オープンカンパニーは意味ない?開催するメリットや実施内容について
25卒よりインターンシップの定義が変わり、注目されているオープンカンパニー。
「オープンカンパニーって何をすればいいの?」「インターンシップとの違いは何?」などと疑問を持たれる採用担当者の方は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、オープンカンパニーとは何か、その開催内容やメリット、インターンシップとの違いなどを紹介します。
オープンカンパニーについて知りたい、開催を検討されている採用担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
オープンカンパニーとは?
近年耳にする「オープンカンパニー」とは何でしょうか?本章では、オープンカンパニーの概要と、インターンシップなどとの違いを説明します。
オープンカンパニーの概要
オープンカンパニーとは、学生に対し企業や業界の情報提供を行うプログラムを指します。企業が開催するのはもちろんのこと、就職情報会社や大学のキャリアセンターが開催することもあります。
2023年に経団連がキャリア形成支援のためのプログラムを4種類に分類した際に、誕生した言葉です。オープンカンパニーはタイプ1に当てはまります。
上記が定められるまでは、さまざまなプログラムが「インターンシップ」としてみなされていました。中には「インターンシップ」と題していても、実務をさせてもらえないなど、学生に混乱をもたらすものがあったことも事実です。
オープンカンパニーでは、これまで主に「1dayインターンシップ」と呼ばれていた、業界・企業による業界・会社紹介・イベントが主な開催内容となります。
「doda新卒エージェント」などを運営する株式会社ベネッセ i-キャリアが行った調査によると、オープンカンパニーの実施について下記のような回答が得られました。
25卒向けにオープンカンパニーを実施した企業は全体の58.0%に対し、26卒は「実施済み」「実施予定あり」「実施検討中」の合計が74.9%にも上り、16.9ポイントも増加しています。
この調査からもわかるように、オープンカンパニー実施は年々増加しており、注目されているといえるでしょう。
ただ、弊社でインターンをしている25卒学生によると、「1dayインターンシップ」というワードを使っている企業も多く見られたそうです。
会社説明会やインターンシップとの違い
では、オープンカンパニーは会社説明会やインターンシップとはどのように違うのでしょうか?大きく5つの観点でその違いがわかります。それぞれ解説していきます。
項目 | オープンカンパニー(会社説明会) | インターンシップ |
目的 | 業界・企業の情報提供およびPRを行い、学生に業界・企業理解を促す「キャリア教育」に近い内容が主目的 採用には直接結びつかない |
採用を見据えた実務経験を通じて、学生の適性や企業とのマッチ度を測ることが主目的 |
就業体験 | 就業体験を含めない | 実施予定の半分を超える日数を職場での就業体験に充てる |
参加期間 | 単日の参加が基本 | 5日間以上の参加が求められる 汎用的能力活用型は5日間以上 専門活用型は2週間以上 |
実施時期・対象学年 | 時期や学年に縛りがなく、一年中いつでも、どの学年を対象に開催可能 | 学部3,4年生または修士1,2年生を対象とし、長期休暇中(春・夏・冬休み、入試休み)に実施 |
取得した学生情報の活用 | 学生の情報を採用活動に活用することは禁止されている | 実施中に取得した学生の情報を、採用活動に活用可能(例:採用関連のメール送信など) |
目的
オープンカンパニーでの目的は、学生への業界・企業の情報提供およびPRです。会社説明会と似ていますが、会社説明会単体ではあくまでも採用、つまり学生が応募にいたることを目的とした業界・企業PRとなります。
一方、オープンカンパニーは業界・企業理解を促すもので、「キャリア教育」に近いものなのです。
インターンシップでは採用を見据え、実務を通して適性や企業へのマッチ度を測るためのものであり、オープンカンパニーとは大きく目的が異なります。
就業体験
インターンシップは、採用を見越したものであるため、実際に業務を行う「就業体験」が主な実施項目です。
一方で、オープンカンパニーは採用に結びつくものではなく短期開催のため、就業体験はありません。
オープンカンパニーを行う際は、就業体験を含めないよう注意が必要です。
参加期間
インターンシップでは学生に対し5日間以上の参加期間が求められますが、オープンカンパニーでは単日の参加が基本となります。
実施時期・対象学年
オープンカンパニーでは、実施時期、対象学年ともに縛りはなく、一年中どの時期、どの学年を対象に開催しても問題ありません。
一方インターンシップでは、対象学年は学部3,4年生または修士1,2年生で、実施時期は学生の長期休暇中(春・夏・冬休み、入試休み)のみに限られます。
インターンシップでは対象とならない大学1,2年生でも、オープンカンパニーに参加することが可能なのです。
取得した学生情報の採用活動への活用
インターンシップでは、実施中に取得した学生の情報を、採用活動へ利用することが可能です。例えば、その際に取得した学生個人のメールアドレスへ採用に関するメールを送るなどは、正規の情報取得ルートで取得した情報とみなされ、認められているのです。
一方、オープンカンパニーで得た学生の情報を採用活動へ活用することは禁止されています。
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オープンカンパニーが注目される背景
オープンカンパニーが近年注目される理由として、学生のキャリア形成支援が重要になっている、学生が企業への理解を深める場として活用できるなどの背景があるのです。それぞれ解説していきます。
学生のキャリア形成支援が重要になっているため
少子化や終身雇用制度の崩壊、人生100年時代など、現代社会は昔と大きく変わってきています。
そのような中で、学生が「より良い人生を送るためには何が必要か」を考える機会は非常に重要です。その機会提供の場とされているのが、キャリア形成支援です。
キャリア形成支援を通し学生が自身の人生やキャリアを考えるきっかけを与え、今後の社会を担っていく学生の価値観を育てていきます。
その一環として、オープンカンパニーは、企業や業界、働き方を知り、自身のキャリアを考え始める最初の大きな一歩となるでしょう。
インターンシップの定義が変更されたため
25卒からのルール変更により、以下の要件を満たさない短期プログラムの多くがオープンカンパニーに分類されるようになりました。
実施期間:汎用的能力活用型は5日間以上。専門活用型は2週間以上
就業体験:実施予定の半分を超える日数を職場での就業体験に充てる(テレワークが常態化している場合は、テレワークも「職場」)
指導:職場の社員が学生を指導し、インターンシップ 終了後、学生に対しフィードバックを行う
実施時期:学業との両立の観点から、夏休み、冬休み、入試休み・春休みなどの長期休暇期間に行う ※ただし、大学正課および博士課程は除く
情報開示:プログラムの趣旨、実施期間、就業体験内容、求められる能力、インターンシップ実施に関わる実績概要(2〜3年程度)などの情報を募集要件に記載する
このように、より厳格化され、今までインターンシップとして開催していたプログラムがインターンシップとして認められないこととなった今、オープンカンパニーが担う役割が重要になってきています。
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学生が企業への理解を深める場として
学生が企業への理解を深める場として、オープンカンパニーは有効です。今後、「企業」とはどのようなものなのか、理解できる最初の場がオープンカンパニーになるでしょう。
学生が企業への理解を深めることは、先述した学生のキャリア形成支援に寄与し、将来の就職活動の際に役立ちます。
オープンカンパニーは意味ない?開催するメリットとは
「オープンカンパニー」とインターネットで検索しようとすると、検索候補として「オープンカンパニー 意味ない」という言葉が出てきます。このように、意味がないと言われることもありますが、自社の魅力を伝えられる、幅広い学生層へアプローチできるなどのメリットがあります。
それぞれ解説していきます。
自社の魅力を伝えられる
オープンカンパニーでは、自社の魅力を伝えられます。
たとえ採用活動の一環として開催できなくとも、学生の記憶に残る魅力づけを行うことはできるのです。
参加者の対象学年の制限がないため、はじめて業界や企業の説明を聞く学生も多いでしょう。今まで「学校」という場所に守られ、社会のことに疎かった学生であっても、「はじめて」社会の一部である企業のことを見て知ることは鮮烈な記憶に残るはずです。
そこで自社の魅力を発信することで、自社のファンづくりができる可能性があるのです。
幅広い学生層へのアプローチができる
オープンカンパニーの最大の魅力といっても過言ではないのが、幅広い学生層へアプローチできることです。
インターンシップでは、学部3,4年生または修士1,2年生が対象となるため、それ以下の学年の学生との接点が持てません。
しかし、オープンカンパニーでは対象学年の制限がないため、大学1,2年生にも参加してもらえます。
このように、早期からキャリア意識の高い学生層へ自社の魅力付けを行い、将来的に応募者になり得る場合もあるのです。
優秀な学生を見つけ、その後SNSなどを通し接点を持ち続けることで、自社への志望度を醸成していけるでしょう。
採用におけるミスマッチを防止する
オープンカンパニーでは、採用におけるミスマッチを防止することも可能です。
企業側は採用を目的としてオープンカンパニーを行ってはいけませんが、学生側にはオープンカンパニー時に得た情報を、就職活動時に活用してはいけないという決まりはありません。
オープンカンパニー時に感じた企業と自分のマッチ度を就職活動時期に思い出すことで、ミスマッチだと感じた企業にエントリーすることは少なくなるでしょう。
オープンカンパニーで催される内容の例
ここからは、オープンカンパニーで開催される内容を紹介します。
会社説明
自社の事業内容や理念などを紹介する会社説明。近年は、オンラインで開催する企業も増えています。
企業に就労したことがない学生にとって、企業がどのように運営できているかをすぐに理解することは難しいです。そのため、「どのような事業を展開していて、どのように企業としての利益を上げているのか」「その事業を展開するためにどのような組織体系になっているのか」「各々の部署では、どのような仕事をしているのか」と、順番にブレイクダウンしていきながら伝えると伝わりやすいでしょう。
採用活動における会社説明会は違い、「採用のための会社説明会としない」ことが重要なポイントです。自社の魅力は入れつつ、まずは会社そのものの構図がわかったり、一企業としてどのように社会の一端を担うような活動、事業展開をしているかがわかったりする説明会とすると良いでしょう。
業界研究セミナー
業界研究セミナーも、オープンカンパニーで開催されるものの一つです。業界セミナーとは、業界の現状や将来性、業界内でのトレンドなどを紹介するセミナーのことを指します。
業界のトレンドや動向、将来的な市場、社会的な存在価値を説明することで、学生の興味を惹きつけることができるでしょう。
先輩社員・OB・OGとの座談会
先輩社員やOB・OGとの座談会も、オープンカンパニーで開催されるイベントの一つです。
実際に働いている社員と話をすることで、具体的な仕事内容や会社の雰囲気などを知ることができます。
つまり、学生に対し、自分にマッチしているかしていないか、やりたい業務内容であるかなどを判断する機会を与えられるのです。
職場見学
職場見学では、実際に業務を行っている様子や、社内の雰囲気を伝えることができます。
学生にとっては、疑問点などをすぐに解消することができ、自分がその企業で働く姿をイメージしやすくなります。
企業にとっては、リアルな現場を見せることで、ミスマッチの減少や学生の反応で改善点を発見することができるのです。
ワークショップやグループワーク
ワークショップやグループワークは、オープンカンパニーの中でも印象に残る施策です。
実際に、株式会社マイナビが行った調査によると、「最も印象に残ったインターンシップ・ワンデー仕事体験のプログラム内容」の1位が、「グループディスカッション・グループワーク」でした。
出典:2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)
オープンカンパニーで開催されるワークショップやグループワークで多いのは、架空の課題に対し、自社の部門に参加者を架空で配属し、課題解決を図る取り組みです。
このような設定であれば、まず課題として挙げられるのは業界内での課題であることが多く、必然的に業界の説明が必要となります。また、自社の部門に架空配属する場合も、自社の各部門の説明が必要になるのです。
不自然さなく自社の情報を提供でき、学生も楽しめたり学びがあったりするワークショップやグループワークを設計すると良いでしょう。
オープンカンパニーを開催した有名企業の実例
ここからは、オープンカンパニーを開催した有名企業の実例を紹介します。
西松屋
株式会社西松屋チェーンが運営する赤ちゃん用品専門店である西松屋。そんな西松屋は、2024年に体験型オープンカンパニーを開催しました。
オープンカンパニーのメインは「西松屋オリジナル製造小売業体験ゲーム」。このゲームを終えたあとには、「ビジネス脳」が手に入れられ、就活に必ず役立つという触れ込みでアピールしました。
西松屋チェーンの経営陣として、経営課題の解決、自社製品の開発、新店舗の出店のタスクに取り組むとともに、営業利益高の拡大を図ることがミッションです。
学生たちはグループになり、それぞれのタスクと営業利益高の拡大に奔走しました。
最後のフィードバックでは、「すべての店舗で商品陳列を同じにする」「努力せずとも売れる売場づくり、売れるしくみを生み出す」「繁盛店は混雑してお客様にご迷惑、従業員は忙しくて負担が重い」など、西松屋の哲学を、その理由とともに学生たちに披露。
参加した学生からは、下記のような感想がありました。
・ゲームの難易度は高く感じましたが、貴社がどのように店舗を経営しているか、どのように商品に持たせる価値を選択しているかなど、多面的に捉えることができ、学びが多いゲームでした
・ゲームという形で貴社の経営理念、商品や販売に対する考え方を知ることができ、他社のプログラムとは異なり、考える力を使ったプログラムで非常に充実した内容だったと感じました。
・本日のプログラムは自らが考えて協働して進めていく形であり、貴社の雰囲気が反映されてとても充実した時間になりました。」
学生には馴染みのない「経営戦略」を体験してもらうことで、新たな知識の提供とともに、西松屋というブランドへのエンゲージメントを高められたオープンカンパニーだったようです。
ホテルオークラ東京ベイ
ホテルオークラ東京ベイは、東京ディズニーリゾートのオフィシャルホテルです。そんな同ホテルは、「1Dayアニバーサリーコーディネーター体験」と銘打ちオープンカンパニーを開催しています。
これは、同社が誕生日や記念日など暦には載らない一人一人にとって大切な1日を、より特別な1日となるよう全力で応援する「アニバーサリーホテル」であることから企画されたもの。
会社説明や館内見学、先輩社員との座談会のほか、「アニバーサリーコーディネーター」の仕事を体験する企画が用意されています。実際にコーディネーターとして、シチュエーションや顧客の要望に合わせて、どのようなサプライズの提案をしているかを体験できる貴重な機会です。
また、最後には同ホテル自慢の「ショートケーキ」を試食する嬉しい特典もあります。
東急セキュリティ株式会社
東急セキュリティ株式会社は、東急グループのセキュリティサービス会社です。東急各線の警備を行ったり、セキュリティシステムの提供をしたりしています。
SDGsの基本理念に賛同している同社は、持続可能な社会の実現に向けてその取り組みを推進し続けています。
そこで、同社の総合職ポジションのオープンカンパニーでは「『住み続けたい街づくり』とはどんな街か?」をテーマにセキュリティ新サービスを企画・立案するグループワークを企画。マーケティング、企画・立案の方法を理解し、先進のAIカメラ画像解析の機能を活用しながら、グループでひとつの結論を出します。
また、警備職ポジションでは、救急救命、AEDや消火器の使い方、自分の身を守る護身術を習うなどの体験ができます。さらに、東急グループが管理する渋谷スカイなどの施設見学も。
都会のセキュリティ会社らしく、独自の先進的な体験ができます。
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まとめ
今回は、オープンカンパニーとは何か、インターンシップとの違い、注目される背景やメリットなどを解説しました。
オープンカンパニーとは、仕事体験を含まない、採用目的のために行わない、学生へ企業や業界の情報提供を行うプログラムのことを指します。
25卒からインターンシップの定義が変わり、インターンシップには厳密なルールが課されました。そのため、現在オープンカンパニーが注目されているのです。
自社の魅力を幅広い学生層へ伝えられたり、採用におけるミスマッチを防ぐことができたりと、オープンカンパニーにはさまざまなメリットがあります。
本記事を参考に、ぜひ貴社においても注目され始めたオープンカンパニーを実施してみてはいかがでしょうか?
投稿者プロフィール
- SIerにて中途エンジニア採用を経験。また、リファラル採用支援サービスを提供する企業での従事経験もあり、リファラル採用領域の知見を持つ。
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