【企業向け】カジュアル面談で使える質問例を中途と新卒に分けて紹介

「カジュアル面談で何を話せば良いかわからない」
「普通の面接と何が違うの?」
と悩む採用担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
近年、スカウト採用の最初の接点としてカジュアル面談を取り入れる企業が増加している一方で、慣れない手法ゆえに戸惑う企業も少なくないようです。
本記事では、企業側がよりスムーズにカジュアル面談を行えるよう、今すぐ使えるカジュアル面談の質問例を紹介します。

目次
カジュアル面談と通常の面接の違いについて
まずはじめに、カジュアル面談を行う目的について知っておきましょう。
カジュアル面談とは、企業と候補者が選考に関係なく気軽にお互いを知ることのできる場として設定されるイベントのことです。
世間話や何気ない雑談の中で、企業側は自社の魅力をアピールし、候補者は企業や仕事内容について理解を深める場となります。
カジュアル面談 | 面接 | |
目的 | 候補者から正式応募を獲得するため | 合否の判断 |
誰が話すか | 企業側が大半 (候補者が求めるものに対して企業が情報提供をする) |
候補者が大半 |
選考要素 | なし | あり |
候補者側の気持ち | 話を聞いてから選考に進むか考えたい | この選考を通過したい |
近年、企業側からスカウトを送るダイレクトリクルーティングが主流となってきており、カジュアル面談が行われることも多くなってきています。
本選考とは異なるカジュアルな接触機会を作り、いかに自社への志望度を高められるかが採用成功の鍵となるのです。

【新卒・中途別】カジュアル面談での質問例
新卒のカジュアル面談で使える質問例
新卒の方を相手にする場合は、あまり突っ込んだ内容というよりは、就職活動の全体像について聞くと良いでしょう。
例としては下記のような質問になります。
- カジュアル面談に参加したことはありますか?
- 弊社の面談に来ていただいたきっかけはありますか?
- 就職活動を始めた時期を教えてください
- インターンには行きましたか?何社行きましたか?
- 気になっている業界はありますか?→その理由を教えてください
- 他にチェックしている企業はありますか?
- 社会人になって、やってみたいことを教えてください
- どんな社会人になりたいですか?
中途のカジュアル面談で使える質問例
中途採用の場合は、カジュアルとはいえ少し解像度を上げた質問をしてみるのがおすすめです。
話しやすい雰囲気を作り、直接的な質問をせずとも転職を検討し始めた理由や、今後の企業選びの軸などを話してもらえるようにできるのが理想です。
序盤〜中盤の質問例
- なぜ今回カジュアル面談に参加しようと思っていただけたのですか?
- 本日の面談で特に知りたいことがあれば教えてください。業務内容、社風、福利厚生などなんでも構いません。
- 他にどのような業界・企業を見ていますか?
- 企業選びで重視することは何ですか?
終盤の質問例
- 最後に聞き損ねたことはございませんか?
- 今後の選考プロセスは〜〜〜〜になっております。◯◯様にはぜひ、本選考に進んでいただきたいのですが、いかがなさいますか?
▶︎選考に進む意思確認が取れた場合
できるだけその場で日程調整をするのがベスト
▶︎検討しますと言われた場合
どのあたりに懸念をお持ちでしょうか?
いつ頃までにご検討いただけますでしょうか? / いつ頃、再度ご連絡してもよろしいでしょうか?
心から採用したい候補者の場合、懸念点に合わせて再度カジュアル面談を提案するのも手
カジュアル面談でのNG質問例
“カジュアル”と名前がついていますが、企業側も参加者も弁えるべき礼節はきちんとしておかなければなりません。
特にカジュアルだからといって、本来聞くべきでない質問をしてしまうのはありがちなことなので、どういった質問がNGに当たるのか押さえておきましょう。
- 結婚や出産の予定はありますか?
- 最近の家族の状況はどうですか?
- 前職の給与はいくらでしたか?
- 宗教や信仰について教えてください。
- どの企業に応募していますか?
- 健康状態に問題はありませんか?
上記からもわかるとおり、通常の面接で聞かない方が良いことは、もちろんカジュアル面談でも聞くべきではありません。
また、絶対にNGというわけではありませんが、カジュアルを謳っている以上は「当社への志望動機を教えてください」といった通常の面接でよく聞かれるテンプレート的な質問も面接感が出てしまうので避けるべきでしょう。
もし聞きたいのであれば、「もし差し支えなければ、どういった経緯でこの面談に参加することになったのかお聞きしてもいいですか?」など違う言い方に変えましょう。

面接風になりにくいカジュアル面談での質問のしかた
カジュアル面談は面接とは異なり、企業側から候補者に対して質問攻めをするのはNGです。候補者の疑問を解消することがメインになります。
しかし、企業側の本音としてカジュアル面談で経歴や転職理由を聞き出したいこともあるでしょう。
ここでは、面接のように硬い雰囲気にならずに、知りたいことを聞き出せる質問方法を紹介します。
経歴に関する質問
面接と同様に「経験を教えてください」「どんな実績を出しましたか?」などと聞いてしまうと、緊張した雰囲気になってしまいます。
そこで、スカウトサービスのプロフィールや職務経歴がある場合は、その内容を元に「〜〜をされてきたんですね」と内容を確かめる形で深掘りしましょう。
もし経歴が手元にない場合は、「今後こんなことをやっていきたい、といったご希望はありますか?」と聞いてみましょう。
この質問をすれば、「これまでは〜〜をしていて、〜〜に面白みを感じたので、今後は〜〜に力を入れたい」など、候補者自ら経験を話してくれることが多いです。
もし、経験を話してくれない場合、「ちなみに、今まではどんなことされてたんですか?」と追加で聞いても問題ありません。
また、「(募集ポジションで想定される業務内容)への興味はいかがですか?」と聞くと、「〜〜はやったことないですが、興味はあります」「〜〜は経験があるので、力になれると思います」等、経験を聞き出すことができます。
◼︎経歴に関する質問例
・(職務経歴などを見ながら)「〜〜をされてきたんですね」と内容を確かめる
・今後こんなことをやっていきたい、といったご希望はありますか?
・(募集ポジションで想定される業務内容)への興味はいかがですか?
就職・転職活動の状況に関する質問
転職意欲や活動状況については、カジュアル面談で聞いても問題ありません。
さらに、他に見ている企業を聞くことで、採用競合に負けない自社の魅力を伝えることができたり、他社選考の進捗に合わせて選考フローの戦略を立てられたりとメリットは多いです。
面談の前半で聞くことをおすすめします。
◼︎就職・転職活動の状況に関する質問例
「転職活動はされてますか?」
「こういったカジュアル面談に参加されたことはありますか?」
▶ある:弊社は●●のサービスを提供している会社ですが、他にお話されているのはどんな会社ですか? これまでの中で印象深い面談・会社はありますか?
▶ない:(緊張をほぐす)選考要素はないので、気になることは率直に聞いてくださいね! ちなみに、今回スカウト返信いただけたのはどうしてですか?
就職・転職活動の軸に関する質問
いきなり「転職の軸をいくつか教えてください」などと聞くのはNGです。
そこで、「企業を選ぶ際は、どのような点を重視していますか?」「仕事内容や福利厚生など何でも構いませんので、弊社の求人に興味を持った点はございますか?」「次の会社に期待することは何ですか?」などと聞いてみましょう。
例えば自社が「挑戦意欲、部下を引っ張っていく力」を期待するのに対して、候補者が「働きやすさ」にのみ言及する場合はマッチ度が低い可能性があります。
◼︎就職・転職活動の軸に関する質問例
・企業を選ぶ際は、どのような点を重視していますか?
・仕事内容や福利厚生など、何でも構いませんので、弊社の求人に興味を持った点はございますか?
・次の会社に期待することは何ですか?
転職理由に関する質問※中途の場合
「なぜ転職を考えているのですか?」と直接的に聞くのは避けましょう。
そもそもカジュアル面談に参加する候補者は100%転職すると決めていない場合もあり、転職理由はネガティブな理由であることも多く、直接的に聞いても本音を話してもらえる可能性は低いです。
そのため、「弊社の面談に参加していただいたきっかけはありますか?」と聞いてみることをおすすめします。
また、「現在のお仕事でモヤモヤしている点や課題はありますか?」と質問すると、「残業が多くて家族との時間が取れない」「成果を正当に評価してくれない」などと本音の転職理由を話してくれる可能性があります。
◼︎転職理由に関する質問例
・弊社の面談に参加していただいたきっかけはありますか?
・現在のお仕事で、モヤモヤしている点や課題はありますか?

カジュアル面談で重要な事前準備
事前に資料を作成・配布
- 会社概要
- 事業内容
- 職種紹介
- カジュアル面談の目的
など、候補者に知ってほしい情報をまとめた資料を作成しておくと面談がスムーズに進みます。
また、面談前に資料を送付することで面談時間の有効活用にもつながります。
なお、資料は一方的に情報を伝えるためではなく双方向のコミュニケーションを促進するためのツールです。相手があまり話が得意そうなタイプではない場合、資料の内容を切り口に会話を進めていくのも良いでしょう。
質問内容をまとめる
事前に質問内容をまとめておくことで、面談中に聞き漏らしを防ぎ、スムーズに進行することができます。
ただ、カジュアル面談は会話ベースを心がけるべきです。絶対に聞く質問は最低限にしておきましょう。
担当する社員の選定
候補者との相性を考えて、担当する社員を選びしましょう。
選ぶ基準は3点あります。
- 人を惹きつけられる
候補者にとって話しやすい雰囲気を作るために、明るく親しみやすい社員であることはもちろん、人を惹きつけられる力がある人を選びます。 - 候補者と同じ専門領域の知識を持っている
エンジニアなど専門職の場合は、候補者と同じ専門領域の知識を持っている社員だと、候補者からの疑問にその場で答えることができ、理解が深まります。 - 裁量権を持っている
面談していて異なるポジションでの採用が適していると判断した際に、そのポジションでの選考を勧められたり、別の担当者との面談をセッティングする権限を持てるからです。
また、最初から役職が高い人が出てくることで、「自分のことを真剣に考えてくれている」と候補者に良い印象を与えることができるでしょう。
カジュアル面談の進め方
アイスブレイク・自己紹介
カジュアル面談は自己紹介から始めましょう。これに関しては通常の面談と同様です。
自己紹介には⾃分の新卒からの職歴や入社理由を入れ、“会社対個人”ではなく、“個人対個人”という関係性を作りましょう。
趣味など、仕事以外の項目を取り入れることで場が和みやすくなったり、意外な接点が生まれることもあります。
合否には直結しないことを伝える
カジュアル面談は選考とは関係ないことをあらかじめ伝えておくことようにしましょう。
選考に関わっているとなると、本当に聞きたい候補者の本音を引き出しづらくなってしまいます。
候補者のニーズに合わせた自社アピール
HPや求人票に書いてあるような内容をつらつらと話すのではなく、求職者のニーズや他社の選考状況を踏まえて、自社の強みや働き方などをアピールしましょう。
資料や事例などを活用すると効果的にアピールできます。
具体的には、候補者の希望のキャリアプランを聞き出した上で、「弊社の○○というポジションなら働きながら△△の資格を取得できて□□になった社員も多くいますよ」など実例と絡めると良いでしょう。
候補者からの逆質問には嘘なく答える
候補者からの質問には丁寧に答えるようにしましょう。企業の雰囲気や仕事内容などを具体的に伝えることで、候補者の興味関心を高めることができます。
もし、専門領域の質問などで答えられない場合は無理に回答しようとせず、「現場担当に確認し、後日メールにてご連絡します」「1次面接で現場の者に聞いてください」などと伝えましょう。
わからないことや答えられないことをはぐらかさず、「わかりません」「それはお答えできません」と伝えることもひとつの誠実さです。
本選考に進むかどうか意思確認する
ぜひ選考に進んで欲しい旨を伝え、どのようなスケジュールで選考に進んでもらうかの認識を合わせます。「もう少し検討します」「考えさせてください」と言われた場合は、必ず後日連絡して迷惑にならないタイミングを確認します。
「ご興味があればまた連絡してください」「後日今後についてメールします」で終わらせず、本選考に進むかどうか、その場で必ず意思確認をとりましょう。
企業によっては本選考への移行率を面談担当者ごとに可視化している企業もあるほど、「本選考に繋がるカジュアル面談ができたか」は重要視されているのです。

カジュアル面談で聞かれやすい逆質問
通常の面接と同様に、カジュアル面談でも参加者の多くは逆質問を用意してくるものです。
ここでは、実際にカジュアル面談で聞かれることの多い逆質問を紹介します。
- 御社で働く上で、大切にしている価値観や文化は何ですか?
- チームや部署の雰囲気について教えていただけますか?
- 現在、このポジションで活躍している方の特徴を教えてください。
- 御社で働く中で、一番やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
- これから新しく入社するメンバーに期待されることは何ですか?
- 御社が今直面している課題や、今後解決したい課題について教えてください。
- この業界や御社特有の習慣や働き方について教えていただけますか?
- 本選考に進む場合に、何か学んでおくべきことはありますか?
いくら“カジュアル”面談とはいえ、参加者は選考の一環として臨んできます。そのため業務の詳細な内容までは聞かれないこともありますが、通常の面接の逆質問で聞かれるのと同じような内容も多く含まれます。
個人に向けられた質問であれば自由に回答するべきでしょうが、企業に向けられた質問に対しては認識をすり合わせておき、矛盾が生じないように回答を用意しておきましょう。
カジュアル面談で気を付けるべきポイント
面接っぽくならないようにする
難しいところですが、カジュアル面談は選考の一環ではあっても通常の面接とは違うということを意識しましょう。
堅苦しい雰囲気にならないように、候補者にリラックスして臨んでもらえる環境を作ることが大切です。
リアルな情報を伝える
企業の良い面だけでなく、自社の課題も含めリアルを伝えるようにしましょう。
「こういう状況で困っているから、あなたのようなご経験をお持ちの方を求めています!」としっかり説明すれば説得力が増します。
また、入社後に「面接で言っていたことと違った」というのは早期離職の理由の中で非常に多くを占めます。良い面だけを見せようと取り繕っても早期離職につながるだけなのでやめましょう。
自社のアピールに熱を入れすぎない
自社のアピールばかりするのではなく、応募者との会話を楽しむことを第一に考えましょう。
普通に世間話をする一環で、相手の情報を聞き出したり自社の情報を提供したりが時折挟まるイメージです。
一方的に話し続けるのではなく、質問を投げかけたり、共感を示したりして、双方向のコミュニケーションを図ることが大切です。
本選考に至らなくても接点を持っておく
転職の意向が全くないのであれば、わざわざカジュアル面談には来ないでしょう。
その場では本選考に至らなくとも、魅力的な候補者であると感じたのであれば、相手が本格的に動き出すタイミングまで細々と関係を保っておくというのも一つの手段です。
別の現場担当者と面談しないか誘い、次回の面談につなげるのも良いでしょう。
とはいえ最近は「断っているのに○○社から執拗に誘いを受けた」などとSNSで拡散され、会社の評判悪化につながるケースもあるので注意が必要です。
カジュアル面談から採用を成功させた事例
当社のサービスをご利用されたお客様が、どのようにカジュアル面談を進めているのか、一部の事例を紹介します。
パーソルキャリア様
エンジニアの面談では、技術に明るいリードエンジニアと、エンジニアのキャリア形成に明るいエンジニアマネジャーの2名で実施し、さまざまな角度から候補者の方からの質問に回答できるようにしています。
また、自社をアピールするだけではなく、候補者がキャリアに悩んでいる場合にはキャリア構築について提案するなど、カウンセリング的な面談を行うこともあります。
医師のとも様
経歴が非常にマッチする候補者には最初から代表が出て、事業に込めた熱い想いを直接伝えるようにしています。
カジュアル面談から代表と話ができることは候補者にとってはサプライズとなっており、代表の気さくな人柄も相まってプラスに働くことが多いようです。
ランスタッド様
カジュアル面談の基本は、会社の自己紹介だと思って臨んでいます。候補者が本当に聞きたい内容を聞けるチャンスなので、面接前や入社前にあるストレスや不安を払拭してあげることを目的としており、あくまでフラットに「何でも聞いてください」という形で、傾聴に重点を置いています。
スカウト経由の方に入社の理由を伺った際に、「カジュアル面談でこの会社が一番丁寧に説明してくれたから」と言われたことも。
カジュアル面談でよく聞かれる内容は「開発環境について」「開発スケジュール」など決まっています。質問が多い内容については、あらかじめエンジニアに確認しておき、エンジニアから教えてもらったことをそのままお伝えして誤解を招かないように気を付けています。
参照:ウェビナーレポート
グロービス様
相手に関する質問は基本的にせず、候補者側からの質問に答える形式で進めています。最後に感想を聞くと、「初めてこんなにざっくばらんに話せました」と言われることが多いようです。
カジュアル面談を行わないと候補者側も面接への準備が全くできていない状態になり、面接の通過率がかなり落ちることがわかりました。
参照:ウェビナーレポート
採用でお困りならPRO SCOUT
「PRO SCOUT」では、800社以上の実績をもとにダイレクトリクルーティングを中心とした採用ご支援が可能です。
エンジニア採用案件には元エンジニアが担当するなど、各領域のプロフェッショナルが業界のトレンドを把握しながら他社事例をもとに採用をご支援します。ISMS認証を取得しており、セキュリティ面も安心。
スカウトを送る時間が割けない、スカウトで採用決定を出したい、などのご希望がありましたら、ぜひ下記より詳細をご覧ください。
まとめ
本記事ではカジュアル面談で使える質問例や進め方などについて紹介しました。
「カジュアル面談は選考とは直結していないのでご安心ください!」とアピールしていても、参加者からするとやはり緊張するものです。
どのような質問をするかももちろん重要ですが、企業側は参加者がリラックスして臨み、本音で話せるような環境を提供することが最も大切です。
ぜひ本記事を活用してカジュアル面談を成功に導いてください。
投稿者プロフィール

- 株式会社VOLLECTにて採用コンサルタントとして従事。大手広告代理店のDXコンサルタント職や、大手IT企業でのエンジニア採用など、多数の採用支援実績を持つ。
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