ダイレクトリクルーティングで1名採用した場合のコストは200万円を超える?

タイトルである「ダイレクトリクルーティング経由で採用した時のコストは平均200万円を超える」その理由は、ダイレクトリクルーティングの最大の問題点「応募からの決定率の低さ」が存在するからである。この課題を解決しない限り、ダイレクトリクルーティングが今以上に発展する事は無い。

弊社はスカウト代行に特化して、様々な会社、様々な職種、様々な媒体を使ってきた。弊社の今までのデータやノウハウを活用すれば、エージェント経由では全く紹介の無かったような求職者にたくさん会う事が出来る。
しかしながら、クライアントに対して「スカウト経由で応募があった人で採用決定しましたか?」と聞くと、最終的な採用決定に繋がっていないケースが多く散見されてきた。その多くは大企業である。

もちろんいつかは採用決定に繋がるだろうが、大手企業となると40〜50名の応募があってようやく1名採用決定するぐらいのイメージである。

つまり、1名決定するのに、40応募とし返信率を5%と置いたとしたら、必要なスカウト通数は800通。この場合の採用コストは下記である。

<ダイレクトリクルーティング経由での一人辺りの採用コスト>
・スカウト1通2000円×800通=160万円
・媒体利用費=数十万円
・800名にスカウトを送る人件費(正社員80時間分)=月給の1/2程度
※媒体によっては、この金額とは別に採用決定した求職者の理論年収の何%かを成功報酬として支払う必要がある

つまり、ダイレクトリクルーティングにおける1名あたりの採用コストは200万円以上
である。

もちろん媒体によっては多少金額が変動します。

こんなにコストと労力がかかるダイレクトリクルーティングを企業が実施するのは、「母集団形成さえ出来れば採用出来る」という幻想を持っているからだと思っている。市場に少ない求職者を対象にする難しい求人は、求人広告ではそもそも応募が来ないケースも多く、エージェントも注力したがらない。その結果、母集団形成がボトルネックになっていると考え、母集団形成の課題解決で最も一番最初に思いつくのはチャネルの拡大であり、その一つがダイレクトリクルーティングとなっているのだろう。ただ、母集団形成が出来ても、ダイレクトリクルーティングはすぐには採用決定に繋がらない。

もちろんスタートアップなどの場合だと、応募からの決定率はもう少し高いが、大企業の場合は選考フローの柔軟性が低く、ダイレクトリクルーティング経由だとしても、決められた選考フローを変えられず、ダイレクトリクルーティング用の選考フローを作る事が出来ない。
それでは、なぜ選考フローを変える必要があるのか??

<ダイレクトリクルーティング用の選考フローが必要な理由>
・転職潜在層為、転職の緊急性が低い候補者が多く、話を聞きたいだけの人も多い
・エージェントやリファラルのように仲介者が存在しない為、候補者アトラクトにおいて、企業の面接力が最も必要になる

つまり、ダイレクトリクルーティングは仲介者が存在しないので、企業の面接力が大きく影響してしまう。メルカリなどの用に面接力が強い会社にとっては問題ないかもしれないが、多く大企業がエージェント依存になっており、面接力が低いという自己認知を持てない。お金を多く持っている会社(特に大企業)に対してはエージェントは注力し、それによって採用決定している要素が大きいので、自己認知を持ちづらい。

このようなダイレクトリクルーティングならでは課題を解決する為に弊社が提唱している面接方法は下記である。

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<ダイレクトリクルーティング経由の面接フロー(役割別)>
応募から内定までの期間が3週間以上となると内定辞退率が下がる傾向が高い為、3週間を目安に選考フローを設計する事が重要。
まずは応募があってから、半日以内に応募者対応をする。

<人事>※0次〜1次面談
・カルチャーフィルター(カルチャーフィットしているか確認)
・アトラクト(会社全体の魅力・懸念払拭)※OPENWORK(元Vorkers)などで、自社に対してどんな懸念がありそうなのかチェック
・転職緊急性の促進(滅多に採用していないポジションである事など)

※人事は次回面談する面接官の為に、申し送り事項をまとめておく。
・どこを評価してスカウトを送ったのか
・応募者に送ったスカウト文面
・懸念になりそうなポイントと確認してほしいポイント

<現場>1〜2次面談
・スキル・経験フィルター(実際に活躍できそうか)
・アトラクト(その現場の魅力訴求)
・転職緊急性の促進(今転職すると、具体的にこんな案件に携わってもらえるなど)
・実際に候補者が受けている会社名(バイネーム)・選考フェーズ・スケジュール・選考中の企業の志望順位(とその理由)を確認

<経営陣>最終面談
・ミッション・ビジョン・バリューの共感度確認
・アトラクト(ミッション・ビジョン・バリューの説明)
・最終的な採用判断
・応募者の悩みをヒアリングし、現場に繋げるなど懸念を出来るだけ払拭する。

※内定通知は後出しが有利の為、志望順位が単独1位以外の場合は、他社の内定情報を元に、内定通知する事が重要。

特に、採用決定までのリードタイムが短いエンジニアなどの場合は、人事の役割を10〜15分程度の電話を行う。スカウトに返信があったタイミングで電話をかけるのがオススメ。時間は、お昼休みの12時頃か就業後の18時以降にする。

<応募後の電話でお伝えする事>
・応募の御礼
・評価している具体的なポイント
・面接日程調整
・次回面接で企業側からお話する事(「ざっくばらんに今までのご経験をお聞かせください」等)
・次回面接の面接官の特徴
・事前に懸念になりそうな事(次回面接の対策)

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応募からの決定率が上がれば、ダイレクトリクルーティングのコストは大きく下げる事が出来る。またダイレクトリクルーティングで面接力を鍛える事が出来れば、その面接力は他のチャネル経由でも活かす事が出来る。

更に、ダイレクトリクルーティングの一番の魅力は、1人の候補者から返信を一度貰えれば、以降永続的にその候補者を追いかける事が出来る。いわゆるタレントプールである。追いかけ続ける為のタレントプールツールを導入してみても良いでしょう。上記で800通スカウトを送り、返信率5%であれば、40名の候補者をプールに入れる事が出来る。その候補者を継続的にアプローチ出来れば採用決定率は更に高める事が出来るだろう。

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