採用力を強化するには?新卒と中途に分けて説明

採用

採用が売り手市場の昨今、「採用力を強化したい」と思う採用担当者の方は多いのではないでしょうか?

今回は、そんな方のために、そもそも採用力とは何か、どのような施策をすれば採用力を強化できるのかを解説します

なかなか採用活動の成果が出ない、今後の採用活動に不安がある採用担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

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そもそも採用力とは?

採用力という言葉は造語であり、明確な定義があるわけではありません。

ただし、採用力検定を主催する一般社団法人 日本採用力検定協会では、採用力を「組織および社会に有益な採用活動を設計・実行する力」と定義しています

また、採用力は以下のように、5要素で構成されているとしています。

採用力とは
採用に向き合う姿勢(マインド)のもと、採用をより良くする知見(ナレッジ)と技能(スキル)を身につけ、採用に対する広い視座(パースペクティブ)を持って、目の前の採用業務に関する意思決定を行う(アクション)。それが「採用力」です。

引用:採用力とは|一般社団法人 日本採用力検定協会

つまり、下記が「採用力」と言えるでしょう。

・採用に真剣に向き合う姿勢を持ち、採用に関する知識とスキルを身につける
・自社に最適な採用戦略や採用手法、マッチする人材の採用を決定する

採用力の強化でつまずきがちな企業の特徴

各企業は採用力を強化するためにさまざまな施策を実施しようと画策しますが、中にはうまくいかない企業も。本章では、採用力強化でつまずきがちな企業の特徴を紹介します。

採用基準が曖昧で一貫性がない

採用基準が曖昧で一貫性がないと、採用力強化を図る際につまずきます。なぜなら、自社にマッチした人材を見極められないからです。

採用の基本として、まず採用すべき人物像を設定します。採用すべき人物像は、自社の事業計画に合わせ策定します。そして、採用決定を行う場合には、候補者が採用すべき人物像に近いかどうかで判断するのです。

この核となる採用すべき人物像が明確でなければ採用基準が担保されず、ミスマッチが起こります

ミスマッチの結果、早期退職されてしまったり入社後思った通りのパフォーマンスを発揮してくれなかったりといった問題が起こるのです。

このような結果では、採用は成功したとは言えず、採用力の強化にもつながりません。

選考プロセスの進行が遅い

選考プロセスが遅いのも、採用力強化でつまずきがちな企業の特徴です。

昨今は採用難の時代であり、候補者が企業を選べる立場にあります。候補者の心理として、就職活動を早く終わらせたいのはよくあることです。

そのため、選考プロセスの進行が遅く合否結果の通知も遅くなると、すでに他社に入社を決めている場合が多いのです。スピードを改善しない限り、内定承諾をもらえる確率は低下し、採用に至らない可能性が高まります

選考プロセスの進行の遅さの要因はさまざまですが、主に面接回数が多い、合否出しに時間がかかる、候補者へのレスポンスが遅いなどが挙げられます。適切な面接回数に設定し、候補者へのレスポンスを即時行うことで選考プロセスを早めましょう。

自社の魅力を伝えられていない

自社の魅力を伝えることは、採用において非常に重要な事項です。

求職者は、給与や福利厚生などの情報はもちろん、他社にはない魅力を感じることで志望度が高くなります。

自社の魅力を積極的に、かつ適切に伝えられていない場合は、採用力強化の大きな妨げとなるでしょう。

内定後・入社後のフォローが不足している

内定後のフォロー不足は、内定辞退やエンゲージメント低下につながります。

内定者が「自分は大切にされていない」と感じてしまうからです。「あなたを気にかけ、入社を心から楽しみにしている」ことが伝わる行動をとることが重要です。

また、入社後のフォローも忘れてはいけません。入社前と入社後のギャップや上司との人間関係・相談のしにくさ、仕事量など、早期離職につながる要因はさまざまです。

採用担当者の人手不足や業務過多、ノウハウ不足で内定後・入社後のフォローが不足していると、採用力強化にはつながりません。

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採用活動の改善への意識が低い

採用力強化にあたって、一番重要なのは、「マインド」の部分です。採用活動に課題感を抱き、原因究明を行い、改善し、効果検証を行う―このPDCAサイクルを回すには、それ相応のやる気と根気が必要です。

しかし、そもそも採用活動の改善への意識が低ければ、採用力強化は実現しません。

この場合、採用担当者自身の組織へのエンゲージメントやキャパオーバーが起こっている場合が多いです。企業は、採用担当者に任せきりにせず、「組織の課題」として採用力強化を行うべきでしょう。

【新卒・中途共通】採用力を強化する方法

前章までは、採用力強化につまずきがちな企業の特徴を紹介しました。では、つまずかないためにはどのようにすれば良いのでしょうか?本章からは、採用力を強化する方法について、「新卒・中途共通」「新卒」「中途」に分けてそれぞれ解説していきます。

採用に関する知識をインプットする

採用力強化に欠かせない事項として、まず挙げられるのは採用担当者の知識のインプットです。

採用難の現代を生き抜くためには、場当たり的な採用活動ではなく、しっかり戦略を立てることが必要です。

そのためには、まずは以下のような採用の基礎知識を身に着ける必要があります。

・採用市況の把握
・採用戦略とは何か、採用戦略の立案の方法
・採用手法、採用トレンドの認知
・近年の候補者ニーズの認知 など

採用関連の本を読んだり、採用関係の企業が行っているセミナーに積極的に参加するなど、知識のインプットを図りましょう。

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適切な採用戦略を立てる

知識をインプットしたら、自社に適した採用戦略を立案しましょう。

採用戦略とは、自社の事業計画に沿ったペルソナの設定や採用目標人数の決定、採用手法の決定などです。

根拠に基づいたペルソナ設定や採用人数の決定を行うことは非常に重要です。今後の採用活動の根幹に関わる部分ですので、採用戦略立案時は急がず、慎重に進めていきましょう。

とくに採用手法の決定は、採用数に直結します。
そのため、採用手法はどのようなものがあるのかをすべて把握し、自社にマッチしたものを選ぶことが重要です。行ったことがない採用手法でも、自社にマッチしそうであれば躊躇せず「まずはやってみよう」と挑戦してみる姿勢を持ち合わせていると思わぬ成功につながることもあります。

関連記事:採用手法の最新トレンド|多様化する採用手法の種類を比較

候補者への連絡を迅速に行う

候補者への連絡を迅速に行うことは、売り手市場の採用で採用力を強化するための必須条件です。

今や採用はスピード命とも言われています。候補者は、1日でも早く就職先を決めたいもの。中には、「内定を一番先に出してくれた企業に就職する」と決めている候補者もいます。

採用競合に勝つためには、少しでも早く内定出しを行えば、「あなたにぜひ入社してほしい」と継続した連絡を取り、入社意欲を醸成することも可能です。

書類選考の結果や面接日時調整の連絡を迅速に行うことで、選考スピードを加速できるでしょう。

採用ブランディングを行う

多くの企業がある中、自社を選んでもらうためには、自社を知ってもらうことが大前提です。いくら魅力的な制度や風土があっても、それを知ってもらえなければ意味がありません。

InstagramやXを使って自社の魅力を発信したり、社風を知ってもらうためのカジュアルミートアップを開催したりして、採用ブランディングを行いましょう。

中堅企業・大企業に関わらず、6割以上が採用サイトの制作を行っているという結果が出ています。次いで中堅企業はSNS活用、大企業はパンフレット・会社説明資料がランクインしていました。

出典:採用ブランディングにおける取り組み実態調査(株式会社PR Table)

内定後・採用後のフォローを怠らない

内定後・採用後のフォローは、内定辞退や早期離職を防止し、採用力強化につながります。

内定後は定期的に連絡を取ったり、配属予定先の社員との懇親会を開催したりすると良いでしょう。

採用後には、定期的な1 on 1を行うよう管理職に促したり、人事面談を半期に1度設けたりして、社員の不安や不満を把握することが重要です。

また、把握するだけにとどまらず、その意見をもとに改善していくことは必須です。

現役社員のエンゲージメントを高める

採用力を強化するためには、現役社員のエンゲージメントを高め、満足度を高めることも重要です。

採用活動は、採用担当者だけでは完結できません。募集要件のヒアリングや面接への同席など、現場社員に協力してもらうことは意外と多いもの。「この部署のため、この会社のために自分も協力したい」と思えるようにすることが重要です。

また、カジュアルミートアップなどを行う場合には、候補者は現場社員のリアルな意見を参考にします。現場社員から自社の魅力や働きやすさを語ってもらうことで、候補者に十分な魅力付けができるのです。

さらには、採用担当者の採用活動改善への意識を高めるためにも、現場社員だけでなく採用担当者のエンゲージメントを向上させる施策も重要です。

いずれも、社員満足度調査を定期的に行い結果に基づく改善を行ったり、定期的な1 on 1を行ったりすることで「会社はあなたの意見を真摯に受け止め、改善に努めている」姿勢を見せましょう。

上層部や総務、人事・労務が一体となり組織としてエンゲージメント向上を図ることが重要です。

必要であれば躊躇せずプロに頼る

ここまで、講ずべきさまざまな施策を紹介しましたが、いずれも人手とノウハウがなければ実施できません。

マンパワー不足や自社に採用に関するノウハウがない場合は、躊躇せずプロに頼りましょう

パーソルキャリアが行った調査※によると、「採用代行サービスを利用している」あるいは「利用したことがある」と答えた企業は4割以上。さらに、「検討したことがある」と回答した企業は全体の3割という結果が出ています。


このように、現在は多くの企業が採用代行を利用しています。採用代行の利用はコストがかかりますが、迅速な対応や採用ノウハウの共有など、得るものは多いです。今は多少コストがかかっても、ノウハウを蓄積し採用力を強化することが、将来の自社の採用活動のプラスになるでしょう。

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「採用とRPO」に関する調査|パーソルキャリア

【新卒】採用力を強化する方法

ここからは、新卒に関する採用力強化の方法を紹介します。

インターンシッププログラムの充実

インターンシッププログラムの充実は、情報感度の高い優秀な学生にアプローチしやすい方法です。

インターンシップの最大のメリットは、入社前と入社後のギャップが起こりにくい点です。そのため、ミスマッチを防ぐことができ、早期離職防止につながります。

株式会社マイナビが行った調査※によると、2025年3月に卒業予定の学生の89.5%がインターンシップ・仕事体験に参加したことがあることがわかりました


引用:2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)|株式会社マイナビ

この数値は2015年10月の調査開始以来、過去最高の数値を示しており、学生が積極的にインターンシップを活用していることがわかります。また、平均参加社数についても6.0社となり、こちらも過去最高。1社だけでなく多くの企業のインターンシップを経験することで就職企業を吟味する動きが垣間見えます。

同調査での「今後参加したいインターンシップの特徴」として、5割を超える回答があったものは3つ。「複数日程のなかから参加日を選べる」「対面形式で開催される」「採用選考で有利になる」です

学業やサークル活動、アルバイトなどと並行してインターンシップを経験するには、柔軟な日程設定が学生にとっては価値があるでしょう。また、コロナ禍でリモートでのコミュニケーションが増えましたが、近年は対面でのコミュニケーションや体験を望む学生が増えています。さらに、「採用選考で有利になる」ことは非常に魅力的な、インターンシップに参加する理由でしょう。


引用:2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)|株式会社マイナビ

これらの結果から、新卒採用の成功のためにはインターンシップの開催が大前提となってきていることがわかります。また、企業は学生のニーズに合わせインターンシップを開催することが求められています。

さらに、2025年卒以降の学生を対象に行われるインターンシップのルールが変わり、企業はインターンシップ時に得た学生の個人情報を採用広報活動開始後に利用できるようになりました。

つまり、今までインターンシップで得た個人情報はインターンシップ時しか使えませんでしたが、採用活動が開始した際に、そのアナウンスをできるようになったのです。学生にとっても、大学1年時からインターンシップに参加し企業・業界理解を深くできるようになり、自身のキャリアについてじっくり考えることができます。

ただし、個人情報を利用できるインターンシップには条件がありますので、必ず確認してくださいね。

ルール改正を機に、採用活動においてさらにインターンシップの重要性は高まると言えるでしょう。

コストや手間はかかりますが、インターンシップを開催することで学生に選ばれる企業の土俵に乗るよう努力することが重要です。

参考:インターンシップの推進に当たっての基本的考え方|文部科学省、厚生労働省、経済産業省

インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方|文部科学省、厚生労働省、経済産業省

大学との連携強化

大学との連携強化もまた、採用力を強化する一つの方法です。

大学との連携には、下記の種類があります。

・大学のキャリアセンター(就職課)と連携する
・研究室と連携する
・就職担当教授と連携する
・大学連携インターンシップを行う

大学のキャリアセンター(就職課)と連携する

学生の就職やキャリア支援を行っている大学の組織との連携です。関係性が築けていれば、合同企業説明会や業界研究セミナーなどの大学主催イベントに参加できる可能性があります。キャリアセンターに来る学生に、おすすめの企業として紹介されることも。キャリアセンター在籍のキャリアアドバイザーに自社の魅力や働きがいを伝え理解してもらうことで、たとえその大学出身のOB/OGがいなくとも、紹介してもらうことが可能です。また、通常キャリアセンターにはOB/OGの就職先リストがあります。

学生にとっては同じような属性であるOB/OGが働いている企業であれば安心感を得られ、働くイメージがしやすいものです。そのため、話を聞いてみたい、インターンシップに参加したいなどと、キャリアセンターを通して企業にアプローチしてきてくれる可能性もあります。

研究室と連携する

自社のOB/OGを輩出している出身の研究室との連携です。OB/OGから教授に紹介してもらい、連携します。教授から直接研究室の学生を紹介してもらえたり、研究室内で企業説明会を開かせてくれたりすることがあります。

就職担当教授と連携する

どの大学の学部にも、基本的に学部もしくは学科に1人、就職担当教授と呼ばれる就職やキャリアをマネジメントする教授がいます。就職担当教授とつながりができれば、推薦や求人票の受付などを行ってくれます。

大学連携インターンシップを行う

大学連携インターンシップは、近年注目されているインターンシップの形式です。その種類はさまざまで、地方に特化したもの、行政機関でインターンシップを体験できるもの、インターンシップを行いながらも単位を取得できるものなどがあります。

企業が企画・運営するインターンシップとは違い、大学から期間やプログラム内容を指定されるのが特徴です。自社で企画・運営するよりも手間はかかる可能性がありますが、大学が間に入ることで学生の参加意欲や安心感が高まり、優秀な人材が参加してくれる可能性が高くなります。また、採用ターゲットに合わせ連携大学を選定することで、通常集まりづらい専門性の高い研究職や希少人材のインターンシップ参加を獲得できるのです。

学生との接点を増やす

学生との接点を増やすことも、新卒の採用力強化には必要な施策です。SNSを通してDMを送るなどのダイレクトリクルーティングをしてみたり、積極的にカジュアルミートアップを開催したりすると良いでしょう。

また、現役社員や来春入社の内定者をリクルーターとし、就活中の学生を紹介してもらうリファラル採用活動などを取り入れると効果的です。

リファラル採用は、同じ属性の人を紹介してもらえる確率が高く、採用ターゲットに近い人材にアプローチする効果的な方法です。

早期選考の導入

採用活動の開始について、以前は日本経済団体連合会(経団連)がいわゆる「就活ルール」を定めていました。企業が採用活動を開始して良い時期を「解禁日」とし、定められていたのです。実際はそれ以前に採用活動を進めている企業が多く、機能していなかったのが現状でした。そこで、2018年にこのルールは廃止され、政府主導で就活ルールが提示されるようになったのです。政府主導になっても下記のようにスケジュールはあまり変わっていませんが、実際はかなり早期化しているのが事実です。

・広報活動開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
・採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
・正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日以降

 

参照:就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議

採用メディア運営やプラットフォーム提供を行う株式会社インタツアーが行った調査によると、2026年卒の学生の企業説明会参加は大学2年時が最も多くなるなど、年々早期化が進んでいることがわかります。


引用:24~26卒の就活スケジュール比較調査 25卒以降は早期化の傾向がさらに強まる—インタツアー

また、内定率に関しても、リクルートの研究機関「就職みらい研究所」の調査によると、2025年卒の2024年6月1日時点の大学生(大学院生除く)の就職内定率は82.4%と、6月選考解禁となった2017年卒以降、最も高い数値となりました。


引用:25卒の6月時点の内定率は82.4% 就活の早期化に対し、学生は賛否両論—リクルート調べ

このように、就職活動は年々早期化が進んでいます。優秀な人材を獲得するためには、企業はこの早期化に合わせなければいけません。

さまざまなデータを参考に、今一度自社の選考スケジュールを見直しましょう。

【中途】採用力を強化する方法

中途採用の採用力を強化する方法をそれぞれ解説していきます。

業界特化型の採用チャネルを活用

業界特化型の採用チャネルを活用するのは、中途採用力強化において重要な施策です。たとえば、エンジニアを採用したいのに、営業職に強い採用チャネルを活用しても効果は出にくいでしょう。

エンジニア採用であればGreenやpaiza転職、医療関係者採用であればiACTOR!、デザイナーなどのクリエイティブ職採用であればViViViTなど、現在はさまざまな特化型チャネルがあります。

それぞれ自社の採用したい職種に合わせて採用チャネルを選ぶと良いでしょう。

転職者の動機に重点を置いたアプローチ

転職者の動機に重点を置いたアプローチを行うことも、採用力を強化する一つの方法です。

たとえば、「今より高い給与を得たい」「給与は多少下がっても良いから、プライベートな時間を確保できる柔軟な働き方がしたい」「育児や介護のため、フルリモートワークがしたい」など、転職者の転職動機はさまざまです。

それぞれの理由に合わせ、アピールする自社の魅力を変えてアプローチしてみましょう。この施策を行うのであれば、必然的にダイレクトリクルーティングやヘッドハンティングなど、「攻めの採用」手法をとることとなります。

関連記事:攻めの採用とは?ピンポイント採用でコスパとミスマッチ防止を両立

過去のキャリアや実績を評価できる仕組み作り

過去のキャリアや実績を評価し、採用することは企業にとっても候補者にとってもメリットがあります。

企業にとっては、キャリアや実績が自社の求めているものとマッチしていれば、即戦力人材となります。

候補者にとっては、自身のキャリアや実績が認められ採用されることで自信となり、入社後も高いモチベーションを維持してくれるでしょう。さらに、そのモチベーションの高さからは学習意欲や自己研鑽意欲が生まれ、成長にもつながります。

そのため、採用時に候補者の過去のキャリアや実績を評価できる仕組み作りをすることが重要です。評価における比重を大きくしたり、過去のキャリアや実績に関する評価項目を細分化したりすると良いでしょう。

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採用力を強化した企業の事例

ここからは、採用力を強化した企業の事例を紹介します。

トヨタ自動車

トヨタ自動車は、言わずと知れた日本の自動車メーカーです。そんな同社は、幅広い職種や人材にあわせた採用活動の必要性を感じていました。そこで導入したのはリファラル採用です。

リファラル採用とは、社員の知人を紹介してもらう採用手法のこと。人数が多く規模が大きければ大きいほど、制度設計や浸透が難しいのがリファラル採用の特徴です。しかし、トヨタ自動車ではリファラル採用特設ページを開設したり、自社メディアを活用することで、見事に成功に導きました。

リファラル採用特設ページでは、社員がいつでも制度内容を確認することができるようにしました。自社メディアでは、理念やビジョン、職場環境や業務内容に関する情報を掲載することで、社員の知人が共感し、応募したいと思える情報発信を行っています。

質の高い人材の採用に成功し採用力強化につながっただけでなく、社員のエンゲージメントも向上し、組織の士気も上がったとのことです。

参考:リファラル採用|キャリア登録・募集要項 – トヨタ採用情報

株式会社タグチ工業

株式会社タグチ工業は、建機用アタッチメントを製造する企業です。

そんな同社は、2021年度に岡山県立大学と連携し「大学連携インターンシップ」を実施しました。それまで自社でインターンシップを実施していましたが、「大学と関係を築きつつ学生のために何かができれば」という想いが強くなり大学連携インターンシップの実施を決意。

テーマに沿ったプログラムを用意すれば、学生への周知や選考はすべて大学が担ってくれる点がメリットだと話す同社。参加した学生は、「必要な手続きに関して大学が主導してくれる安心感があった」「単位が取得できるのでありがたかった」と言います。

双方にメリットのある大学連携インターンシップ。「3‐1.インターンシッププログラムの充実」で紹介したように、今後インターンシップは新卒採用を行う企業にとっては非常に重要な位置づけとなります。

参考:普通のインターンと何が違う? 「大学連携インターンシップ」のすすめ|インディード

LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社

LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社では、内定防止を狙いとし、新たなインターンシップの形を実施しました。

今までは、人事部が主導でインターンシップの内容を決めていましたが、今年行われたインターンシップでは、新卒を募集している部署が決めたのです。受け入れ後の指導も新卒募集部署が担いました。

また、昨年度の採用より、入社後に配属先が決まる「総合職採用」から、希望部署が選べる「ジョブ型採用」に変更した同社。近年、「配属ガチャ」を避けたい学生が多い傾向にあるからです。「配属ガチャ」とは、入社後の勤務地や職種、配属先の上司や先輩との相性など、当たりはずれがあることを指す言葉です。

リクルート就職みらい研究所の調査によると、就活生の70%以上が入社前に配属先を決めて欲しいと考えていることがわかっています。


引用:【2024年卒 就職活動TOPIC】入社後の配属希望と確定状況(6月12日時点調査)|リクルート就職みらい研究所

現場と学生のニーズに応えるインターンシップを実施し、内定辞退やミスマッチを減らす施策をとることで、採用力を強化しています。

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まとめ

今回は、採用力強化とは何か、採用力強化をする方法などを紹介しました。

今後、採用難がますます深刻化する中で、各企業にとって採用力の強化は必須の施策です。

貴社もぜひ、今回紹介した方法をぜひ試し、採用力強化を図ってみてくださいね。

投稿者プロフィール

大久保 さやか
大久保 さやか
SIerにて中途エンジニア採用を経験。また、リファラル採用支援サービスを提供する企業での従事経験もあり、リファラル採用領域の知見を持つ。