採用連絡で企業の印象が変わる!適切な時間帯はいつ?

採用活動を行う際、必ず発生する採用連絡。

採用難である昨今、採用連絡ひとつをとっても応募者の企業への印象は変化し、入社意欲に影響します。

そこで今回は、採用連絡を行う時間のほか、採用連絡が重要である理由や、効率化する方法を紹介します

自社のイメージを良くし、応募者の入社意欲を向上させたいと思われている採用担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

採用連絡がきわめて重要な理由

採用連絡は、企業にとってきわめて重要です。その理由を2つ解説します。

企業イメージに関わる

採用連絡が重要な一つ目の理由は、企業のイメージに関わるためです。

採用連絡は単なる「お知らせ」ではなく、候補者とのコミュニケーション手段の一つであり、信頼関係構築の基となります。

たとえば、テンプレートそのままの無機質な文章での通達や、深夜や早朝の採用連絡は、応募者の立場になって考えた行動ではありません。

このような行動をとると、企業のイメージは低下してしまうのです。

応募者の入社意欲に影響する

企業のイメージが低下してしまうと、応募者の入社意欲にも影響を与えます。

次の選考に進むか、内定承諾をするかの決め手が、採用連絡になり得ることもあるのです。

2024年11月の転職求人倍率は2.82倍で、増加の一途を辿っています。

引用:転職求人倍率レポート(2024年11月)

また、「応募後の面接設定が遅かったために、高かった志望度が下がった」と答えた求職者は86.4%にものぼっています


引用:【中途採用の面接実態に関する調査】7割以上が「面接設定が遅い」と感じた経験あり、そのうち約9割は、「志望度が低下した」と回答

これらの調査より、売り手市場の現在の採用市況では、いかに早い連絡を行うかが重要になってくるのです。

採用連絡に記載すべき内容とテンプレート

では、具体的に採用連絡にはどのような内容を記載すれば良いのでしょうか?

本章では、メールにて採用連絡を行う場合に記載すべき内容と、それらを踏まえたテンプレートを紹介します。

記載すべき内容 概要
件名 他のメールに埋もれてしまわないよう、応募者が一目で見て採用連絡だとわかるようにする。

例:【株式会社〇〇】採用結果のご連絡

宛名 応募者の名前をフルネームで記載する。漢字がわかる場合は漢字で記載。応募者の名前の誤記は失礼かつ信頼をすぐに失うため、ダブルチェックを行ったり、ツールを使用したりして間違わないように徹底する。

送付先のメールアドレスの間違いにも注意。別の応募者などに誤って送付してしまうと、信用低下のほか、個人情報流出にも該当する。こちらも名前チェック同様、ダブルチェックもしくはツールの利活用をする。

挨拶と感謝の言葉 差出人を名乗り、応募や選考を受けてもらったことへの感謝を述べる。
選考結果の通知 前置きは長くせず、挨拶と感謝の言葉のあとに簡潔に選考結果を記載する。
今後の手続きに関する案内 入社日や入社前研修・面談の有無、日時、内定承諾書や労働条件通知書の送付・返送依頼について記載する。
問い合わせ先 採用担当者の名前、メールアドレス、電話番号などを記載する。
結びのあいさつ 入社を心待ちにしているなど、応募者の入社を歓迎していることを表す言葉を添える。

上記の内容を踏まえたテンプレートは下記です。ぜひ参考にしてみてくださいね。

件名:【株式会社◯◯】選考結果のご連絡

▲▲ ▲▲様(フルネームで記載)

お世話になっております。株式会社◯◯の■■です。

先日は最終面接にお越しいただき、ありがとうございました。

厳正なる審査の結果、▲▲様のこれまでのご経歴やスキルを高く評価し、採用の内定を決定いたしました。

つきましては、内定承諾書を添付させていただきますので、ご確認、ご署名いただき、ご返信いただけますと幸いです。

返信期限は△月△日とさせていただき、それまでにご連絡がない場合は、辞退のご意向として承りますことをご了承ください。

ご入社前に一度、会社説明や入社手続きに必要な書類のご記入をお願いしたく存じます。下記にてご来社いただける日時はございますでしょうか?

===================================

△月△日 11:00〜12:00

△月△日 16:00〜17:00

△月△日 13:00〜14:00

===================================

いずれもご都合の悪い場合は、遠慮なくお申し付けくださいませ。

ご不明点等ございましたら下記までご連絡ください。
採用担当 ■■ ■■
電話番号
メールアドレス

社員一同、▲▲様と共に働けますことを心待ちにしております。

まだまだ厳しい寒さが続きますので、体調を崩されませんよう、ご自愛くださいませ。

それでは、ご返信をお待ちしております。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

株式会社◯◯
■■ ■■
住所
電話

 

採用連絡はいつ何時くらいに送る?

採用連絡は、いつでも行って良いわけではありません。

あまりにも日数が経っていたり、遅い時間、早い時間に送ったりすると企業イメージが下がってしまいます。

また、日数が経てば経つほど、候補者が他社に入社を決める可能性も高くなります。本章では、理想的な連絡のタイミングを解説します。

面接5日以内が理想

採用連絡は、面接当日~5日以内にするのが理想です。早ければ早いほど、応募者には「自分を必要としてくれている」と感じてもらえるでしょう。

「面接設定の対応が遅いと感じた企業の、応募から面接設定に至るまでの期間を教えてください。」という設問に対し、「10日~2週間未満」が40.7%、「5日~1週間未満」が22.2%という結果となっています。

 


引用:【中途採用の面接実態に関する調査】7割以上が「面接設定が遅い」と感じた経験あり、そのうち約9割は、「志望度が低下した」と回答

この調査からわかるように、応募や面接などから5日以上連絡がないと、応募者は「遅い」と感じるのです。

そのため、5日以内には必ず採用連絡を行うようにしましょう。

送る時間帯は10:00~19:00の範囲内

採用連絡をする時間帯は、10:00~19:00の範囲内としましょう。

早朝や19:00以降の夜遅い時間に送ってしまうと、その時間まで働くのが当たり前の会社だと思われてしまう可能性があるからです。

採用連絡を効率化する方法

これまで解説してきた通り、何かと気をつけるべきことが多い採用連絡。このような連絡を、毎回0から作成するのは時間がかかります。

そこで本章では、採用連絡を効率化する方法を紹介します。

採用管理システムの導入

採用管理システムとは、ATS(Applicant Tracking Systemの略)と呼ばれ、採用業務に特化して開発されたシステムです。

主に下記の業務の自動化が可能となります。

・採用媒体(求人広告など)への募集要項の公開や更新の連絡
・人材紹介会社への募集依頼、選考フィードバック
・応募者への応募受付通知、サンクスメール
・応募者・社内への面接日程調整連絡
・応募者への選考結果通知
・関係者への応募者情報共有 など

応募者への選考結果の通知も自動化できますので、手間が省けるでしょう。また、名前や送信先の間違いも防ぐことができます。採用管理システム「ハーモス」を提供する株式会社ビズリーチが行った調査によると、連絡漏れや候補者情報の取り間違えは、ツール導入後大きく軽減されることがわかっています。


引用:【導入済み50社へのアンケートで判明】採用管理システム導入 4つのメリット

採用連絡を効率化したい企業は、導入すべきツールでしょう。

さらに昨今では、採用管理ツールと連絡アプリであるLINEが連携できるツールも多く、日程調整や採用連絡などをLINEで完結させることができます。

株式会社ネオキャリアが行った調査では、「就職活動における企業とのコミュニケーションで一番使いたいツール」は「LINE」と答えた学生が54.0%にものぼりました。


引用:学生が就活で利用したいコミュニケーションツール1位は「LINE」、株式会社ネオキャリア調査

この結果からもわかるように、LINEというリアルタイムで気軽にメッセージを見たり送ったりできるツールでの連絡を望む学生は多いです。

関連記事:採用業務を効率化させる方法とは?おすすめのツールを紹介

専用のコミュニケーションツールの活用

専用のコミュニケーションツールの活用も、採用連絡を効率化させる一つの方法です。

専用のコミュニケーションツールとは、ビズリーチなどのダイレクトリクルーティングツール、Wantedlyなどの採用SNSなどです。

求職中はこれらのプラットフォームを見る頻度が高く、迅速なやり取りが可能となります。

また、メッセージでのやり取りのためメールほどかしこまることもなく、応募者にとっては心理的負荷が軽減されるツールで、利用者は多いです。

テンプレートの作成

先述したテンプレートの作成も、採用連絡の効率化方法の一つです。

ただし、テンプレートをそのまま利用すると、メッセージの温かみに欠ける、一人ひとりにパーソナライズされた内容になりにくいといった課題が発生します。

そのため、基本のテンプレートは作成しておくものの、応募者一人ひとりに合った内容にカスタマイズして送付する使い方が最適と言えるでしょう。

関連記事:求人応募へのメール返信はどうすればいい?一発アウトのNG行為とは?
お祈りメールのテンプレを紹介|内容によっては採用の成功につながる?

自動化ツールの導入

自動化ツールの活用も、採用連絡効率化の一つです。メールの予約送信やカレンダーのリマインダー機能、メールのテンプレート登録などをしておくと、忘れずに手間なく送ることができます。

採用連絡を送る上での注意点

採用連絡を送る上では、できるだけ早く連絡する、相手の都合を考慮した時間帯に送るなどの注意点があります。それぞれ解説していきます。

できるだけ早く連絡する

先述した通り、採用連絡は当日~5日未満に送付するのが理想です。

採用連絡が遅ければ遅いほど応募者は不安になり、自社が採用連絡をする前に他社の内定を承諾する可能性があります。

採用決定には、採用担当者の意向だけでなく、その上長や所属部署の責任者、役員や代表の決裁が必要です。そのため、意思決定に時間がかかる場合が多いでしょう。しかし、現在の採用活動はスピードが求められます。

株式会社マイナビがおこなった調査によると、「転職活動で企業に求めること」として2番目に多かったのが、「応募・面接後の返信・対応が早い」でした

引用:【最新版】中途採用の市場動向|求職者が転職において重視するポイント

そのため、絶対に採用したい応募者がいる場合は、その理由を伝え、決裁スピードを早めるように働きかけましょう。

面接実施当日中の連絡は、応募者に「必要とされている」「自分は求められている人材なのだ」と感じさせることができ、自社の本気度が伝わります。その結果、自社への志望度が上がり、入社の意思決定をしてくれる可能性が高くなるでしょう。

相手の都合を考慮した時間帯に送る

「3.採用連絡はいつ何時くらいに送る?」で紹介した通り、10:00~19:00に採用連絡を送付するのが一般的です。

しかし、これはあくまでも一般論であり、本来は相手の都合を考慮した時間帯に送るのが一番です。

応募者の就業状況や家庭の事情を把握しているのであれば、それに合わせた最適なタイミングを見計らって送付しましょう。

例えば、応募者が就労中の場合、始業前の早い時間やお昼休みの時間、定時後すぐの時間に送ると、すぐに返信をくれる可能性が高いです。家庭の事情で日中は連絡が確認できないなどであれば、19:00以降に連絡をしても良いでしょう。

次のステップへの案内はわかりやすく

3つ目の注意点は、次のステップへの案内をわかりやすく行うことです。

採用連絡を受けたものの、次にとるべきアクションが明確でないと不信感を持たれてしまう可能性があります。

内定承諾書や労働条件通知書送付のタイミング・返送依頼をしたり、入社前研修や面談の有無を伝えたりしましょう。

採用連絡で避けたい失敗

ここからは、採用連絡で避けたい失敗を紹介します。

返信の遅れで他社への入社が決まってしまった

採用連絡に対し、応募者から問い合わせの返信があることがあります。

問い合わせに対する返信が遅くなってしまうと、その間に他社への入社が決まってしまう可能性があるのです。

採用連絡を送っただけで安心するのではなく、必ず応募者からの返信を確認しましょう。

他の応募者に誤送信してしまった

他の応募者に対し採用連絡を誤送信してしまうのは、よくある失敗です。

よくある失敗とはいえ、誤送信には3つものリスクがあります。

1つ目のリスクは企業の信用失墜です。誤って送信したために、連絡が遅くなったり漏れたりしてしまう可能性があり、信頼を失ってしまいます。また、誤送信を受けた他の応募者も、企業に対し不信感を抱くでしょう。場合によってはSNSなどにクチコミを書き込む可能性があり、結果的に採用市場においての企業の信頼度が低下してしまうのです。

2つ目のリスクは、個人情報流出のリスクです。氏名が流出することはもちろん、応募者の連絡先確認としてメール文面に本来の応募者の住所や電話番号などを記載すると、個人情報流出となります。個人情報の流出は、現代の企業としてあってはならない出来事です。応募者のみならず、取引先などのステークホルダーからの信頼を失う可能性もあります。

3つ目のリスクは、人材獲得のチャンスを逃すことです。もし誤送信に気づかずにいると、企業は「採用したい人材から返信がなく、採用できなかった」と捉えるでしょう。しかし、間違った相手に送っているので、返信はなく、採用できないのは当たり前のことなのです。仮に誤送信に気づいたとしても、時間が経過していることが多いため、本来採用したかった応募者は他社への入社を決めてしまっている可能性もあるでしょう。

不適切な表現で企業イメージを損なった

不適切な表現で企業イメージを損なう危険性は、どこにでも潜んでいます。

例えば、企業としては応募者に入社してほしいがために良かれと思って「他の応募者さまと比べ、〇〇様の才能が秀でていたため」などと記載すると、応募者は「他の応募者に失礼な企業だな」と受け取る可能性があります。

他にも、「〇〇様は若手で今後の展望もあり、容姿も端麗でおられるため」などと書いた場合にも、年齢や外見で判断していると受け止められかねないでしょう。今の時代に即しておらず、場合によっては外見面に触れているためセクハラと言われる可能性もあります。

このように、相手をおだてよう、立てようと思って記載した表現が、不適切な内容である危険性は常に存在します。それを防ぐために、ダブルチェックや弁護士や社労士などの専門家にチェックしてもらうなどの対策をとると良いでしょう。

採用の効率化ならPRO SCOUT


採用でお悩みの場合はぜひPRO SCOUTをご利用ください。

700社以上の導入実績を持つPRO SCOUTでは、ダイレクトリクルーティングを用いてのご支援を中心に個社ごとにマッチした人材の採用代行を行っています。

戦略策定、KGI/KPI設定、スカウト文面・求人作成、スカウト配信、カジュアル面談、数値レポーティング、レクチャーまですべてお任せいただけます。

まとめ

今回は、採用連絡について、重要な理由や送るべきタイミング、効率化する方法などを紹介しました。

採用連絡は、送るタイミングや内容によって企業イメージや応募者の入社意欲に大きく影響します。

面接当日~3日以内には送るようにし、早朝や深夜の連絡は避けましょう。採用連絡は重要だと言いつつも、常に0から作成していては業務の負荷となってしまいます。

そのような場合は、採用管理ツールの導入やテンプレートの活用など、効率化を図ることが重要です。

返信の遅れや他の応募者への誤送信、不適切な表現の使用などに注意し、適切なタイミング・文章で連絡を行うよう心がけてみてくださいね。

投稿者プロフィール

大久保 さやか
大久保 さやか
SIerにて中途エンジニア採用を経験。また、リファラル採用支援サービスを提供する企業での従事経験もあり、リファラル採用領域の知見を持つ。