doda Recruitersカスタマーサクセス向け講演会レポート! ダイレクトリクルーティングを扱うCS理想像とは
パーソルキャリアが運営するスカウトサービス「doda Recruiters」のカスタマーサクセス(CS)100名以上に向け、株式会社VOLLECT 代表の中島がダイレクトリクルーティングの講演会を実施しました。
ダイレクトリクルーティングを扱うCSとしてのあるべき姿や、お客様とどう伴走し採用決定を生み出すかについてお話ししています。
スカウトサービスのCSだけでなく、人事の方にも有益な情報になっていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
受講者からいただいた感想抜粋
・貴重なお時間を頂きましてありがとうございます!普段の業務内容の事から、そもそものダイレクトソーシングの在り方まで教えていただき、今まで自分自身のCS行動を改めて考えることが出来ました!自分の行動や提案が顧客の採用決定だけでなく、自社採用力を上げ、採用意識を変えることが出来ると思うと、改めてやりがいのある事業だと思いました!是非次の講演していただけると嬉しいです!
・採用決定を主語にお客様と会話が出来ているかという問いにハッとさせられました。応募率を上げるは手段の話で目的の採用決定に繋がってなければ満足のいく顧客体験に繋がらないので、改めて目的と手段を間違ってはいけないと思いました。
・doda Recruitersの改善提案というところに目を向けがちでしたが、『ダイレクトリクルーティングを周知する』そのうえでお客様の採用課題を解決するという本質に改めて気づけました。振り返ると、doda Recruitersが主語でお客様とコミュニケーションを取っていたなと内省しました。
アンケート結果:満足度
「本日の講演の満足度はいかがですか?」という質問に対して、約9割の受講者が「大変満足」、その他の方も全員「満足」の評価をいただきました。
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スカウトサービス運営企業以外でも内容をカスタマイズし、実施可能です。
講師紹介
株式会社VOLLECT 代表取締役 中島 大志
2012年パーソルキャリア株式会社にて人材紹介事業に従事。
約6年間ダイレクトリクルーティングの支援に尽力し、 支援社数は累計500社超。
書籍「ダイレクトリクルーティングの教科書」の出版や、日経トレンディ・東洋経済へ寄稿などメディア露出も多数。
ダイレクトリクルーティングを扱うカスタマーサクセス理想像
ダイレクトリクルーティングを扱うCSが顧客満足を得るために重要なことは2つあります。
スカウト返信後のプロセス介入と採用決定数にコミットする
採用決定以外のところで意義を持ってもらう
詳細は後述しますが、返信数や返信率だけを改善しようとしてもダイレクトリクルーティングの成功には繋がりにくいです。
また、ダイレクトリクルーティングは難易度の高い採用手法であるため、採用決定以外のところで意義(メリット)を知ってもらうのが大切です。上記2点を特に意識し、doda Recruitersを用いた採用力を強化しましょう。
スカウト返信後のプロセスに介入し、採用決定数にコミットするべし
ダイレクトリクルーティングを扱う際に重要となるのが「スカウト返信後のプロセス」と「採用決定数」です。ダイレクトリクルーティングを始めた多くの企業は、スカウト送信に対する「返信率」に気を取られる傾向にあります。しかし、スカウトの返信率は外部的な要因が大きく影響するため、コントロールするのが困難です。
例えば、doda Recruitersの媒体においても利用企業数や採用したいポジションと登録者数に乖離があると、返信率は下がるでしょう。しかし、これはCSが解決できる問題ではありません。
そこで、カジュアル面談以降に続くプロセスに注目しましょう。
前工程である返信率は外部要因が強いのに対して、カジュアル面談以降の後工程のプロセスは内部要因による影響が強いため、自社でコントロールしやすいというメリットがあります。
このように、お客様に対して、CSは「後工程の提案」に意識を向けましょう。そうすることで、お客様の求める人材の採用決定につなげられる可能性が高まります。
ダイレクトリクルーティングのあるべきKPI
ダイレクトリクルーティング運用では、配信〜返信だけでなく、その後のカジュアル面談、面接、そして内定までの歩留まりの推移を示すことが大切です。
そもそもスカウトした時点で候補者のハードスペックや経歴は基準を満たしているしているため、3~4名面接して1名入社できるようにすれば、返信率がそこまで高くなくても採用につなげられます。
しかし、3~4名面接して1名入社というのは難しく、そもそも「企業が求める人材にスカウトを送っているはずなのに、面接してみると内定が出ない」企業は多いです。
それは、求める人材像(スキルや経験など)が曖昧で、比較検討しないと採用可否の判断ができないのが原因になっていることが多いです。
そのため、doda RecruitersのCSがお客様の求める人物像を明確にしてあげると、面談以降の後工程の歩留まりもより良くなるのです。
採用できない理由が前工程の返信率にあり、それはdoda Recruiters側の問題としてしまうのは簡単です。しかし、そのままでは抜本的な問題の解決になりません。
返信率に注目しすぎるのではなく、返信してきた求職者の中から採用者を選ぶためにはどうするのかというのをお客様と議論していくことが重要です。doda RecruitersのCSという立場を活かして、お客様の採用プロセスをより良いものに変えてもらいたいと思っています。
カジュアル面談の通過率を高めるには
そもそもダイレクトリクルーティングは転職潜在層を前提としているため、カジュアル面談を行っていないお客様や、カジュアル面談から面接へ繋がっていないお客様には、カジュアル面談のレクチャーから始めると良いでしょう。
カジュアル面談は、誰が面談をするのか、何を話すのかなど、気をつけるべきポイントがいくつもあります。
最初の注意点は、カジュアル面談の目的はあくまで「正式応募」してもらうためなので、志望動機を聞いてはいけないということです。志望動機は正式応募の後に聞くようにしましょう。
担当者に関しては、権限をもっている方がベストです。そして、自社の強みや社風を、熱意を込めて伝えられる方がよいでしょう。そして、面談中はこちらから一方的に求人票に書いてあることを説明するのではなく、ヒアリングをメインにしましょう。これはセールスと同様です。
カジュアル面談をした際に、「転職意欲が低かったから口説かなかった」とお客様から聞くことがあります。しかし、私の経験から、どのような方とカジュアル面談をしたとしても正式応募につなげることを目的にした方が良いと考えています。
すぐさま採用にはつながらないかもしれませんが、本当に採用したいと思った人を口説けなければ意味がないので、どのような方とカジュアル面談をしても正式応募につなげる努力はしましょう。補足として、カジュアル面談後の面接の日程調整は後日メールでするのではなく、今すぐというところを意識してほしいです。
カジュアル面談で目指すべきKPIを以下に示します。あくまで目安ということを押さえておいてください。
企業規模 | カジュアル面談▶︎一次面接 |
中小企業 | 50%(10人と面談すれば5人程度) |
大手・知名度の高いベンチャー | 70〜80%(10人と面談すれば7、8人程度) |
「採用手段」以外でのダイレクトリクルーティングの意義をお客様に持ってもらうべし
ダイレクトリクルーティングをお客様に利用してもらうためには採用決定以外の意義を持ってもらうことが重要です。
採用チャネルの中でダイレクトリクルーティングは導入したらすぐに採用成功が生まれやすい手法ではありません。つまり、採用人数を増やすという点では困難な手法といえます。そのため、ダイレクトリクルーティングの目的を採用決定だけにしてしまうと、なかなか継続しにくいという問題があります。
そこでダイレクトリクルーティングについて採用決定以外の意義を伝えることで、お客様に中長期的に利用してもらうことが可能になるわけです。
ダイレクトリクルーティングは、採用手法の中で唯一、企業が誰に、何を、いつ訴求するか全て選択できる手法です。
例えば、人材紹介の場合、登録者の転職意欲が確実に高く、希望条件のヒアリング、自社の紹介、候補者のナーチャリングまで全てお任せする形ですが、ダイレクトリクルーティングの場合、データベースから自由にアプローチできますが、中には転職意欲の低い人もいますし、自社で候補者の惹きつけまで全て行う必要があります。
これは、わかりやすく恋愛に例えるとナンパと結婚相談所の違いでもあります。ダイレクトリクルーティングはナンパと同じで、恋人(=転職先)が今すぐ欲しくない人もいる中から、いつ、誰に、どこで、どんな訴求をするのか自分で決められます。何人に声をかけて、何人とデートができたのか、どんなターゲットにどんな訴求が刺さるのか、結婚相談所(=人材紹介)ではブラックボックスですが、ナンパであれば数値での把握も可能です。
このように最初から最後まで企業側に選択肢が与えられているというのは、ダイレクトリクルーティングの難しさです。しかし、採用力のあるお客様には向いている採用手法とも言い換えることができます。
ダイレクトリクルーティングは転職意欲の低い人もいますし、惹きつけを含め企業側が最初から最後まですべて対応しなければならないので、採用力のない企業は決定に結びつきにくい手法です。しかし、ダイレクトリクルーティングで成功できるようになれば、他の採用手法も上手くいくと考えています。
ここまでの話を整理すると、ダイレクトリクルーティングは「健康診断ツール」と「採用トレーニング」の2つの意義があると言えるでしょう。
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ダイレクトリクルーティングを導入する意義①「健康診断ツール」
ダイレクトリクルーティングは、対象やターゲットに対して、「どのように企業が見られているのか」「どの程度興味を持ってもらえているのか」がわかります。
例えば、お客様が求める人材を年齢別にA層とB層に分けてスカウト文面を送った際の返信率を比べてみた際、仮にA層は5%でB層は7%の返信率が得られたとしたら、B層のほうのターゲットにはA層より訴求できているという分析結果が得られます。
このように、欲しい候補者からの反応を数値として把握できるのがダイレクトリクルーティングの意義といえるでしょう。
また、今はスカウトしただけで選考に応募するのではなく、インターネットで情報を調べた上で応募する人が増えているため、正しい情報を伝えなければなりません。そこで
「採用ブランディングしましょう」となると思うのですが、効果の有無がわからないというのが現状でしょう。そこで、ダイレクトリクルーティングを組み合わせること返信数などの数値で見て取れるという利点があります。
ダイレクトリクルーティングを導入する意義②「採用トレーニング」
ダイレクトリクルーティングを導入する意義の2つ目は採用トレーニングになるという点です。
ダイレクトリクルーティングは、いつ誰に何を訴求するのかすべて調整しなければなりませんし、転職意欲の高い人も低い人とも向き合わなければいけないなど自社でコントロールすることが多々あります。それゆえに採用力がないと上手くいかないので、採用のトレーニングとしては有効な採用手法と言えるでしょう。
実際に、人材紹介はうまくいかないけれど、ダイレクトリクルーティングは順調という話は聞きます。一方で、ダイレクトリクルーティングはうまくいかないが、人材紹介は順調ですという話は聞きません。
つまり、ダイレクトリクルーティングの手法を使いこなせれば、企業の採用力の強化になることは間違いないでしょう。また、全体的に見ても採用力の底上げになるので中長期的に見ても大きくプラスに働くであろうと考えています。
まとめ
ダイレクトリクルーティングにおいて、スカウトの返信率ばかりに着目したり、カジュアル面談などで惹きつけができなかったりすると、お客様がダイレクトリクルーティング自体をやめてしまうという状況に陥ってしまうでしょう。
だからこそ、以下2点を意識してお客様と接することが重要なのです。
スカウト返信後のプロセス介入と採用決定数にコミットする
採用決定以外のところで意義を持ってもらう
質疑応答
——VOLLECTがダイレクトリクルーティングの運用を担当する場合、後工程に関する話はどのタイミングでしますか?
1件でも返信が来たタイミングで候補者についての状況確認をしていますね。カジュアル面談したけれどその後上手くいかないという悩みをお客様が抱いていることが多いので、選考フローの改善やカジュアル面談の中身の見直しをご提案をします。
——書籍に、1名採用するにあたって必要な配信数は250~300と記載がありますが、他の媒体だとどうなのでしょうか?
他の媒体でも大きな違いはないと思っています。
返信率が高いサービスは、SNSチックなサービスに多く、転職意欲が低く「話だけ聞きたい」という理由で返信する方が多かったり、辞退の連絡を返信率に入れたりしている場合が多いため、結局採用に繋げるためには同じくらいの送信数になると考えています。ただ、面談まで持ち込めれば候補者に興味を持ってもらえる自信やスキルがある会社は、返信率の高い媒体を使うのも良いかもしれません。
——カジュアル面談を実施するべき企業とそうでない企業の違いはありますか?
カジュアル面談は基本的にどの企業もした方がよいと思っていますが、地方の中小企業などでカジュアル面談が全くわからない、というような企業であれば、書類選考免除という立て付けのもと、通常の一次面接から始めてもいいとは思いますね。
ダイレクトリクルーティング講演会が気になる方へ
700社以上のダイレクトリクルーティング支援実績を持つ株式会社VOLLECTでは、スカウトサービス運営企業様向けだけでなく、企業人事やマネジメント層向けの講演会など、ダイレクトリクルーティングに関するレクチャーの事例が複数ございます。
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投稿者プロフィール
- 株式会社VOLLECTにて採用コンサルタントとして従事。大手広告代理店のDXコンサルタント職や、大手IT企業でのエンジニア採用など、多数の採用支援実績を持つ。