採用代行と人材紹介の違いをわかりやすく解説!

採用活動を効率化し、企業の成長を支援する手段として注目されている「採用代行(RPO)」と「人材紹介」。
どちらも採用に関するサービスとして利用されますが、その内容や提供される価値、料金体系には大きな違いがあります。
本記事では、採用代行と人材紹介のそれぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。
目次
採用代行(RPO)と人材紹介の違い
採用代行は、採用活動全体または一部を外部に委託することで、業務負担を軽減するサービスである一方、人材紹介は、特定ポジションにマッチする人材を紹介するサービスです。
項目 | 採用代行(RPO) | 人材紹介 |
---|---|---|
サービス概要 | 採用業務全般を外部委託し、 効率化・品質向上を図るサービス |
登録された求職者の中から 適切な人材を紹介するサービス |
料金体系 | 月額固定型や従量課金型が主流 | 成功報酬型 |
費用相場 | 月額10万〜100万円 | 採用1名あたり年収の30〜40% |
特徴的な業務内容 | 採用計画立案、求人広告掲載、応募者対応、面接日程調整、内定者フォローなど | 応募者選定、推薦、面接日程調整、条件交渉など |
代表的な提供会社 | ネオキャリア、マンパワーグループなど | リクルート、パーソルキャリアなど |
採用代行(RPO)とは?
採用代行(Recruitment Process Outsourcing: RPO)は、企業が抱える採用業務の全体または一部を専門業者にアウトソースするサービスです。
主な業務内容
- 説明会の代行
- 求人票の作成、掲載
- 募集方法の選定
- 求人媒体選定・紹介会社選定
- 母集団形成
- 応募に対する窓口対応
- スカウト代行
- 書類選考
- 面接日時のリマインド連絡などの応募者管理
- 入社前研修などの内定者フォロー
社内のリソースをコアな業務に充てられる
採用業務は、年度ごとの新卒採用や事業拡大などにより、突発的にボリュームが増えることがあります。
このような一時的な負荷増に社内の限られた人材だけで対応しようとすると、他業務とのバランスが崩れ、生産性が落ちる可能性も否めません。
RPOを活用すれば、必要な期間だけ外部リソースを柔軟に活用できるため、人事は社内のメンバーにしかできない面接や候補者対応などの業務に集中できます。
採用プロフェッショナルの知見を活用できる
採用代行を手がけるRPO企業は、採用を専門領域とし、最新トレンドや他社事例を豊富に蓄積しています。
こうした外部の専門知見を取り入れることで、自社だけでは得られない視点やノウハウを採用活動に活かすことが可能になります。
関連記事:採用代行(RPO)のメリットとは?業務内容や相場について解説
デメリット
自社内にノウハウが蓄積されにくい
RPOでは、求人媒体の選定・スカウト送付・候補者対応・面接調整といった実務を外部に委託するため、社内の担当者が採用の現場に直接関与する機会が減ります。
その結果、採用活動の流れや成功・失敗の要因、候補者とのやり取りにおける細かなニュアンスなど、実践的なノウハウが社内に蓄積されにくくなります。
特に、新しいチャネルや手法(ダイレクトリクルーティング、動画面接、SNS採用など)をRPOに任せきりにしてしまうと、社内には“結果”だけが残り、“プロセス”に関する理解が深まりません。
この状態が続くと、将来的にRPOの契約を終了し、自社で採用を内製化しようとした際に、ノウハウや運用スキルが不足しており、採用活動が滞ったり、クオリティが低下したりするリスクが高まります。
こうした事態を防ぐには、RPO任せにするのではなく、社内担当者もプロセスの可視化や定期的な振り返りに参加し、業務を「一緒に運用していく」という意識を持つことが重要です。
また、RPOからのレポートや提案を“受け取るだけ”で終わらせず、背景や意図を積極的にヒアリングし、社内に知見を残していく姿勢が求められます。
コミュニケーションの工数が発生する
RPOは外部のパートナーと協力して採用活動を進めるため、業務の切り出しや指示の伝達、進捗確認など、一定のコミュニケーションが不可欠になります。
「お願いすればすべて自動的に進む」というわけではなく、採用方針や優先度の共有、選考状況に応じた判断など、細かな連携が継続的に求められます。
とくに、スピード感が求められる中途採用や、職種ごとに要件が異なるポジションの採用では、すれ違いや認識のズレが起きやすく、対応の遅れやミスマッチの原因になることもあります。
そのため、RPOを有効に機能させるには、任せきりにせず、社内側でも専任または準専任の担当者を置いて、定例のすり合わせミーティングやチャットでの情報共有など、密なコミュニケーション体制を整えることが重要です。
この“連携コスト”を見込んだうえで導入を検討しないと、「思ったより負担が減らない」という結果にもなりかねません。
人材紹介とは?
人材紹介は、企業の要件に合致した候補者を人材会社が紹介するサービスです
即戦力人材のピンポイント採用に最適で、ミドル〜ハイクラス人材の採用にも活用されています
主な業務内容
- 求職者データベースから候補者選定
- 候補者へのアプローチ・推薦
- 面接日程調整
- 条件交渉(年収など)
メリット
成功報酬型である
人材紹介サービスは「成功報酬型」が一般的であり、実際に候補者が入社するまで費用が発生しない仕組みです。
そのため、初期費用や掲載料などの固定費をかけずに採用活動を進めることが可能です。
企業にとって金銭的なリスクを抑えた柔軟な運用ができます。
条件のすり合わせ・交渉を代行してくれる
希望年収や入社時期、働き方(リモート可否など)といった条件面について、企業と候補者の間に立って調整してくれるため、双方にとって納得のいくマッチングが実現しやすくなります。
特に給与交渉など、企業側としては直接話しにくい内容も、第三者を介すことでスムーズに進みやすくなります。
要件にフィットする人材を紹介してもらえる
人材紹介会社は、すでに転職意欲のある求職者を多く抱えており、特定のスキルや経験を持つ即戦力人材を迅速に紹介してもらえる可能性があります。
デメリット
高額な成功報酬が発生する
年収の30〜35%程度の紹介手数料がかかることが一般的です。
エンジニアなど希少な職種の場合、40%を超えることもあり、他の採用手法を用いた方が安くなるケースもあります。
必ずしも人材を紹介してもらえるとは限らない
人材紹介は成功報酬型のサービスであるため、紹介会社にとって「成約しやすい求人」が優先される傾向があります。
そのため、自社の求人が他社に比べて条件面やブランド力で劣る場合、紹介会社が積極的に動いてくれなかったり、そもそも候補者を提案してもらえないこともあります。
特に、給与水準が相場より低い、勤務地や働き方に制約がある、ポジションの魅力が不明確といった求人は、候補者からの関心が得にくく、紹介側も後回しにしがちです。
採用代行と人材紹介はどちらがおすすめ?
採用代行(RPO)がおすすめのケース
- 母集団形成から選考管理まで一貫して外注したい
- 社内に採用の専任担当がいない
- 計画的・中長期的に複数名の採用を行いたい
- 採用活動の属人化を解消したい
人材紹介がおすすめのケース
- 採用したいポジションが明確で、かつ緊急性が高い
- 特定スキルや業界経験者をピンポイントで採用したい
- 採用予算に余裕があり、1名あたりの費用よりスピードを優先したい
ハイブリッド運用という選択肢
採用代行と人材紹介はそれぞれ異なる強みを持つ採用支援サービスです。
しかし、必ずしもどちらか一方を選ぶ必要はなく、「採用代行 × 人材紹介」という併用も有効な選択肢となり得ます。
例えば、採用代行にエージェントとのやり取り(面接の日程調整や合否連絡)をお願いして、人材紹介にはピンポイントで即戦力となる人材を紹介してもらうなどです。
このように、組み合わせることでコストを抑えつつ、質とスピードのバランスを保つことが可能です。
採用代行なら「PRO SCOUT」
「PRO SCOUT」は、企業の採用課題に合わせて柔軟に対応する採用代行サービスです。
「初めて外部委託を検討している」「採用業務が属人化している」といった課題を抱える企業にとって、信頼できるパートナーとなるはずです。
投稿者プロフィール

- 株式会社VOLLECTにて採用コンサルタントとして従事。大手広告代理店のDXコンサルタント職や、大手IT企業でのエンジニア採用など、多数の採用支援実績を持つ。
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