が生じてきたのです。

ビジネス・企業のグローバル化

ビジネスや企業のグローバル化が進んだことも、ダイバーシティ採用が注目されている理由です。

企業の海外進出や、海外企業相手のビジネスが増加したことで、多様な価値観を受け入れなければ対等に取引をしたり、現地で採用をしたりすることが難しいことがわかったのです。

海外ではさまざまな人種、宗教の人々が共存する国が少なくありません。それに伴い、多様な価値観が生まれ、日本よりもダイバーシティを重んじているのです。

そのような文化に合わせ、日本でも多様性重視の風潮が強まっています。

働き方の多様化

Diverse

従来、家庭より仕事を優先する人材が多く、終身雇用が当たり前でした。しかし、近年はワークライフバランスを重視し、転職が当たり前の時代となりました。

さらに、働く女性も増え、夫婦間での役割や価値観に変化が見られます。

企業には、このような働き方の多様性に対応できる柔軟な体制やマネジメントが求められているのです。

働き方の多様化にマネジメントがついていけないと、離職やエンゲージメントの低下などを招き、結果的に人材不足や生産性の低下につながる可能性があります

消費の多様化

近年、消費についても多様化が見られます。ダイバーシティを推進する企業は、多様な消費活動の変化に合わせやすくなります。

従来はモノを買う「モノ消費」の消費行動が多かったですが、その商品を所有すること、サービスを利用することによって得られる経験や体験を重視する「コト消費」の消費行動が増加しています。

さらに、若者を中心に「トキ消費」「イミ消費」「エモ消費」の消費行動が増えているのです。

トキ消費とは、「その日」「その場所」「その時間」でしか体験できない消費行動のことを指します。例えば、ポップアップストアやフェスなどがその例です。

「イミ消費」とは、東日本大震災をきっかけに広まった、ある商品やサービスを消費することで生まれる社会貢献的要素に価値を感じる消費行動です。災害のあった地域の食材を使う飲食店での食事や、環境にやさしい素材を使った商品の購入などがその良い例でしょう。

さらに、「エモ消費」とは、「わかる」などの共感や「楽しい」、「悲しい」といった感情(エモーショナル)を得ることを目的とした消費行動のことです。あえて手間のかかるフィルムカメラを使用したり、推しの誕生日を祝ったりして精神的満足を得るなどがその一例です。

企業は、このような消費活動の多様化に伴ったモノやサービスを提供しなければなりません。そのため、さまざまな価値観やアイデアを持った多様な人材を採用し、既存の商品や発想を超えていく必要があるのです。

ダイバーシティ採用の主な対象

ダイバーシティ採用では、主に4つの対象があります。それぞれ解説していきます。

性の多様性

従来は、男性の雇用が重視されていました。女性は結婚すると家庭に入ることが一般的でしたが、1997年以降は共働き世帯が専業主婦世帯数を上回りました。

出典:共働き世帯の増加|厚生労働省

しかし、役職者や役員を占める女性の割合は未だに低いままです。内閣府の男女共同参画局の調査によると、常用労働者100人以上を雇用する企業の労働者のうち役職者に占める女性の割合を役職別に見ると、係長級20.7%、課長級12.4%、部長級7.7%と上位の役職ほど女性の割合が低いことがわかりました。


出典:諸外国の就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合

また、上場企業の役員に占める女性の割合は12.6%と、諸外国と比べて低い水準となっています。


出典:諸外国の役員に占める女性の割合

このように、女性を採用することはもちろん、重要なポストに就く候補者を採用することも、ダイバーシティ採用の一環なのです。

女性は、男性とは異なる視点や価値観を持っていることがあります。
特に消費者市場においては、女性が購買決定に重要な役割を果たすことも多々あるため、女性視点を持つ人材の存在はマーケティング戦略や商品開発において大切です。

また、消費者や投資家からの信頼を得るためには、性別に関係なく平等にチャンスを提供する企業文化が求められています。

性的マイノリティ

「LGBTQ+」という言葉が浸透しているように、現代は多様なセクシュアリティを持つ人材がいます。

ちなみに、LGBTQ+とは、レズビアン(L)(女性同性愛者)、ゲイ(G)(男性同性愛者)、バイセクシュアル(B)(両性愛者)、トランスジェンダー(T)(生まれた時に割り当てられた性別と異なる性自認を持つ人)、クエスチョニング(Q)(自分の性的指向や性自認が決まっていない人)、その他さまざまな性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)を表す総称です。

これらの人々は、偏見の目で見られることが多かったですが、近年では受け入れられ、カミングアウトする人も増えています。

このような人材を偏見なく企業でも採用することが、ダイバーシティ採用では求められています。

例えば、「結婚記念お祝い金」「単身赴任手当」などを福利厚生として設けている企業は多いですが、異性間での婚姻関係がなければ受給できないことが多いです。しかし、事実婚やパートナーシップを結んでいるLGBTQ+の従業員に対しても、同様の福利厚生を受給できる仕組みに変えるなどの取り組みが必要なのです。

年齢にこだわらない

従来、中途採用などでは今後長く活躍してもらいたいという理由から、20代~30代前半の「若手」を採用する動きが活発でした。そのため、「ミドル層」と呼ばれる40~50代を中途採用する企業は少なかったのです。

しかしダイバーシティ採用においては、若手でもミドル層でも、年齢にこだわらず採用することが求められます。

国籍・文化・宗教の多様性

今や、島国である日本にも国籍や信仰宗教の異なる人々が多く存在します。

国籍や信仰宗教に左右されずに人材を採用することが、ダイバーシティ採用では求められるのです。

厚生労働省に届け出られている外国人労働者は、2023年10月時点で200万人を超えています。この数値は、届出が義務化された平成19年以降、過去最高を更新しました。


出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和5年10月末時点)

さらに、採用後も従業員が文化の壁を感じないような工夫をすることが重要です。例えば、イスラム教の従業員のための礼拝室を設ける、食堂でベジタリアン向けのメニューを提供するなどです。

障がい者の雇用

障がい者雇用もまた、ダイバーシティ採用で重要な施策です。

障がいを持っていても、自身のスキルを活かして希望する職場で働くことができる社会を、国全体で創り上げていく必要があるのです。

障がい者とは、身体的な障がいを持っている人にとどまりません。知的、精神的な障がいを持っている人も含まれます。

障がい者雇用を行うことで、新たな視点や独自のサービスを生み出せる可能性もあります。例えば、建築業での施設設計の際、バリアフリー設計とすることはもちろん、実際の身体障がい者の要望を設計に盛り込むなどができます。

障がい者雇用はまた、厚生労働省から民間企業に対し雇用義務が課されています。従業員43.5人以上を雇用している民間企業に対し、1人以上の障がい者の常用雇用義務を課しているのです。法定雇用障がい者の割合は、従業員の2.3%で、小数点以下は切り捨てです。

従業員43.5人以下で雇用義務がなくとも、障がい者雇用を積極的に進めていくことで、多様性を受け入れる企業としての姿勢を示せるでしょう。

ダイバーシティ採用を行うメリット

ダイバーシティ採用には、幅広い才能を持つ人材の確保ができる、イノベーションの促進につながるなどのメリットがあります。それぞれ解説していきます。

幅広い才能を持つ人材の確保

ダイバーシティ採用を行う一つ目のメリットは、幅広い才能を持つ人材の確保です。

今まで積極的に採用してこなかった、女性、シニア層、外国人、障がい者などを採用することで、そのパーソナリティに起因する新たな視点やスキルを確保できるのです。

イノベーションの促進

新たな価値観や視点、さまざまなスキルを持った人材を確保できるダイバーシティ採用を行うことで、社内のイノベーション促進を図ることができます。

従来の採用活動では、さまざまな人材へ門戸を広げていなかったことにより、自然と同じような属性、価値観の人材が集まっていました。

しかし、ダイバーシティ採用を採り入れることで、新たな価値観や知見が社内に入ってきます。その結果、新たなアイデアや文化が根付き、イノベーションを促進できるのです。

企業イメージの向上

ダイバーシティ採用は、企業イメージの向上にもつながるでしょう。

ダイバーシティ採用によって前述した「イノベーションの促進」が進むことで、採用面、事業面両方に良い効果が生まれます。

採用面においては、例えば下記のような理由で企業イメージが良くなり、母集団形成がしやすくなります。

・女性の活躍・昇進が期待できる
・国籍、年齢、障がいの有無に関係なく採用の門戸を開いている
・社会的マイノリティへの福利厚生が備わっている など

事業面においては、例えば下記のような企業イメージ向上の結果が生まれます。

・ダイバーシティ採用を行っていることに好印象を抱き、その企業の商品などを購入する
・さまざまなスキル、価値観、視点を持った人材が新たに入社することで、移り変わりやすい消費者ニーズに合った製品やサービスを開発・提供できる
・ダイバーシティ採用を行っていることに国内外の取引相手もしくは新たな企業が好印象を抱き、取引量が増える・新規取引が生まれる など

ダイバーシティ採用を成功させるための社内の取り組み

これまで述べてきたように、ダイバーシティ採用は昨今企業に求められている採用です。では、ダイバーシティ採用を成功させるためには何を行えば良いのでしょうか?ここでは、ダイバーシティ採用を成功に導くにあたって社内での取り組むべき事項を紹介します。

働き方の柔軟化

ダイバーシティ採用を推進していくためには、働き方の柔軟化が欠かせません

「2‐1.性の多様性」で述べたように、現代では共働きの夫婦が多く、子育て中の従業員に対し、子育てをしながらでも働きやすい環境づくりを進めることが重要です。

また、親の介護をしながら働かなければいけない人、障がいがあり通院しなければならいない人などに対しても、仕事と両立できるような働き方を提供する必要があります。

下記のような柔軟な働き方の整備を進めると良いでしょう。

・フルフレックス勤務
・リモートワーク
・介護休暇
・育児休暇(女性、男性いずれも)
・時短勤務
・トランスジェンダー向けのトイレの設置
・礼拝室の設置 など

社内の制度改革

働き方の柔軟化とともに取り組むべきもう一つの施策は、社内の制度改革です。例えば、「2‐1.性の多様性」で述べたような、女性やLGBTQ+に対する新制度、シニア層に多い親の介護に関する制度などです。

<例>

  • 同性での事実婚やパートナーシップを結んでいる従業員にも、異性婚と同等の福利厚生を受けられる制度
  • 育児中の女性向けに社内外のワーキングマザーに相談できる制度
  • 女性従業員に向けキャリアアップ研修や管理職研修を課す制度
  • アルバイトの男性でも育児休暇を取れる制度
  • 介護休暇中の支援金給付制度
  • 家族余命宣告時に休暇を取得できる制度 など

既存社員への理解を促す

ダイバーシティ採用で採用する社員ばかりでなく、既存社員へ理解を促すことも重要な施策です

そもそもダイバーシティ採用とは何か、新たな制度によって自分たちがないがしろにならないか、さまざまなバックグラウンドを持った人材へどのように接すればいいのかなど、既存社員が疑問や不安に思うことは多いはずです。

そのため、下記のような施策を行い既存社員へ理解を促すと良いでしょう。

ダイバーシティ採用の概要、実施目的、実施理由などの説明会
ダイバーシティ採用を行うにあたっての新制度や福利厚生の説明会
さまざまなバックグラウンドを持った人材への接し方研修
既存社員が受ける影響の説明(ある場合)
上記をハンドブック、イントラ掲載するなどいつでも確認できる掲示方法の考案 など

ダイバーシティ採用が抱える課題と解決策

ダイバーシティ採用にはメリットがある一方で、課題もあります。その課題とともに、解決策を紹介していきます。

無意識の偏見

私たち人間は、「無意識の偏見や固定観念」を持っています。

例えば、過去にある出身地の人に嫌がらせを受けたとします。その後、その人と同じ出身地の人物に会うと、出身地が同じというだけで「過去に嫌がらせをしてきた人と同じことをするのではないか」と疑ってしまうのです。

このように、過去の環境や経験から、無意識のうちに性別や年齢・人種などを理由に決めつけを行ってしまうことは珍しくありません。

そのため、まずは人間誰しも、「無意識の偏見や固定観念を持っている」ことを社員へ教育しましょう。私たちの多くは、この無意識の偏見や固定観念を持っていること自体に気づいていないことが多いからです。気づかせ、どのような偏見や固定概念を持っているかを認識させることが重要です。

コミュニケーションの摩擦

ダイバーシティ採用では、コミュニケーションの摩擦が起きやすいです。

例えば、言葉の壁によって外国人社員にお願いや指示したいことを伝えられない、年齢にギャップのある人とは話がうまくかみ合わないなどです。このような事象は、ストレスを感じさせ、生産性やエンゲージメントの低下につながります。

こうした問題を解決するためには、定期的な1 on 1が必要です。どのようなコミュニケーションの摩擦が起きているのか、現状それに対しどのように対処しているのか、もしくは対処できていないのか、などを聞き、問題を明確にすることが第一歩です。そのうえで、社外の専門家へ相談したり、語学研修を行ったりすると良いでしょう。

多忙により社内改革に着手できない

ダイバーシティ採用では取り組むべき事項が山積みです。

そのような中で、社内改革に着手できないことは多いでしょう。このような場合は、外部に頼るのがおすすめです。

採用活動自体は採用代行に依頼する、社内制度の改革は人事コンサルタントと一緒に行うなど、外部の手を借りることで負担軽減を図ることができます。

外部に頼ることは、負担軽減以外にもメリットがあります。それは、プロの知識を活かせることです。実績の多い業者であれば、自社には持ち合わせていないノウハウや知見を持っている可能性が高く、手厚いサポートを受けられるでしょう。

ダイバーシティ採用に取り組んでいる企業を紹介

ここからは、ダイバーシティ採用や、それに伴う制度改革に取り組んでいる企業を紹介します。

YKK株式会社


YKK株式会社は、衣服などに用いられているスライドファスナーが世界シェア45%を占める日本メーカーです。

外国人採用を多く行っている同社は、さまざまな工夫を行っています。

採用後はグループ最大の製造・開発拠点である黒部事業所(富山県黒部市)で働くため、日本に都会的なイメージを抱いている外国人には、面接時に工場の周辺環境などについてよく説明をしているそう。

また、黒部事業所内には「ハラル食堂」と呼ばれる食堂を開設しました。ハラル食とは、イスラム教において食べることを許されている食事のことです。イスラム教では食べてはいけないとされるものが厳しく定められており、それらを除去した食事を日本で探すのは困難なのです。イスラム教徒の従業員が安心できる食環境を整えることで、効率的な技術人材の育成を目指しているそうです。

参考:YKK株式会社|Asia to Japan
YKK、社員食堂でハラル認証取得 外国人研修に対応|日本経済新聞

エン・ジャパン株式会社


「エン転職」などを展開するエン・ジャパン株式会社。同社は、実に多くのダイバーシティ推進のための制度を策定しています。

ここでは3つ紹介します。

一つ目は、同性パートナーシップ制度。エン・ジャパンでは「結婚記念日お祝い金」「単身赴任手当」などを設けています。2019年より、これら制度の適用範囲をLGBTで事実婚関係がある社員向けにも拡大しました。

二つ目は、ボーダレスな人材登用。アメリカ・オーストラリア・中国・韓国など世界20ヶ国以上の多国籍人材が活躍する同社では、籍や年齢に関係なく「仕事の成果」でフラットに評価する風土があるのです。

三つ目は、家事代行割引制度。お掃除代行、お料理代行のサービスを割引で利用できる本制度は、子育てをしながら勤務する女性社員の発案から決定した制度だそう。

参考:ダイバーシティ|エン・ジャパン株式会社

コクヨ株式会社

コクヨ株式会社は、文房具やオフィス家具を扱う日本メーカーです。

同社は、1940年より障がい者雇用を開始した歴史を持っています。しかし、近年は障がい者の雇用自体が目的化してしまっていた同社。そこで、個々の障がいの状態や特性、スキルに合わせ段階的に業務を拡大していきました。場合によりリモートワークの導入やフレックス勤務の導入を行い、生産性の向上も図りました。その結果、新製品開発などコア業務の比率が高まるなどの成果が現れています。

障がいを持つ社員にとっても良い効果が。自身の能力やスキルに応じた業務で活躍する場を得られたことでモチベーションが高まり、より付加価値の高いアウトプット創出やサービスの提供に積極的に取り組むようになったそうです。

これらの取り組みを進めるにあたり、ダイバーシティ担当部署がグループ全体に対して積極的な情報発信も行いました。障がい者の活躍する企業グループとして社員の認識を深めるためです。グループ報で定期的に記事を掲載する中で、記事に対するグループ社員からのコメントなどを集約し、本人や本人が通院する医療機関関係者、職業訓練機関スタッフなどにもフィードバックするなど、障がい者本人や関係者へ精神的なサポートを行ったのです。

参考:ダイバーシティ経営企業100選 ベストプラクティス集 |経済産業省

株式会社商船三井


株式会社商船三井は、三井グループの大手海運会社で、海上輸送などを行っています。

そんな同社は、女性活躍を特に効果的に進める企業に贈られる「なでしこ銘柄」に4年連続選定されています。

具体的には、女性のライフステージに合わせた制度を多数策定。不妊治療への費用助成(海外駐在員のみ)や、不妊治療の為の休暇を与える制度、病児保育の利用額の一部を補助するなどの制度があります。

また、海上で勤務する女性社員の負担となっている生理用品を会社から支給するといった、試験的な取り組みも行っています。

参考:ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン|株式会社商船三井
女性活躍推進に優れた企業として「なでしこ銘柄」に4年連続選定|株式会社商船三井

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まとめ

今回は、ダイバーシティ採用とは何か、そのメリットや課題点、各社の事例を紹介しました。

ダイバーシティ採用とは、多様な人材を雇用するための採用活動のことです。性や国籍、年齢にとらわれず採用をすることが求められます。

ダイバーシティ採用には幅広い才能を持つ人材を確保できる、イノベーション促進につながるなどのメリットがある一方で、コミュニケーションの摩擦や社内改革に時間がかかるなどの課題点もあります。

ダイバーシティ採用は、今後の人手不足に対応できたり、消費の多様化に柔軟に対応できたりと、企業が採らざるを得ない採用手法なのです。ぜひ本記事を参考に、貴社でもダイバーシティ採用を推進してみてくださいね。