中途面接で聞くべき質問集や1人当たりの採用コストについて解説

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新卒採用だけでなく、中途採用が当たり前になった昨今。中途採用人数の増加に伴い、面接を行う機会も増えているでしょう。

一方で、いざ中途面接をするとなったときに、どのような点を重視して面接をすべきか分からない採用担当者や現場メンバーも少なくありません。

本記事では、中途採用における面接にあたって聞くべき質問のポイントについて解説していきます。採用コストについても解説しているので、中途採用に悩む採用担当者はぜひご覧ください。

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中途採用で重視すべきポイント

point

中途採用で重視すべきポイントは以下の3点です。

・能力・スキル
・人物・人柄
・熱意

それぞれ解説していきます。

能力・スキル

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中途採用で重視すべきポイントは能力・スキルです。なぜなら、中途採用の目的は新卒採用と比較して、事業の発展により即戦力として活躍できる人材を確保するためだからです。事業を発展させるためには、部署によって即戦力となる人材の確保や欠員の補充、増員が必要になるでしょう。

中途採用では、ポジションによって求められる能力・スキルが異なります。個人営業を得意とする人が法人営業のポジションに応募したとしても、求められる内容が同じだとは限りません。

中途採用の担当者は、自社への候補者が今まで社会人としてどのような仕事をしてきたのか、どのような能力・スキルを持っているのか確認する必要があります。自社に必要な能力・スキルを持っているのか、選考フローの中で見極めなくてはなりません。

人物・人柄

中途採用では、人物・人柄の判断も必要になります。仕事ができたとしても、自社の社風に合わない人材は早期退職のリスクがあります。

株式会社学情の調査によると、20代を対象にした経験者採用が面接の際に見ているポイントで最も高い割合を占めているのは「人物・社風との相性」でした。
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引用:20代採用の面接評価ポイント――経験職種・実績を押さえ1位になったのは?

人物・人柄は、書類選考だけではすべてを判断できません。面接での質問の回答や受け答え方から、応募者の雰囲気や価値観、コミュニケーション能力などをみて評価するとよいでしょう。

能力・スキルだけではなく、候補者の人物や人柄も採用選考において非常に重要な判断軸になります。

熱意

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新卒採用だけではなく、中途採用でも熱意は重視されます。スキルがマッチしていたり人柄がよかったりしていても、自社への熱意がなければ意味がありません。熱意がない人に内定を出してしまうと後々辞退されたり、他社に流れたりする可能性があります。

中途採用担当者は限られた選考回数の中で、候補者の本気度を見極めなくてはなりません。書類選考や面接を通じて、自社への志望動機や転職理由を深堀りしていきましょう。

「とりあえず応募した」といった求職者ではなく、やる気に満ち溢れて活躍が期待できる人材を採用する姿勢が大切です。

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中途採用の面接で必要な考え方

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中途採用の面接で必要な考え方を6つ紹介しているので、それぞれ解説していきます。

実績を確認する

中途採用の面接では、実績の確認が必要不可欠です。なぜなら、中途採用では即戦力を期待されるからです。即戦力人材を採用するためには、候補者が現場が求める経験やスキルを持っているかを、採用基準に沿って確認する必要があります。

中途採用面接ではまず、候補者の経歴を具体的に聞いていきます。履歴書や職務経歴書の内容に沿って質問し、経歴を盛っていないか確認しましょう。最近では候補者がSNSをやっている場合、発信内容を確認することもあります。

書類だけでは実績を読み解くのは難しいため、面接では前職で得た結果や、成果の行動過程の詳細を深掘りする必要があります。確認した実績内容が既存社員の基準と乖離していると、自社で即戦力として活躍するのは難しいでしょう。

求めている人材像を伝える

Desired human resources

中途採用の面接の場で、候補者に自社が求めている人材像を伝えても問題ありません。面接では候補者に質問をする前に、会社説明を実施する企業が多くあります。会社説明の際に求めている人材像を伝えることで、企業と候補者の相互のミスマッチを防げます。

企業は求めている人材像を面接の場で見極めることも可能です。例えば候補者がエンジニアの場合、自社の過去のプロジェクト例を提示してみましょう。「候補者であればどのように仕事を進めていくのか」を具体的に聞くことで、その人の仕事スタイルを知れるでしょう。

仕事スタイルが自社とマッチしていれば求めている人材像に近しいと言えます。

退職理由や入社動機の深堀り

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中途採用の面接をする際、退職理由や入社動機の深堀りを意識しましょう。なぜ前職を退職したのか、転職理由や入社動機に一貫性があるか確認することが重要です。退職理由や入社動機を深堀りすることで、候補者の思考性が見えてきます。

転職活動をする際、候補者が叶えたいことは退職理由や入社動機の中に本音が隠れています。中途採用担当者は本音を引き出すことで、自社にマッチした人材かどうか見極められます。

退職理由の本音をうまく聞き出せない場合は、入社動機から探っていくのも一つの方法です。候補者に次の会社で求めるものを尋ねると、やりがいや給料、人間関係などさまざまな回答が想定されます。

これらのほとんどのケースは前職で得られなかったものである可能性が高い傾向です。

現場担当者の同席

中途採用の面接では、可能であれば現場担当者も同席してもらいましょう。現場担当者も同席して2名以上で面接を実施することで、評価が偏るリスクを防げます。

例えば採用ポジションがエンジニアの場合、現場担当者がいることで実務レベルが自社に合っているか、判断しやすいでしょう。エンジニアではない採用担当者だけでは、どうしても技術力の判断が難しい部分が出てきてしまうからです。

また、面接では現場担当者が同席して、候補者が話しやすい雰囲気をつくることも重要です。転職活動では面接に慣れていない人も少なくありません。特に技術者は現場担当者が同席して業務の話を振ることで、リラックスした状態で面接に挑めます。

場合によっては即戦力に固執しないことも重要

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中途採用において即戦力の重要性を述べてきましたが、あえて即戦力に固執しないスタンスも大切です。

都道府県別有効求人倍率によると、2023年9月時点で求人倍率の全国平均は「1.29」でした。企業の採用状況はコロナ禍から回復しつつあり、人材獲得競争は厳しくなると予想されています。

企業は即戦力だけではなく、ポテンシャル人材の採用も検討すると良いでしょう。企業が求める人材と少し離れていても、入社後の研修や教育によって、即戦力になる可能性があります。

ポテンシャル人材が伸びるのを見込んで、教育体制をつくることも企業には求められています。

簡単にNGを出さない

中途採用の面接をすると、お見送りとなる候補者も少なくないでしょう。採用活動では、「この人は本当にNGで良いのか?」と疑問を抱きながら取り組む姿勢が必要です。

面接官の中には「うちには合わなそう」「なんとなく違和感がある」といった感想を抱いてお見送りにしてしまう人もいますが、これらはあくまで所感です。面接官に好き嫌いがあったり、評価が偏ったりしてしまうと、優秀な人材を逃してしまう可能性があります。

以下の表のように、事前に評価項目や評価軸を面接官に共有して質問してもらうことで、公平な選考を行えます。

Questions and evaluation axis

引用:面接攻略マニュアル

時には、面接官を変えてやり直して面接を実行するのも有効な手段です。

中途面接で聞くべき質問13選

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ここでは中途面接で聞くべき質問をいくつか紹介していきます。ここで紹介する流れはあくまで一例です。自社の状況に合わせて質問内容を参考にしてみてください。

人物像をつかむ質問

アイスブレイクや面接官の自己紹介が済んだら質問に移っていきます。チームで取り組んだことや長期間取り組んだことについて質問しましょう。話題の中で苦手なことや逆境に遭った時の対処法なども深堀りできると人物像を捉えやすいです。

(質問例)

・現職(前職)ではどのような課題がありましたか。
:現職(前職)での成功体験があったら教えてください。
・自分自身をどのような人間だと感じていますか。

現職での経験や強み

これまでの経験やスキル・実績・強みについてヒアリングしていきましょう。自社に必要な要件を満たしているか確認する必要があります。

(質問例)

・現職(前職)ではどのようなことを経験してきましたか。
・現職(前職)ではマネジメントをしていましたか。マネジメントしていた場合、どのように実行していましたか。
・あなたの強み・弱みを教えてください。

退職理由・志望理由

過去と現在の業務内容について確認したら、退職理由や転職理由を聞いていきます。転職先選びの基準や自社への志望理由の内容で自社とのマッチ度がわかります。

(質問例)

・なぜ弊社で働きたいと思ったのか教えてください。
・どのような基準で企業選びをしていますか。
・1年後、3年後、5年後の目標を教えてください。

希望条件の確認

一通り候補者のことを把握できたら、希望の業務内容や役割、希望年収、希望勤務地などを聞きます。リモートや出社など働き方も多岐に渡るので、働き方に関する希望も確認しましょう。

(質問例)

・自身が最も価値を発揮できそうと感じる業務内容を教えてください。
・現在の年収と希望年収を教えてください。
・週何回のリモート・出社勤務を希望していますか。

質疑応答

最後に質疑応答を行うことで懸念事項の解消につながります。質問内容が合否判断に影響しない旨を伝えることで、候補者は本音で話しやすくなるでしょう。

(質問例)

最後に何か質問はありますか。

中途面接で評価するポイント

中途採用では、採用フローによって注目ポイントが異なります。中途面接では主に以下の4点を評価するよう意識しましょう。

・就労意欲
・知識・スキル
・コミュニケーション能力
・人柄

下記で解説していきます。

就労意欲

passion

中途面接において評価するポイントで大事なのは、就労意欲です。候補者が自社のことをどのくらい調べていたり、理解していたりするのかを面接で確認していきます。どのような仕事をしたいのか質問する中で、自社への就労意欲がわかります。

希望するポジションと自社での仕事内容が合致していない場合、候補者の志望度が低い可能性があります。

また、中途採用担当者は候補者が自社の社風や企業文化に馴染めるかも、選考段階で見極めるようにしましょう。候補者が自社の企業文化を理解しようとする姿勢があるのかも重要な要素です。
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知識・スキル

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中途面接では専門的な知識・スキルを所持しているか確認していきます。候補者との質疑応答の中で、書類に書かれている内容に虚偽がないか確認しつつ、どのレベルの専門的な知識・スキルがあるかを評価していきます。

専門的な知識・スキルがあるか確認するためには、現場の責任者が同席して過去の業務経験の深堀りをしていくとよいでしょう。

現場担当者であれば、候補者の知識・スキルのレベル感を把握できます。過去の業務経験を深堀りすることによって確度の高い情報を得られ、「本当に候補者が取り組んだのか?」といった懸念を払拭できるでしょう。

コミュニケーション能力

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候補者の人柄を理解するには、コミュニケーション能力から判断していきます。コミュニケーション能力は、即戦力人材が活躍するために重要な能力のひとつです。

コミュニケーション能力は、簡単な自己紹介からでも判断できます。候補者とコミュニケーションをとることで、自社の社風やカルチャーにマッチしているか確認できるでしょう。

また、業務やキャリアの質問を深堀りをすることでもコミュニケーション能力は確認できます。分かりやすい表現で相手に説明できていたり、自身の考えを論理的にまとめて話せていたりすると、コミュニケーション能力は高いと評価されます。

人柄

仕事をするにあたって、一緒に働く人の人柄は重要となってくるでしょう。会社ではチームワークが求められるため、どんなに優秀なスキルを持っていても他の社員と協力できなければ、仕事を円滑に進められません。

面接の中で候補者の人柄を判断するには、過去の経験を質問するのが効果的です。過去の経験から、候補者が「大事にしていること」が見えてきます。人柄が明確になれば、チーム内のどのような役割で最も活躍できそうか判断できます。

人柄を判断するにあたり、以下の質問は配慮すべき事項となっているため注意しましょう。

・国籍
・本籍・出生地
・家族にかかわること
・家庭環境にかかわること
・宗教や支持政党
・人生観や思想
・社会活動
・尊敬する人物
・愛読書

詳しくは厚生労働省のサイトを参考にしてください。

▶️厚生労働省:就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例

中途採用におけるコストや費用

cost

中途採用では、採用計画段階から入社に至るまで、さまざまなコストや費用が発生します。
ここでは中途採用でどのようなコストや費用が発生するのか、推移と合わせて紹介していきます。

一人当たりの平均採用コスト

就職白書2020のデータによると、中途採用における一人当たりの平均採用コストは2018年で83万円、2019年で103.3万円でした。経験や実績がある即戦力ほど、採用コストは高くなります。

また、職種によって異なりますが、エンジニアをはじめとした専門職も採用コストは高くなる傾向です。

採用コストには外注費の「外部コスト」と、社内の採用業務にかかる「内部コスト」の2種類があります。一人当たりの採用にかかる費用は以下の指標で考えられます。

採用単価=採用コスト総額÷採用人数

多くの企業では、昨年度と比較して一人当たりの採用単価をどれだけ削減できたか、限られた予算で良い人材を採用できたかなどを目標としています。

中途採用コストの推移

ratio

就職白書2020をみると、2018年から2019年にかけて、中途採用では約20万円採用コストが増加しました。厚生労働省の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率は2022年7月から2023年7月まで横ばい傾向ですが、過去10年と比較してみると上昇しています。

1人あたりの求人数が増えるほど求職者は仕事を選べる立場になるため、採用が長期化し、コストがかかってきます。今後有効求人倍率の増加が見込まれると、さらに採用コストは上がっていくでしょう。

企業の中途採用担当者は、コスト削減の施策も考えていかなければなりません。

中途採用のコストを抑えるための方法

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中途採用のコストを抑えるためには、採用コストの総額を細分化して考えてみましょう。外部コストと内部コストに分けて考えることで、1人採用するのにいくらかかっているかがわかります。

どの手法でどのくらいの採用単価がかかっているのか比較することで、コストパフォーマンスが低い採用手法やサービスがわかります。利用しているサービスの会社ごとに、1人あたりの採用にいくらかかるのか、わかりやすくまとめておくとよいでしょう。

また、中途採用のコストを抑える手段として、採用代行やダイレクトリクルーティングの活用もおすすめです。

採用代行とは、採用業務を外部に委託することです。採用工数の削減や従業員不足が解消されるため、注力したい業務に専念できます。費用対効果を考えると、相対的なコスト削減につながります。

ダイレクトリクルーティングとは、求職者データベースの中から欲しい人材を直接スカウトする方法です。ダイレクトリクルーティングには、データベースの利用料を支払う「先行投資型」と、採用が決定したら費用が発生する「成功報酬型」の2種類あります。

先行投資型は、一度データベースの利用料を支払えば、数か月〜1年単位でデータベースを利用できます。期間内であれば何人採用しても料金を一律に抑えられるのが特徴です。成果報酬型は、初期コストがかからないため、成果と支払いのバランスを取りやすいでしょう。

それぞれうまく活用することで、結果的に中途採用コストの削減が期待できます。

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まとめ

中途面接において採用担当者は、候補者の職務スキルだけではなく人柄も見極めることが重要です。スキル面や人物像のそれぞれをバランスよく評価することで、自社にマッチした優秀な人材を採用できます。

今回紹介した質問例を参考にして、中途採用面接を実践してみましょう。

また、採用コストの削減に悩んでいる企業様は中途向け人材採用スカウト代行のPRO SCOUT(プロスカウト)も検討してみてください。
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