スカウト業務は外注すべき?内製化すべき?外注した場合に成果を最大化させるための方法も紹介
スカウト業務は、候補者の選定から一人一人に合わせたカスタマイズまで、非常に時間がかかりますよね。そんな時、スカウト業務を外注しようかと考えたことはございませんか?
本記事では、スカウト業務を外注すべきか、内製化すべきかの他、外注する際におすすめのポジションや、自社でやらなくてはならない部分を紹介します。
目次
スカウト配信業務をアウトソース(RPO)するメリットとデメリット
ダイレクトリクルーティングにおけるスカウト業務をアウトソースするメリットとデメリットを紹介します。
一般的にスカウト業務をスカウト代行会社にアウトソースすることで、全体のコストは上がり工数を削減できますが、具体的にそのメリット・デメリットを把握した上で、自社の方針や目的を実現する上で、アウトソースするかどうかの判断する際の参考にしてください。
アウトソースするメリット
- ノンコア業務をアウトソースすることで社員をコア業務に配置できる
- 人の入れ替わりの際に再教育の必要がない
- スカウト業務の経験豊富な人材を確保する手間が省ける
- 外部の知見や技術を活用できる為、自社にスカウトノウハウがなくても一定の成果を生み出すことができる
- 人件費や採用費、PC やその他経費など費用を節約できる
- 必要な時だけお願いできる
アウトソースするデメリット
- コストがかかる
- 意図を理解してもらえない場合があり、小回りが効きにくい
- 一般的には人件費よりも、コストが上がってしまう
- 依頼前にアウトソース先のレベル感が読みづらく、外注先の選定が難しい
- 自社にノウハウが残りにくい
ダイレクトリクルーティングを導入する上でアウトソースすべき業務と内製化すべき業務
ダイレクトリクルーティングに伴う業務には下記のような業務が存在します。
端的にいえば、「全体の計画→母集団形成→面接→オファー」で構成されていますが、後工程は自社で担い、前工程をアウトソースすべきだと思っています。
採用プロセスにおいて、下記原理が存在しています。後工程の率が低いと、前工程でどれだけ工数を割いても全て水の泡になってしまいます。つまり後工程の率を高めないと採用工数は一向に減らず成果にも繋がりません。採用工数を減らして成果を最大化するには、まずは後工程の率、つまり内定承諾率や面接通過率からメスを入れなければいけません。このメスを入れられるのは自社でしか出来ません。後工程を安定させ、前工程でアクセルを踏めば採用ができる状態を作ってから、アウトソースすると効果の最大化を期待することができます。後工程を全て整えてから依頼していては採用納期が間に合わなくなってしまうこともあるので、総合的な判断は当然必要です。
採用プロセスにおける原理
後工程の率が低ければ低いほど、 採用に発生する業務量が膨大になる
前工程の率が低ければ低いほど、 採用に発生する業務量が減少する
ダイレクトリクルーティングに伴う業務一覧
・全体採用戦略立案(人材要件設計/訴求内容設計/選考フロー設計/媒体選定,導入)
・求人票作成
・スカウト文面作成
・候補者のサーチ
・個別カスタマイズして配信
・返信率集計
・スカウト改善策の検討
・各面談の日程調整
・カジュアル面談 面接対応
・進捗中の候補者フォロー
・オファー作成&クロージング
・入社案内
ダイレクトリクルーティングにおける入社決定するまでのKPI プロセス
・配信数
・返信率
・返信数
・面談実施率(カジュアル面談、面接含む)
・カジュアル面談実施数
・正式応募率
・正式応募数
・一次面接実施数
・一次面接通過率
・二次面接実施数
・内定率
・内定数
・内定受諾率
・内定受諾数
■返信率:人材要件/魅力訴求/配信タイミング/利用媒体の4つが影響。
■面談実施率(カジュアル面談、面接含む):日程調整の質(候補者の負担量) とスピードが影響。
■正式応募率:転職意向度/自社~の興味度(魅力訴求)が影響。
一次面接通過率:企業側の候補者への目線の高さ(人材要件)が影響
■内定率:企業側の候補者への目線の高さ(人材要件)が影響。
■内定受諾率:候補者の市場価値(人材要件)が影響(市場価値が高ければ高いほど他社と取り合いになる)
スカウト業務のアウトソース(RPO)すべき採用ポジションと自社で行うべき採用ポジション
上述したようにアウトソースするデメリットに、「小回りが効きにくい」ということがあります。一つのポジションの人材要件や採用背景を理解するだけでも、自社よりも時間がかかってしまうでしょう。そのため、頻繁に人材要件が変更してしまうようなポジションは、あまりアウトソースするべきとは言えません。そのようなポジションを依頼してしまうとコミュニケーションが余計に発生してしまい、せっかくアウトソースしても工数が削減できません。
そのため、新規事業に関わるポジションなど、アジャイルで進めていく様な事業に伴うポジションは自社で行い、一年通じて継続的採用するポジションをアウトソースすることで、アウトソースするメリットを最大化することができるでしょう。
スカウト業務を内製化していた企業が、外注して成功した事例
▼ラクスル株式会社様
▼ビルコム株式会社様
▼キャピタルメディカ様
スカウト業務をアウトソースした場合に自社がやるべきこと
それぞれのクオリティ(質)が返信率や面談設定率、内定受諾率に影響します。
それらの「質」を大きく高めるための方針立案や施策の実行は内製で行い、スカウト配信数など「量」を担保するところをアウトソースすることで、成果を最大化することができます。
「質」を高めるために、スカウト代行会社がアドバイスすることはできますが、社内の組織状況など全て把握することは出来ません。アドバイスを基に、方針策定・施策実行するのは発注元である採用主でなければいけません。採用競争力の高い企業が、スカウト業務などを外注しているのは、「質」を高めるための方針策定・施策実行するだけでも膨大な時間と工数が発生することを理解しているからです。
スカウト代行会社もお客様である採用主のクオリティを高めるためのサービス設計等を繰り返し行っていますが、採用主に代わって意思決定できるようにならない限りは、クオリティ改善の限界はあるでしょう。
▼スカウト業務をアウトソースできるおすすめ企業一覧はこちら
まとめ
本記事を通じて、スカウト業務をアウトソースすれば全てが上手くいく訳では無いということを理解いただけたのではないでしょうか。アウトソーサーである会社の力量が高いからといっても、採用の成果を最大化することは難しく、アウトソーサーと自社がしっかりと役割分担を行い、それぞれの役割をしっかりと遂行することで採用の成功があります。特に採用プロセスにおけるクオリティの部分に関しては、自社が全力で取り組まなければいけません。それをしっかりと認識した上であれば、アウトソースするメリットを大きく高めることができるでしょう。
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投稿者プロフィール
- 「ダイレクトリクルーティングの教科書」著者。日経トレンディや東洋経済への寄稿も果たす。新卒でパーソルキャリア株式会社にてクライアントに対して採用コンサルティングに従事。その後、外資系コンサル企業の採用支援をする中でダイレクトリクルーティングの魅力に気づき株式会社VOLLECTを創業。スカウト採用支援実績は500社超。