【株式会社グロービス様】「人」で差別化するために、あえて多くの社員に会ってもらう。福田氏インタビュー

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今回HRpeidaでは、株式会社グロービスの法人部門でディレクターを務める福田氏にインタビューを行いました。
同法人部門では、責任者である福田氏を始めとした、現場のマネジメントクラスの方がカジュアル面談を担当しています。
そして、現場が採用にコミットするようになったのはダイレクトリクルーティングがきっかけだったと言います。
グロービス社のカジュアル面談における工夫をたくさん語っていただきましたので、カジュアル面談の運用にお悩みの人事の方は是非参考にしてください。

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お話を伺った方

株式会社グロービスコーポレート・ソリューション ディレクター
福田 亮様

グロービス 福田

ダイレクトリクルーティングを始めるにあたり、現場も採用にコミットするように

──自己紹介をお願いします。

大学卒業後、総合化学会社へ入社し、機能性素材の開発営業、クライアント企業との東南アジアにおける合弁事業の設立、新興企業の経営支援・人材育成に携わる会社設立・立ち上げました。
その後、グロービスへ入社し、法人研修部門ディレクターを務め、人材育成に関するコンサルティング、プログラムコーディネーター、講師など、企業内の人材育成全般に従事しております。

私はグロービスに2度入社しています。1度目は20代の時、自分自身の成長性や可能性を試すことができる環境であると感じたため入社しました。2度目は、起業に失敗してグロービスに戻る時です。自分が人の役に立てる仕事が人材育成の領域であることに気づき、もう一度自分を立て直したいという想いで再入社しました。

──福田さんは、人事部の所属ではないですが、元々採用に携われていたのですか?

元々、グロービスでは採用は人事部が行っていて、事業部はコミットしていませんでした。しかし、事業計画の都合上従来の1.5倍の人員を採用しなければならないタイミングがありました。
その手段の一つとしてダイレクトリクルーティングを取り入れる際に、事業部としても採用にコミットすることになり、私自身も携わるようになりました。

──ダイレクトリクルーティングを導入した理由を教えてください。

従来の1.5倍程度の人を採用するためには、当時利用していたエージェントからの紹介だけではカバーするのが難しいと考えたからです。ダイレクトリクルーティングを本格導入する前の弊社ではエージェントを中心に採用を進めていましたが、より多くの人数を採用するために、トレンドであるダイレクトリクルーティングやリファラル採用を取り入れようという流れになりました。

また、エージェント経由での採用では想定している人材が思うように出てこないこともあり、本当にグロービスの仕事に興味を持ってくれる人はどんな人であるのか疑問を持っていました。そのため、転職マーケットにはどのような人材がいて、どのような人がグロービスに対して関心を持ってくれるのか、ダイレクトリクルーティングを通して知ってみたかったというのもあります。
これらの理由から、エージェントで50%、ダイレクトリクルーティングとリファラル採用で50%を目標に設定し、動き始めることになりました。

PRO SCOUTは、運用だけでなくノウハウをもとにした助言をしてくれるサービス

──スカウトの配信について、最初から自社ではなく、アウトソーシングしようとしていましたか?

導入をする段階では、自社で運用しようと考えていましたが、検討を進めるうちに自社ではなく、アウトソーシングした方が良いという結論になりました。
多くの採用人数を確保するためには、単純に候補者となる方と面談できる数を増やすことが効率的と考えました。そのためにはスカウト数の送信を増やしていくことが効率的であると考え、自社に工数を抱えるよりアウトソーシングで対応していく流れになりました。

──VOLLECTのスカウト代行サービスPRO SCOUTを導入した感想はいかがでしょうか。

一言で言うと、安心して任せられるサービスだと思いました。面談時に、良い意味で商売っけもなくダイレクトリクルーティングでの採用を成功するために必要なポイントを率直に指摘してくれる点が、非常にありがたいと思っています。

例えば、面談のプロセスにフォロワーを入れた方が良いと指摘をしてくれたり、一つの媒体ではなく、グロービスに合った別媒体を案内してくれたりと、助言を積極的に取り入れた結果取り組みがうまくいくことがありました。
まとめると、PRO SCOUTはただスカウトを運用するだけでなく、私どもが無知である分野に、積極的に多くの情報を提供しつつ、一緒にパートナーとして伴走してくれる会社です。

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──福田様がカジュアル面談を担当されておりましたが、面談にあたり事前に何かを学習しましたか?

以前から面接官としての経験があったので、カジュアル面談を担当するにあたって改めて学習はしていませんでした。
私個人としては、面接での評価は完全ではないと思っているので、面接の段階で最低限押さえていくべくポイントを掴むことに注力しました。

グロービス 福田

──ダイレクトリクルーティングで入社されている方は、従来のエージェント経由で入社されている方と何か違いはありますか?

活躍度、定着度については特に大きな違いはありません。ただ、特にダイレクトリクルーティングが劣っているということでもないです。
先の話に戻りますが、面談時にはエージェント経由の方は、事前にエージェントと詳細を打ち合わせてきているので、面談時に何ができるか?何に関心があるか?という採用する側が知りたいポイントについては準備ができていて、面談しやすさはありました。

その一方で、ダイレクトリクルーティング経由の方は必ずしもエージェント経由の方のように事前準備が万全というわけでもないので、最初の方は面談にあたり難しさを感じました。そのため、既定の採用面接のような会話から外れて、その人が今まで何をしてきて、何を大事にしてきたか?といったそれぞれの方のストーリーから読み解くようにしていきましたね。

そんな背景もあって、ダイレクトリクルーティング経由で入社された方は、その人の入社までの過程を現場のメンバーが事前に知っている分、メンバーとしての受け入れやすさはあります。また、入社された方も事前に現場の方を知っているので、私を含めたメンバーへの印象も良く、入社後のオンボーディングはとてもしやすいです。

ダイレクトリクルーティングでは、面接官の役割分担を含めた選考プロセスの設計が大事

──ダイレクトリクルーティングを取り入れる中で難しかったポイントは何でしたか?

全体のプロセスをデザインすることに難しさを感じました。

従来のエージェント経由の採用であれば、面接が進めば進むほど候補者の方の関心や意向度は比例して上がっていきます。一方で、ダイレクトリクルーティング経由の方に、まずは会社や事業に興味を持ってもらう段階から、最終的に転職意向を醸成していかなければいけません。なかなか意向度が上がらないまま面接が進み、志望動機やグロービスへの興味を確認する最終面接で落ちてしまう方が出てきてしまうことに難しさがあると感じました。

そのため、採用のプロセス全体としてどのタイミングで誰に会ってもらい、どんな会話をしてもらうのかという役割分担を決めて進めていくことが重要だと感じました。
当社では、大きく「インパクター」と「サポーター」に役割分担しています。
インパクターは、「この人と一緒に働きたい」と思わせるような、自社を印象づける役割です。最初のカジュアル面談を担当してもらいますが、面接のように一方的に質問しないことを決めています。具体的には、候補者とざっくばらんに会話をしながらグロービスではどんなことをしていて、どんなことができるかをアピールするようにしました。

「インパクターとは、インパクト(=気づき)を与え、自社を印象づける役割です。インパクトとは、候補者がまだ知らない、自社に関する新たな視点を与え、「この人と一緒に働きたい」と思わせるような強い動機づけを行うこと。そのため、インパクターは社内で最も活躍している人や優秀な人に担ってもらうと効果的で、現場のトッププレーヤーやトップエンジニア、部長・役員クラスが適任です。(参照:https://bizreach.biz/media/8562/

サポーターは、選考に進む候補者に寄り添いながら何に困っているのか?何に悩んでいるのか?をヒアリングする役割です。
このように役割を決め、それぞれの役割を遂行していくことが重要だと考えています。
特にサポーターは工数がとても掛かることも含めて、非常に難しい役割を担うことになると思います。ただ、候補者の意向上げの観点からすると重要な役割であるのは間違いないので、しっかりと工数を確保して役割を果たしていくことが重要です。グロービスでは、サポーターの役割を担う人材として現体制では専門の1人を置いて、着実に候補者に対応できる体制を整えています。

また、先ほど工数の話が出てきましたが、採用に携わる人がそれぞれどれだけの工数を採用に充てていくか、事前に決めておくことも重要かと思います。候補者の意向上げには時間が掛かることもあるので、本業の仕事が滞らないようにすることが重要です。私は、現行の2割の工数を割くと決めて取り組んでいます。

「人で差別化する」のがグロービスの勝ちパターン

グロービス 福田

──ダイレクトリクルーティングを進める中で大事にしていることは何ですか?

なるべく多くの社員に会ってもらうことを大事にしています。

当社はスカウトの返信率はある程度高いので、返信してもらった後にどう内定受諾までのプロセスに持ち込めるかが重要だと考えています。経験を積む中で、「会ってもらう社員が増えれば増えるほど意向度が上がっていく」ことがグロービスの勝ちパターンとして見えてきています。一般的には、候補者に早く意思決定してもらうため、あるいは並行して受けている選考で他社に流れてしまわないように面談回数を減らし採用プロセスを短くすることが重要だとされていますが、グロービスはあえて逆張りの戦術で4、5名と面談してもらうことにしています。
その理由としては、一言で言えば「人で差別化したい」からです。

面談を担当する面接官には、自分の親しみやすさを候補者にアピールすることを特に意識してもらっています。具体例を挙げると、面談の冒頭で面接官自身の自己紹介を5分程度必ずしてもらっています。内容としては、社会人になってから今までの経歴を、過去の失敗まで含めて全て曝け出してもらうことを意識してもらいます。そうすると候補者の方は、面接官のパーソナルなことに対して関心を持って聞いてくれることが多いです。グロービスで働くことへのイメージが手触り感を持って伝わると考えています。
このような雰囲気で面談を進めると、終わった後候補者に充実感を持ってもらえることが多いです。候補者の方からすると「こんなざっくばらんに面談の場で話したことはない」というような印象になるのでしょう。

また、面談時に会社のアピールは基本的にはしないことも心掛けています。会社がどうこうというよりは、目の前に座って面談している人間がどんなことをしている人なのかということについて話します。

ただ強いて言えば、グロービスの組織文化のアピールはすることはあります。自己責任という前提を持ちながらも、従業員にとって自由活発な組織文化で、それぞれらしく働き、成果を残していく文化のことです。事実、こうした組織文化がグロービスの事業成長を支えてきたという背景もありますので、候補者にこういう環境下で働いてもらうことができるということをアピールするために話をします。ただ、こうした話に関しても候補者から質問が来ない限りはしていないです。やはり、一番重要なのは目の前にいる人間と人間がお互いに知り合うということで、こうした環境下で自分も成長しながら働きたいと思ってもらうことだと思っています。

さらに、一度カジュアル面談を担当した面接官はそこで役割終了ではありません。担当した候補者が最終面接を通過し、内定受諾をするかどうかで迷っている際は、オファー面談で再度お会いしてもらいます。

その際は、カジュアル面談時に話した内容を振り返りながら、入社への意向度を高めて、しっかりと入社までのクロージングをしていくという役割を担います。

今日はたくさんお話ができて楽しかったです。ありがとうございました。

ダイレクトリクルーティング運用に困ったら

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弊社、株式会社VOLLECTはダイレクトリクルーティングに特化した採用支援「PRO SCOUT」を行っています。
パナソニックやラクスルなど大手企業やメガベンチャーを中心に、さまざまな採用状況に合わせたご支援が可能です。
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投稿者プロフィール

中島 大志
中島 大志株式会社VOLLECT CEO
「ダイレクトリクルーティングの教科書」著者。日経トレンディや東洋経済への寄稿も果たす。新卒でパーソルキャリア株式会社にてクライアントに対して採用コンサルティングに従事。その後、外資系コンサル企業の採用支援をする中でダイレクトリクルーティングの魅力に気づき株式会社VOLLECTを創業。スカウト採用支援実績は500社超。