【図解あり】採用フローとは?中途・新卒別の例や作り方、運用方法を解説

採用

採用競争が激化する昨今において、採用活動はより戦略的かつ計画的な運用が求められるようになりつつあります。採用活動を戦略的かつ計画的に推進するためには、採用フローを設計し、採用活動における一連の流れを明確にすることが大切です。

そこで今回は、採用支援事業に8年間従事してきた筆者が、新卒・中途別の採用フローや設計するメリット、採用フローの作り方を解説します。

採用フローとは?

採用フローとは、企業の採用活動が開始してから終了するまでの一連の流れ(採用計画の策定から入社に至るまで)を指します

採用フローを策定することで、採用活動の一連の流れが可視化され、採用活動を効率的に推進できたり、進捗を管理しやすくなったりします。

採用フローの内容は、採用ターゲットや利用する採用手法、採用人数、職種などによって組み替えたり、変更したりすることもあります。

採用フローを図解でわかりやすく解説

新卒採用フロー

新卒採用のフローは、企業によって異なりますが、一般的には以下のようになります。

採用計画の策定

まずは、採用人数、職種、スケジュール、予算などを決定します。

学生に求めるスキルや人物像も定義します。

会社説明会・インターンシップ

学生に対して会社や業界の説明を行います。
また、最近はインターンシップを通じて学生に業務体験をしてもらうのが主流です。

会社説明会やインターンシップの参加者を募るために、企業はマイナビやワンキャリアなどに情報を掲載したり、OfferBoxやdodaキャンパスなどでスカウトを送ったりします。

合同説明会に出展するケースもあります。

関連記事:インターンシップの内容|学生の満足度を高める面白いアイデアとは

エントリーシートの受付

新卒採用では、学生時代に力を入れたこと、志望動機などを記したエントリーシートを提出してもらいます。

書類選考

エントリーシートや履歴書をもとに選考を行います。

筆記試験やWebテスト

学力や適性、性格診断を行うために筆記試験やWebテストを実施します。

Webテストは、テストセンターで受験してもらう場合もあれば、学生が持っているPCで受検してもらうこともあります。

面接(複数回実施)

一次面接(グループ面接など)から最終面接(役員面接)まで段階的に行うのが一般的です。

グループディスカッション選考からスタートする企業もあります。

内定通知

最終選考の合格者に内定を出します。

内定者フォロー

新卒採用は入社までの期間が長いです。大学3年生の時点で内定を出し、実際の入社まで1年以上かかることも珍しくありません。

定期的なコミュニケーションを通じてモチベーション維持に努めましょう。

入社後に役立つ資格の勉強を促す企業も少なくありません。

正式入社

学生が卒業後、正式に入社し、新人研修がスタートします。

 

中途採用フロー

中途採用フローは、企業や採用手法によってフローが大きく異なります。

下記は一例です。

採用ニーズの確認・採用計画立案

経営計画や社内のニーズを確認し、採用するポジションや求めるスキル、経験を明確にします。

求人募集の開始

自社の採用ページ、求人広告サイト、エージェント、スカウトなどを通じて募集を開始します。

リファラル採用(社員からの推薦)を募る企業もあります。

カジュアル面談

最近は選考要素を持たないカジュアル面談から、候補者と接点を持つ企業も増えています。

特に、ダイレクトリクルーティング(スカウト採用)では、企業側から声をかけているため、候補者は「どんな企業・仕事内容か詳しく知ってから、正式に応募したい」というニーズがあり、カジュアル面談からスタートすることが多いです。

Pittaなどカジュアル面談プラットフォームも存在しています。

関連記事:カジュアル面談の進め方や準備について解説|志望動機を聞くのはタブー?

書類選考

履歴書・職務経歴書を基に、求める経験・スキルに合致するかを確認します。

判断に迷う場合は、応募過多でない限り、書類だけでお見送りにするのではなく「まずは会ってみる」姿勢を大切にしましょう。

適性検査や技術テスト(必要に応じて)

必要に応じて、適性検査を行います。中途の場合は、二次面接通過者にだけ受けてもらうなど、全員が受験しない企業も多いです。

職種によっては、コーディングテストなどスキルを把握するテストを実施することもあります。

ただ、適性検査の結果だけでお見送り(不採用)を決定しない方が良いケースもあります。適性検査はあくまでその人の性格や思考傾向を測るツールであり、その結果が必ずしも実際の業務パフォーマンスやカルチャーフィットと完全に一致するとは限らないためです。

また、適性検査や技術テストがあることで応募を躊躇う候補者も一定存在します。特に現職が忙しい候補者の場合は、面接だけで内定が出る会社を受ける傾向にあります。

本当に選考フローに組み込むべきかは吟味すべきでしょう。

面接

通常、1〜3回の面接が行われます。

面接フェーズに合わせて、以下の区分をする企業が多いです。

1次面接:人事担当者や直属の上司が応募者の人柄、意欲、基本的なスキルを確認。
2次面接:現場の担当者やチームメンバーが実務能力やチーム適性を評価。
最終面接:役員や経営層が組織とのフィット感や将来的な貢献を確認。

内定通知

面接を踏まえ、内定を出します。

給与や条件を提示し、場合によっては条件交渉が行われることもあります。

オファーレターを用意し、「ぜひ弊社に来て活躍してほしい」と熱意を伝える企業もあります。

内定承諾と入社準備

内定を受諾してもらえたら、入社に向けた手続きや必要書類の準備を進めます。

入社

内定者が正式に入社し、オンボーディング(入社後の研修やサポート)が始まります。

採用フローを作ることによるメリット

採用フローを作ることで得られるメリットは、以下の通りです。

採用の状況を共有しやすくなる

採用の状況を共有しやすくなる点が採用フローを作るメリットとして挙げられます。
採用フローを作ることによって、各選考プロセスの進捗や応募者の状況が可視化しやすくなり、採用活動に関わるメンバーに状況を共有しやすくなります。

採用活動の状況や進捗をメンバー同士がきちんと共有し合える状態になると、連携ミスや確認の手間を軽減でき、結果的に採用活動の効率化や生産性の向上にもつながるでしょう。

採用のどこでつまずいているのか理解しやすくなる

採用フローを作っておくと、採用活動でつまずいているポイントを可視化しやすくなる利点があります。

応募率や推移率、辞退率、選考通過率など各プロセスの数字やデータを見直しやすくなります。各数字やデータを分析することで、ボトルネックとなっている部分や改善が必要な工程が見えてくるでしょう。

また、前回の採用活動時に作った採用フローと比較することで、市場動向や次回の採用活動に向けた課題が明瞭になることもあります。
このように、採用フローを作ることで採用活動の振り返りが容易になるだけではなく、振り返りの精度も向上します。採用活動全体の質も自ずと向上するでしょう。

採用業務全体の効率化が期待できる

採用業務全体の効率化が期待できるのも、採用フローを作るメリットの1つです。

採用フローを作っておくことで採用活動全体を一貫管理できるほか、採用活動に関わるメンバー全員が次のステップや全体の進捗を把握しやすくなります。このように管理がスムーズになるだけではなく、課題となっている工程が明確化しやすくなったり戦略を立てる際にも効果的な施策を考えやすくなったりします。

採用フローを作っておくと、さまざまな場面で効率化を図れるようになるでしょう。

採用フローの作り方

採用フローの作り方は、以下の通りです。

採用計画の立案

まずは、採用計画を立案しましょう。
採用計画とは、自社の経営方針や事業計画に基づいて、採用活動の目標を定めた計画であり、採用活動の指標や軸となるものです。

採用計画を立案する際は、採用活動において大枠となる下記項目について定めます。

・採用の目的
・採用スケジュール
・採用予算
・採用活動に関与するメンバーと役割

母集団形成方法の検討

続いて、母集団を形成する方法を検討しましょう。
母集団を形成する方法は、採用ターゲットや自社の採用活動スタイル、予算、採用期日などを加味して決定します。
具体的には、利用する採用手法とプラットフォームを決めます。各採用手法にはメリット・デメリットがあり、プラットフォームはサービスによって特性が異なります。場合によっては複数の採用手法を組み合わせたり、数種類のプラットフォームを利用したりすることもあるでしょう。

選考プロセスの詳細な設計

次に選考プロセスを詳細に設計します。
具体的には、応募者の採否を判断できるよう、下記のように各選考プロセスで応募者を評価するための方法や基準を定めましょう。

・書類選考で提出する書類や提出方法
・筆記試験・適性検査などの実施有無や実施方法
・面接選考の回数や各面接の評価基準

内定者のフォローアップ

採用フローは、内定後のフォローアップも含みます。
内定者が無事に入社まで至るよう、内定者の属性や入社時期などに合わせてフォローアップ施策や計画を策定しましょう。

・内定通知の方法や時期を決める
・内定者研修や内定者交流会などのイベントを計画する
・入社手続きやオリエンテーションの準備を進める

定期的な見直しと改善

採用フローは策定して終わりではありません。採用進捗や状況に応じて定期的な見直しと改善が必要です

採用進捗に応じて都度採用フローを改良することはもちろん、採用活動が終了した後は、下記項目について振り返り、次回の採用活動に向けて改善を図りましょう。

・採用目標が達成されたかを評価する
・コストと時間を分析し、効率化の余地がないか検討する
・ボトルネックになったプロセスを調査し、改善の余地がないか検討する

また、採用フローは、自社の採用ノウハウやナレッジの1つになる貴重なデータです。次回の採用活動に向けて、データや改変の軌跡を忘れずに記録・保管しておきましょう。
過去の採用フローデータが残っていれば、新たな採用活動がスタートする際の参考にすることができ、より精度の高い採用フローを立案できるようになるでしょう。

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まとめ

採用フローは、現行の採用活動の円滑化・効率化に寄与するだけではなく、採用活動における課題の可視化や改善にも不可欠です。
また、改善を重ねることで、より精度の高い採用活動の実現にもつながります。

しかし採用ノウハウに乏しい企業や経験の浅い人事担当者の場合、効果的な採用フローの立案が難しいこともあるでしょう。そのような場合は、PRO SCOUTをはじめとする採用支援サービスを活用するのも1つの方法です。採用知見に長けた採用支援サービスの力を借りることで、より精度の高い採用フローを立案できるでしょう。

採用フローは、採用活動の成果を高める基盤でもあります。ぜひ自社にとって最適な採用フローを策定し、採用活動の質を向上させましょう。

投稿者プロフィール

日向 妃香
日向 妃香
採用系コンサルタントとして企業の採用サポート・採用戦略構築・採用ノウハウの提供を行いながらライターとしても活動中。
得意分野は新卒採用とダイレクトリクルーティング。