ベンチャー・スタートアップの採用にダイレクトリクルーティングは効果的?難しい?返信率アップや工数削減のコツも紹介!
市場での知名度が無い中で、社内はマネジメントが整っておらず、一定自走できる人材を採用しなければいけないフェーズでの採用は困難を極めます。
本記事では、採用が難しいシード〜アーリーフェーズのスタートアップやベンチャーにフォーカスし、ダイレクトリクルーティングとの付き合い方を解説させて頂きます。
ダイレクトリクルーティングとは何か知りたい方はこちらのページを先にお読みください。
※読者によってイメージが異なってしまうことを回避するべく、本記事におけるスタートアップ・ベンチャーとは、従業員数30名以下の創業期〜成長期における企業と定義して解説させて頂きます。
目次
ベンチャー・スタートアップがダイレクトリクルーティングで勝つためのポイント
上述した通り、ベンチャー・スタートアップにとって採用が難しい理由は、市場での知名度が無い中で市場価値の高い自走型の人材を採用しなければならないことです。言葉を選ばずに言えば、人気のない会社が人気のある人を採用するということです。
さらに、採用コストも限定的であるため様々な採用手法を試すわけにもいかず、採用業務だけを担当できる人員を配置することもできないので、採用業務に工数を割けません。
- 会社の知名度・人気がない
- 人気の高い人材を採用しなければならない
- 採用コストが掛けられない
- 工数が割けられない
と採用においての四重苦を抱えているのです。
しかし、ベンチャー・スタートアップだからこその強みもあります。それは「採用活動における柔軟性」・「強力な定性的魅力」です。
一つずつ見ていきましょう。
採用活動における柔軟性
一つ目の「採用活動における柔軟性」についてです。
採用活動を行う中では、様々な候補者と面接することになりますが、候補者の希望は一人ひとり異なります。選考プロセスにおいていえば、自社で一次面接した候補者が既に他社で内定を獲得していて、今週中には自社としても最終判断をしなければならない場合でも、すぐに最終決裁者である社長を面接にアサインするなど柔軟に対応しやすいです。
また、候補者の年収面でも、他社の提示年収に合わせて提示年収を調整することも難しくありません。規模が大きい会社だと組織のバランスをとる必要があるため、候補者の希望年収に合わせた年収提示をすることは容易ではありません。しかし、ベンチャーやスタートアップであれば、その一人の候補者にとって最適な条件でオファーを出せるのは大きな強みでしょう。(現実的にスタートアップが提示できる年収金額が、大手やメガベンチャーに負けてしまうことは多いですが、候補者に合わせて柔軟に対応できるという点に関して言及しています。)
強力な定性的魅力
二つ目は「強力な定性的魅力」です。定性の対義語に定量という言葉がありますが、会社における定量的な魅力とは会社の規模や、取引社数、従業員数、年収などデジタルに判断できるもののことで、大企業やメガベンチャーはこの内容で他社を凌駕します。
一方で、ベンチャー・スタートアップはこの定量情報で他社を凌駕するような魅力になるものはほとんど無く、定性情報によって他社を凌駕します。
この定性的魅力には、「会社としてのビジョンやミッション」「チームメンバーの想い」「裁量権や働き方の自由度」など、デジタルには判断できず人によって捉え方に違いが生まれる情報のことを指します。実際に優秀な人材を多く抱えているベンチャー・スタートアップは、この定性的魅力に溢れているはずです。
以上のベンチャー・スタートアップにおける採用の課題と、スタートアップだからこその採用の強みを理解した上で採用戦略を立てていくことが不可欠です。また、ダイレクトリクルーティングにおいてもこれらの特徴を踏まえた取組みが大事です。
ベンチャー・スタートアップにダイレクトリクルーティングをおすすめする理由
それでは、ベンチャー・スタートアップにダイレクトリクルーティングをオススメする理由は何でしょう。
採用手法は大きく4つに分類されます。
▼参照
最もフィットするのはリファラル採用とも捉えられますが、リファラル採用と並行しながらダイレクトリクルーティングを導入するのがオススメです。
リファラル採用は、自社社員の知り合いなどに対象になる候補がいれば良いですが、いなければ橋にも棒にもかからないからです。
この図を見た時に、採用コストをかけずに質の高い人材を採用するにはダイレクトリクルーティングというのが分かります。弱点としては、候補者の数と実施するための工数です。候補者の数に関して言えば、ベンチャー・スタートアップは大手と比較すると、大量に採用する訳ではないためこの弱点がクリティカルとは言えません。
またダイレクトリクルーティングの弱点としては、実施するための工数が多く発生するということが挙げられます。しかし、この弱点も工夫すれば大きなネックにはなりません。その点に関して次のテーマで解説します。
ベンチャー・スタートアップがダイレクトリクルーティングで発生する工数を軽減する方法
そもそもダイレクトリクルーティングを導入した時の工数とは、ずばり「スカウト配信業務」です。
知名度が無いスタートアップが興味を持ってもらうためには、他社と差別化されたスカウト文面が必要です。差別化するために、スカウトメールを候補者の経験やスキル・志向性に合わせたカスタマイズして配信するのですが、ここに膨大な時間が発生します。具体的には100通送るには7〜16時間の時間を要します。
※下記記事内の「ダイレクトリクルーティング業務に必要な具体的な時間」を参照
この時間を減らすために、スカウト代行会社にアウトソースするのは一つですが、採用コストが有限のベンチャーやスタートアップにとっては難しいと感じる方もいらっしゃるでしょう。個人のフリーランスや副業の方にアウトソースすればよりコストも削減できますが、ダイレクトリクルーティングを専門でやっている人に出会うのは大変です。
その中で、まずやるべきことは、スカウト返信後から内定受諾までのプロセスを最適化することです。
1名採用するまでプロセスを紐解くと、1名採用には、2名にオファーし、2名オファーするには4名最終面接を実施し、4名最終面接するには、10名一次面接しなければ……といった具合になります。100名面接してようやく1名採用できるようなプロセスにしていれば、100名面接するために必要なスカウトメールが必要になります。
一般的なスカウト返信率が5%とすれば、2000通のスカウト配信が必要で、100通7時間とすれば、140時間!とスカウトを送るだけでひと月が終わってしまうでしょう。
しかし、スカウト返信が2名でも、その2名に内定を出せれば1名は入社してくれます。つまり欲しい人材像を明確にし、その人材像に重なる候補者だけをピンポイントにスカウトし、返信が返ってきた少人数から採用に繋げるのです。
大きい会社と違い社員が少ないため、欲しい人物像をみんなで合致させることもできるのもベンチャーやスタートアップの強みです。それゆえに、欲しい人物像の解像度を高めてから、ダイレクトリクルーティングを導入すれば、弱点である工数も乗り越えられるのです。上述した「強力な定性的魅力」を活用することで選考プロセスに乗った候補者を口説くことも可能です。
▼スカウト代行をお考えの方はこちら
ベンチャー・スタートアップがスカウト返信率を高めるには
一方で、「そもそも返信が全く来なかったらどうすればよいのか」と考えられる人もいるでしょう。ここでは、スタートアップがスカウト返信率を高める方法を伝授したいと思います。
上段にて、ベンチャー・スタートアップは、「会社の知名度・人気がない」「人気の高い人材を採用しなければならない」の課題があるとお伝えしました。この構図では、欲しいと思っている人材からそもそもスカウト返信すら来ない可能性もあります。
ベンチャー・スタートアップに限らず、スカウト返信率を高める方法に関する記事は下記を参照してください。
その中でも、スタートアップがスカウト返信率を高めるために注力するのは、候補者の希望を叶えてあげられることを文面で言及することです。
求職者は、様々な希望を持って転職活動を行っています。大企業やメガベンチャーでは候補者毎の希望を叶える難易度が高いため、スタートアップとしてはこの弱点を突くことが大切です。代表がスカウトを送るのであれば、特に柔軟に希望を叶えられることを訴求できるでしょう。
スカウト候補者毎に文面をカスタマイズして送ることで、スカウト返信率を高めることができるでしょう。
また、ベンチャー・スタートアップには「強力な定性的魅力」があると上述しましたが、この定性的魅力をスカウト文面で伝えるためにも、代表インタビューやチームの雰囲気などが伝わる記事のURLを挿れるのもオススメです。
ベンチャー・スタートアップにおすすめのダイレクトリクルーティング媒体3選
ダイレクトリクルーティングを始めるにあたり、どの媒体を導入するべきなのかを検討しなければいけません。今回はスタートアップにおすすめのダイレクトリクルーティング媒体、スカウトツールを3つご紹介します。
① Wantedly
- ベンチャーやスタートアップが最も導入しているツールで、スタートアップへの転職をするために登録している人が多いのが特徴
- 月額3〜4万円程度で導入できる(スカウトは1通2500円程度)
- 候補者のプロフィールに「今後やりたいこと」の記載があるため、スタートアップにとっては魅力的なカスタマイズしたスカウト文面で送ることが出来る
- インタビューなどのストーリー記事を無制限に作成できるため定性情報を伝えやすい
- スカウトを送らずとも、自社の掲載した募集に直接応募がくることも多い
② Green
- 導入時に60万円程度で導入すれば半永久的に利用でき、スカウトも毎月400通付与される。
- Wantedly同様にインタビューなどのストーリー記事を無制限に作成できるため定性情報を伝えやすい
- 「スカウト希望条件への回答」という項目が準備されているため、スタートアップでも可能な差別化スカウトが可能。
③ BIZREACH
- ベンチャーやスタートアップでもCXOクラスを採用したい時に有効なツールの一つ
- 市場価値の高い人材が最も多く登録されているツール
まとめ
今回は、ベンチャーやスタートアップがダイレクトリクルーティングを始めるにあたり、把握して頂きたいことを網羅的に解説しました。我々もスタートアップの1社ですが、社員の8割がWantedly経由で採用した人です。弊社のようなダイレクトリクルーティング、しいてはリクルーティングに知見を持たないスタートアップも採用成功できる方法を知っていただければと思っています。
一見、採用マーケットにおいて不利に見えるベンチャーやスタートアップもダイレクトリクルーティングを活用することで、採用活動に活路を見出すことも出来るでしょう。
スタートアップの経営者の方や採用に従事する方で、ダイレクトリクルーティングに関してご質問あればお気軽にお問合せください。
弊社サービスを導入せずとも、採用できる方法等をアドバイスできるかもしれません。
ダイレクトリクルーティング運用に困ったら
弊社、株式会社VOLLECTはダイレクトリクルーティングに特化した採用支援「PRO SCOUT」を行っています。
パナソニックやラクスルなど大手企業やメガベンチャーを中心に、さまざまな採用状況に合わせたご支援が可能です。
「マンパワーが足りない」「媒体を上手く活用できていない」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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投稿者プロフィール
- 「ダイレクトリクルーティングの教科書」著者。日経トレンディや東洋経済への寄稿も果たす。新卒でパーソルキャリア株式会社にてクライアントに対して採用コンサルティングに従事。その後、外資系コンサル企業の採用支援をする中でダイレクトリクルーティングの魅力に気づき株式会社VOLLECTを創業。スカウト採用支援実績は500社超。