ダイレクトリクルーティングとは?メリットや実際の業務内容を紹介!

ダイレクトリクルーティングとは

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(2020年9月10日最終更新)

「ダイレクトリクルーティング」で採用しているという話を最近よく耳にする…でもなんだか手間がかかりそうだし、自社で運用できるのだろうか?そういった不安を抱えている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、今まで80社以上のダイレクトリクルーティングの運用代行をしてきた経験を基に、中途(キャリア)採用領域にスポットを当てて、どこよりも詳しくダイレクトリクルーティングについて解説していきます。

<こんな疑問を解消します>
・ダイレクトリクルーティングってそもそも何なの?
・人材紹介と何が違うの?コストはどのくらい?
・導入するとどんな業務が発生するの?

ダイレクトリクルーティングとは?

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ダイレクトリクルーティングとは、企業の人事/採用担当者などが「直接」転職希望者や転職潜在層に対してアプローチを行うPUSH型の採用手法のことです。

これまでの転職市場では、求人メディアに広告を出し応募を待つ、人材エージェントを利用して紹介を待つ、つまり何か(誰か)を間に挟んで「待つ(=PULL型)」採用でした。

それに対してダイレクトリクルーティングでは、企業の採用担当者が自ら、BIZREACH等に代表される候補者データベースにアクセスします。そして、自社の採用要件にマッチした候補者をデータベースから探し出して、スカウトメールを送るなどのアプローチを行います。

ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット

メリット

(1)採用要件に適した対象者のみとやりとりできる(=対象外の候補者とのやりとりが発生しない)

PULL型の採用と異なり、応募に対してお断りの連絡をする必要はありません。経歴を見て直接選んだ候補者とのみ面接を組むことができます。

(2)転職潜在層へアプローチができる

現時点で転職活動を行っている、もしくは検討している層を「転職“顕在”層」と呼びます。それに対して、転職活動は行っておらず、良い求人があれば転職を一つのキャリアオプションとして考えている層のことを「転職“潜在”層」と呼んでいます。

転職潜在層の特徴をまとめると下記の表のようになります。現在の職場で活躍している層にもアプローチできるのはダイレクトリクルーティングの大きな強みです。

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(3)データベースを直接検索するため、採用市場のトレンドを把握できる

自社が求めている職歴や能力の人材が、どのくらい存在するのかを確かめられます。候補者の年収レンジも一目瞭然のため、自社の採用要件が年収と見合っているか見直すことができるでしょう。

(4)採用計画が立てやすい

採用計画通りの人数を採用するにあたって、ダイレクトリクルーティングであれば、「いつまでに何通のスカウトを送る」という具体的なアクションに落とし込むことができます。さらに、採用コストも大方の想定をつけることが可能です。

(5)採用担当次第で効果が高められ、企業としての採用力も鍛えることができる

エージェントを介さず候補者を引き付けるためには、採用担当者が自社の魅力やターゲットの整理を続けていく必要があります。結果として、他の採用手法でも高い効果を発揮できる採用力を形成することができるのです。

デメリット

(1)担当者に大きな工数がかかる

ダイレクトリクルーティングには、候補者選定からスカウトメール送信、応募者対応まで大きな工数がかかります。採用担当が1名などの場合は、採用代行の利用を検討するのも手でしょう。

採用代行を選ぶ際のポイントは、こちらの記事で紹介しています。

(2)現場部門など、社内関係者を巻き込む必要がある

特にエンジニアなど難しいポジションでは、現場部門に候補者選定をお願いする場合もあります。カジュアル面談でも直属の責任者が対応することで効果を高めることができるので、社内関係者を巻き込めるかは大切なポイントです。

(3)導入してから効果を出すまでに時間がかかる

初めは高すぎる要件の候補者にばかりスカウトを送ってしまい、返信が全くこない場合があります。候補者要件の調整やスカウト文面の改善を繰り返すことで、徐々に返信が増えていきます。特に中途採用の場合、最低でも3ヶ月は我慢が必要です。

一般的なメリット・デメリットを紹介しましたが、ダイレクトリクルーティングは、導入する会社次第で効果が変わってしまう手法です。デメリットにあるように採用担当者の負担は大きいため、担当者自身に会社全体の協力を集めてダイレクトリクルーティングを推進していく気概がないとどうしてもうまくいきません。

継続して改善を繰り返していける会社であれば、幅広く優秀な候補者にアプローチできる手法であり、非常にオススメです。

採用手法としての特徴

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採用手法を検討するにおいて抑えておくべき項目は、「採用できる人材の質」、「採用できる人材のボリューム」、「採用期間」、「工数」、「費用」の5つであると考えます。

それぞれの項目について、ダイレクトリクルーティングはどのような特徴があるか解説します。

採用できる人材の質

質が高い=市場価値が高い=希少な人材を採用することができます
こちらは先ほど解説した通り、PUSH型の採用手法であり、転職潜在層にアプローチできるからです。

採用できる人材ボリューム

「採用ポジション(職種)」×「1ポジションにおける採用人数」によって変動します。

ダイレクトリクルーティングでは、1ポジションで多くの人数を採用するのは難しいです。1名採用するのには平均で250〜1000通のスカウトの配信が必要と言われています。10名採用するために10000通送ればいいのではと思われるかもしれませんが、送信対象は無限にいるわけではありません。同じ採用要件でスカウトを続けていると、どこかで送信対象がいない状況に陥ってしまいます。そのため、人材要件が厳しい場合は、契約する媒体を増やすか、返信率を高めることが必要です。

一方で、募集ポジションの数が多く、一つのポジション当たりの採用人数が少ない企業の場合は、ダイレクトリクルーティングだけで人材を確保できる場合もあるでしょう。

採用期間

採用したい人材や、運用力次第で変動します。

優秀な転職潜在層を獲得したい場合、現職のプロジェクトがひと段落着いてからであれば入社する、と言われることもあります。転職健在層であれば、面接までのリードタイムが短い分(スカウトに返信があった翌日に面接を組むことも可能)、むしろ人材紹介より早く入社決定できる場合もあるでしょう。

運用力に関しても、前述の通り初めてダイレクトリクルーティングを導入した企業では一人目の入社決定まで3か月程度必要なことがほとんどですが、ダイレクトリクルーティング勝ちパターンを見つけている採用担当者の場合は、他の採用手法よりも採用期間を短縮できる可能性も十分にあります。

工数

非常に大きな工数が発生します。詳しくは「ダイレクトリクルーティングに伴う実際の業務内容とは?」の章で解説しますが、候補者選定からスカウト送付、返信がきたらカジュアル面談の設定…と、やるべきことは山積みです。
そのため、スカウト業務や日程調整等をアウトソーシングしている企業も見受けられます。

費用

採用したい人材・運用力次第で変動はしますが、手間がかかる分、基本的に1名あたりの採用コストは人材紹介等より安くなることが多いです。人材紹介より採用コストが嵩んでしまっている場合は、返信率や辞退率を見直し、ネックとなっている部分を改善する必要があります。

こちらも、詳しくは「ダイレクトリクルーティングにかかる費用はどれくらい?」の章で解説しています。

各社のダイレクトリクルーティング導入状況とは

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当社アンケートを踏まえた印象は下記のとおりです。

大企業(上場企業)

中途採用を積極的に行っている企業の多くは導入している印象です。特にエンジニア等の専門職を採用する企業では積極的に利用されています。しかし、未だに新卒一括採用が中心で、離職率も低い大企業の場合は、導入していない場合も多いです。

中小企業

そもそもダイレクトリクルーティングという採用手法の存在を知らない企業も多い印象です。また、一度導入したことはあっても、使いこなせなかったり、短期的に結果が出なかったりして、運用を停止してしまっている企業も見受けられます。

資金調達済スタートアップ

ほぼ全てに近い会社で導入されており、ダイレクトリクルーティングの効果を出すための運用のPDCAがしっかりと回されています。最もダイレクトリクルーティングが活用されている企業群です。

ベンチャー・スタートアップ

約半数程度が導入している印象。採用に注力する会社は、Wantedlyの掲載と合わせてダイレクトリクルーティングを導入しています。

ダイレクトリクルーティングにかかる費用はどれくらい?

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ダイレクトリクルーティングでかかる費用は、「媒体費用」「人件費」の2つです。

人件費とは、目標採用人数から必要な配信スカウト数を逆算し、そのスカウトを送る工数分の人件費を指します。参考までに、スカウト1件あたり5〜20分程度かかるとされています。100通送るには500分(=8時間)の時間の捻出が必要です。

媒体費用に関しては、媒体によって2パターンに分けられます。

成功報酬型

ビズリーチやGreen、AMBI/ミドルの転職などがこちらです。
導入費やスカウト通数に応じた金額に加えて、年収の10~20%の成功報酬が発生します。
※成功報酬型といっても、人材紹介のようにサービス導入時に費用が全く掛からないサービスは一般的ではありません。

先行投資型

LinkedIn、doda Recruiters、Wantedlyなどがこちらです。
導入費やスカウト通数に応じた金額のみで、採用決定時の成功報酬は発生しません

※媒体ごとの費用について詳しくは、ダイレクトリクルーティング徹底比較レポート2020で解説しています。

ダイレクトリクルーティングの費用を大きく左右するのが、1名採用する為に必要なスカウト配信通数です。

5~10%の返信率を維持し、一次面接通過率や内定受諾率も高いパーセンテージを保つ事ができているのであれば、コストを抑えての採用が可能です。成功報酬型のサービスもありますが、手数料率が高くないため、人材紹介と比較すると採用コストは抑えらえるでしょう。

一方で、返信率が上がらない、現場の面接官との連携が取れずに候補者が辞退してしまうといった状況だと、1名採用する為に必要なスカウト配信通数は増え、その分コストは嵩んでいくので注意が必要です。

ダイレクトリクルーティングに伴う実際の業務内容とは?

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①配信前準備(KPI策定・媒体選定・カジュアル面談担当者決め・配信担当者決め)

ダイレクトリクルーティングを導入すると決めたら、まずKPI策定を行います。採用目標人数を起点に、「何名面接すればよいのか」→「何名から返信をもらえればよのか」→「何名にスカウトを配信すればよいのか」を逆算していきます。

「何名にスカウトを配信すればよいのか」を決めたら、媒体を選定します。1000通送る必要があるのであれば、媒体には登録者数はその3〜4倍程度の3000名〜4000名登録されている必要があるでしょう。採用は競争のため、他にどんな企業が利用しているかも重要なポイントです。

次は、スカウト返信後の最初のタッチポイントとなる「カジュアル面談」担当者を決めます。多くの場合、カジュアル面談は、候補者の想像を超えるインパクトを与えられる現場責任者or役員クラスをアサインします。

最後に、実際にスカウト配信業務を行う方を決めます。候補者選定までは採用担当者が行い、スカウト送付のみ派遣社員やアルバイトに任せるといったやり方でもよいでしょう。

②候補者検索とスカウトを送る候補者のリストアップ

配信準備が整ったら、実際に媒体上でアプローチ対象となる候補者を検索して、リストアップします。希少な人材を探したい場合には、何百万人のデータベースの中から、何度も何度も検索条件を変えて調べる必要があります。

③スカウトメール作成

スカウトメールは一斉送信ではなく、「あなただけ」に送っていることをアピールできる文面にしましょう。スカウトを受け取った候補者に興味を持ってもらうためには、候補者一人ひとりの職務経歴書を読み込み、文面をカスタマイズしてスカウトを送らなければなりません。基本的に面接確約でのスカウトになります。

④スカウト返信後の対応(日程調整)

候補者にスカウトメールを送ると、返信が届き始めます。面接確約のスカウトの場合、書類選考は不要です。返信をもらったら、なるべく早く日程調整をすることがとにかく重要です。候補者側は、他の会社も受けている可能性もあり、時間が経てば日程調整中に辞退という最悪な事態を招きかねません。

⑤面談や面接の設定

ダイレクトリクルーティングでは、エージェントのような第三者が介入しないため、候補者の意向は誰も教えてくれません。採用担当が候補者の意向を常にウォッチしながら、状況に応じて、面接官や選考フローを調整します。

⑥振り返り運用

ダイレクトリクルーティングを行う際に最も重要なのはこの振り返り運用です。スカウト配信後に、どのくらいの返信率だったのか、返信率を上げるためには何が必要なのか、さらには返信後から採用決定までの歩留まりは適正だったのか、しっかりとPDCAを回し、改善していく事が必要です。

振り返りの方法についてはこちらの記事で、事例をもとに紹介しています。

最後に

ダイレクトリクルーティングについて、そのメリットや費用、実際の業務内容について詳しくご紹介してきました。少しでもイメージが湧きましたでしょうか。

いまや、ダイレクトリクルーティングは他の企業より早く優秀層にアプローチするためには欠かせない採用手法になってきています。よく分からない、大変そうなどの理由で導入をためらっている企業担当者の方も、一度検討してみてはいかがでしょうか?