内定者懇親会とは|おすすめの催し6選や参加率を高めるポイントを紹介

内定者懇親会は、内定者フォローの一環として実施される採用施策の1つ。

入社に向けたマインドの醸成や内定者同士の仲間意識を高めるなど、さまざまな目的のもと実施される内定者懇親会ですが、「参加率が悪い」「いまいち盛り上がりに欠ける」といった課題を感じている採用ご担当者様も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、採用支援事業に8年間従事してきた筆者が、内定者懇親会の参加率を高めるポイントを解説するとともに、面白くおすすめの催しなどを紹介します。

内定者懇親会とは?

内定者懇親会とは、自社の内定者を対象とした採用施策の1つであり、内定者同士が交流できる場を設け同期の仲を深めたり、既存社員と対話する機会を用意し企業文化や風土などへの理解を促したりする催しのことを指します。

最近では、対面形式に限らず、Web会議ツールなどを活用してオンラインで開催する企業もみられるようになりました。

内定者懇親会を開催する目的

内定者懇親会を開催する主な目的は、次の通りです。

内定者同士の交流促進

内定者同士の交流を促進させることを目的に、内定者懇親会が開催されるケースがあります。

入社前に他の内定者と交流する機会を設け、互いに親睦を深めることで、入社への不安が軽減されたり、入社へのモチベーションが高まったりする効果が期待できるでしょう。

また、内定者同士の仲間意識が高まれば、入社後の早期離職も低減できるかもしれません。

会社の雰囲気を知ってもらう

内定者懇親会は、内定者に会社の雰囲気を知ってもらう良い機会にもなります。自社オフィスの一角で内定者懇親会を開催する場合、社内の雰囲気を知れることもあるでしょう。

また、既存社員も参加するイベントにすれば、内定者はどのような社員が働いているのかを知ることができます。求人情報サイトや企業の公式ホームページからは知ることのできない情報も先輩社員などから直接聞けるため、企業への理解がより深まり、入社後のイメージを具体的に描けるようにもなるでしょう。

入社後の不安を解消する

内定者懇親会は、内定者の不安を解消する目的で開催するケースもあります。

採用担当者としても、誰がどのような不安を抱いているのかを把握できる利点があります。内定者懇親会を通じて内定者の不安の要因をいち早く把握できれば、辞退に至る前に不安の払しょくやフォローに取り組むことができるでしょう。

入社意欲の向上

内定者懇親会は、内定者の入社意欲向上にも寄与することが期待できる採用施策です。内定者は内定者懇親会を通じて、仲間を作り、実際に働くイメージを形成していきます。入社に向けた準備がしっかり整うことで、入社への意欲も高まるでしょう。

結果的に、内定辞退や承諾後辞退を防止できるほか、高いモチベーションを維持した状態で入社日を迎えられるでしょう。

企業の魅力を再度アピール

内定者交流会は、企業の魅力を再度アピールする絶好の機会です。企業説明会や選考の場でも自社の魅力はさまざまな観点からアピールしているかと思いますが、内定者懇親会では、内定者という立場から改めて企業の魅力を知ることになります。

今後社員として働く立場から改めて企業の魅力を知ることで、社員の一員になるためのマインドも形成されていくでしょう。

内定者懇親会の一般的な内容

続いて、内定者懇親会で催される一般的なコンテンツを紹介します。

自己紹介

初めて内定者懇親会を開催する場合や初めて参加する内定者がいる場合、企業側からの開催の挨拶と共に、参加者の自己紹介が行われます。

場合によっては内定者同士の交流機会を増やすため、他己紹介を実施するケースもあります。
単に自己紹介といっても、何を話せば良いか分からない人や冗舌になり長い尺を要してしまう人もいるかもしれません。

自己紹介をする際は、企業側から自己紹介で述べて欲しい項目を事前に伝えておくとスムーズに進むでしょう。

グループワーク

group work

グループワークは、数人のチームを作り、指定されたテーマや課題に取り組むワークコンテンツです。内定者同士が助け合ったり、意見を出し合ったりできる場になるため、相互理解や内定者同士の関係が深まることが期待できます。

メンターとなる先輩社員を各チームに1人ずつ付けると、先輩社員にとっても後輩育成の練習になったり、内定者たちと交流できる機会になったりするでしょう。
また企業側は、グループワークを通じて内定者の仕事への考え方や取り組み姿勢、チームでどのような役割を果たす人材なのかなどを知ることができます。

座談会

座談会は、内定者と既存社員が交流できる場のことを指します。内定者は、既存社員から直接仕事の様子を聞けたり、不安に感じていることを相談できたりするため、仕事への具体的なイメージを描けるようになったり、不安が払しょくされたりするでしょう。

また、既存社員としても、どのような人材が新しく入社するのか知る機会にもなります。

食事会

食事会は、食事を食べながらフランクな雰囲気で交流を図る方法であり、短期間で関係性を構築しやすい利点があります。グループワークや座談会では見られなかった内定者の一面を垣間見られることもあるでしょう。

ゲームやアクティビティなど

内定者懇親会のコンテンツの1つとしてゲームやアクティビティなどを取り入れるケースもあります。ゲーム要素を取り入れることで、内定者の緊張をほぐしたり、素の一面を引き出しやすくなったりするでしょう。

ビンゴゲームやクイズの他、内定者に扮した先輩社員を見つけ出すゲーム、共通点を探すゲームなど、工夫次第でさまざまなゲームやアクティビティを内定者懇親会に取り入れることができます。

内定者にとっても他の内定者のパーソナルな部分を知れたり、内定者同士の関係が深まるきっかけを見つけられたりするでしょう。

内定者懇親会でおすすめな面白い催し6選

ここでは、内定者懇親会でおすすめな催しを紹介します。
いずれも内定者には楽しんでもらいつつ、企業側も参加している内定者のコミュニケーション能力や言語化能力、論理的思考力、リーダーシップなどを評価できる催しです。

自己紹介に1つウソ入れて当てる

おすすめの催し1つ目は、自己紹介の中に1つだけウソを含め、他の参加者がウソを言い当てるゲーム

正解者や正解したチームにポイントを付与して獲得ポイントを競い合うよう工夫すれば、よりクイズが盛り上がることもあるでしょう。

チーム対抗企業クイズ

チームを組み、対抗戦形式でゲームを催すのも1つの方法です。

内定者同士の交流が深まるだけでなく、内定者懇親会を盛り上げる一助にもなるでしょう。
具体的には、企業の製品やサービス、社員に関するクイズで企業理解を深める方法があります。正解数に応じてポイントを付与することで、チーム間同士で競い合えるでしょう。

協力ゲーム「ito」

ito」は、カードに書かれた数値(1〜100)を、曖昧な表現や個人的な感覚で他のプレイヤーに伝えるゲームです。

例えば、テーマが「スポーツ」だった場合、90のカードの人は「ラグビー」、30のカードの人は「卓球」などと個人的な感覚で答えます。

参加者が自分の感覚や意見をシェアするため、自然と会話が生まれ、内定者同士がリラックスしてコミュニケーションを取るきっかけになります。

ito」はルールがシンプルで理解しやすいので、ゲームが苦手な人や初対面の人同士でも気軽に楽しむことができます。大人数でも対応できるため、懇親会にぴったりです。

マシュマロチャレンジ

画像参照元

アメリカ拠点の講演「TED」でもプレゼンされた「マシュマロチャレンジ」は、チームビルディングにぴったりのゲームです。限られた材料(パスタ、テープ、ひも、マシュマロ)で、最も高いタワーを作るという単純なルールですが、創造力や協力、計画力を発揮する場として効果的です。

チームでの協力が求められるため、リーダーシップやコミュニケーション力が自然に試され、内定者同士の連携が強化されます。

内定者ビンゴ

画像参照元:アルティウスリンク株式会社

内定者ビンゴは、通常のビンゴゲームと異なり、自己紹介や内定者同士のコミュニケーションを取り入れた形式で行われます。

ビンゴカードの内容が話のきっかけとなるため、初対面の人に対して声をかけやすくなり、内定者同士が気軽に会話を始められる雰囲気が作られます。

内定者ビンゴの基本的な進め方

  1. ビンゴカードを配布:通常の数字ビンゴカードではなく、各マスには参加者に関連した条件や質問が記載されます。例えば、「海外旅行に行ったことがある人」「〇〇大学出身者」「趣味が読書の人」など、参加者の個性や興味に基づいた項目を設定します。
  2. 参加者が交流:ビンゴカードに書かれた条件を満たす人を探して、見つけたらその人の名前やサインをもらいます。これを繰り返し、縦横斜めのビンゴを目指します。
  3. ビンゴを成立させる:誰かがビンゴを完成させたら終了です。ビンゴカードを埋めるために積極的に話しかける必要があるため、参加者同士の交流が自然と促進されます。

人狼ゲーム・ワードウルフ

人狼ゲームとは、味方に成りすました参加者を会話を通じて推理し特定するゲームです。またワードウルフは、参加者全員がカードを引き、カードに違う言葉が書かれている参加者を当てるゲームです。

いずれも参加者同士がフリーの会話を重ね、特定の人物を推理していきます。

内定者懇親会の参加率を高めるためのポイント

本章では、内定者懇親会の参加率を高めるためのポイントを紹介します。

早期からの案内とリマインド

内定者懇親会を開催する時は、早いタイミングで案内を実施しましょう。
まだ企画の内容が決まっていなくても、早期に日程を告知しておくことで、内定者はスケジュールを調整しやすくなります。
また、適宜リマインドも忘れないようにしましょう。開催前日はもちろんですが、開催から期間が空く場合は、定期的にリマインドを行い、内定者懇親会参加へのモチベーションを高めておきましょう。

服装・髪型などの制限を緩くする

内定者懇親会への参加率を高める工夫の1つに、服装・髪型などの制限を緩くする方法があります。スーツの着用やビジネスライクな髪型での参加を求めてしまうと、内定者は堅苦しさを感じてしまいます。参加へのハードルも高まるため、参加を見送る内定者も増える可能性が考えられます。
内定者懇親会はあくまでも内定者同士の交流を深め、自社への入社意欲を高める場と捉え、フランクな雰囲気で参加できる催しにしましょう。

内定者の持ち物を不要あるいは最小限にする

内定者懇親会に向けては、可能な限り内定者が用意しなければならない物を最小限にしましょう。準備物が多いと、内定者は負担に感じてしまい、参加を見送りたくなるかもしれません。
気軽に参加できる環境を整えておくことも大切です。

交通費を企業側が負担する

オフラインで開催する場合、開催地までの交通費が負担になることから参加を見送る内定者もいます。特に開催地から遠方に住む内定者の場合、参加へのハードルが高くなり、参加したくてもできない状況になることも想定されます。
内定者の負担を軽減するためにも、会場までの交通費は企業側が負担するようにしましょう。

内容を大々的に告知

内定者懇親会を開催する際は、内容を大々的に告知するのも1つの方法です。
ただ単に開催の旨を周知するのではなく、採用担当者の意気込みや参加する先輩社員からのコメントを掲載するのも1つの方法です。
また、前年度の内定者懇親会の様子が分かる動画や画像を告知メールやメッセージに添付するのも良いでしょう。開催の様子やイメージが分かれば、内定者の参加意欲も高まるかもしれません。

オンライン参加の選択肢を用意する

オンラインから参加できる選択肢を用意しておくこともおすすめです。遠方に住む場合など物理的に参加が厳しい場合や、研究活動やアルバイトなどで忙しい場合でもオンラインであれば参加できることもあるでしょう。

当日オフラインも同時に開催し、イベント後に食事会などを催す時は、オンライン参加者に対しては、食事会に参加できない分、後日ギフトを贈るなどの配慮が必要になる点に留意しましょう。

内定者懇親会の案内メール

ここでは、内定者に向けて内定者懇親会を案内するメール例を紹介します。
内定者懇親会の開催を案内するメールには、下記項目を盛り込みましょう。

・件名
・宛名
・挨拶文
・内定者懇親会の詳細
・出欠回答の方法と期日
・結び

【内定者懇親会の案内メール例】

件名:【株式会社〇〇】〇月〇日開催 内定者懇親会のお知らせ

20XX年度 内定者の皆様

こんにちは!
株式会社〇〇 人事総務部 〇〇です。
この度、20XX年度 内定者の皆様を対象とした、内定者懇親会を開催することとなりました。
詳細は以下の通りです。

【開催日時】〇月〇日 〇時~〇時
【会場】株式会社〇〇(住所:東京都~)
※地図URL:https://~
【服装】私服でお越しください
【持ち物】筆記用具
【出欠について】下記アンケートフォームより〇月〇日までにご回答をお願いいたします。
アンケートフォーム:https:// ~

当日は、先輩社員も参加予定です。
また、内定者懇親会の後は、歓迎と交流の意を込めて、食事会の開催も予定しております。
ぜひ、ご参加いただきますようお願いいたします。

内定者の皆様とお会いできますことを心より楽しみにしております。

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署名
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内定者懇親会の経費は接待交際費?採用教育費?

内定者懇親会の経費は、接待交際費として計上するのか、採用教育費として扱うのか気になる採用ご担当者様もいるかと思います。
結論から申し上げると、内定者懇親会の内容によって勘定項目は異なります。

ホテルやレストラン会場を貸し切り、飲食中心の内容だった場合は、『接待交際費』として計上するケースが多いようです。一方、グループワークや工場見学など、研修や勉強会要素の強い内容の場合は、勘定項目を『採用教育費』として計上します。この場合、昼食用のお弁当やお茶も『採用教育費』や『会議費』として処理するケースが一般的です。

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まとめ

内定者懇親会は、内定辞退や早期離職を防止する採用施策の1つです。そのため、内定者懇親会を催す時は、入社へのモチベーションが高まる内容であることや不安解消の一助となる機会にすることが大切です。

企画が不十分であり、運営に不満が残る場合、内定者に不安を与えてしまう懸念もあります。内定者に「参加して良かった」と思ってもらえる催しとなるよう、開催に向けてしっかり企画を設計し、運営に工夫を盛り込みながら準備を進めていきましょう。

投稿者プロフィール

日向 妃香
日向 妃香
採用系コンサルタントとして企業の採用サポート・採用戦略構築・採用ノウハウの提供を行いながらライターとしても活動中。
得意分野は新卒採用とダイレクトリクルーティング。