新卒エンジニア採用の成功ポイントや採用手法・おすすめ媒体を解説
・新卒エンジニア採用を開始したけど、何から始めたらいいかわからない・・・
・次期新卒採用に向けて、そろそろ準備を始めようと思っている
・去年の新卒採用で未達だったが、万策が尽きて他の打ち手はないだろうか・・・
このようなことをお悩みではないでしょうか?
本記事を読めば、新卒エンジニア採用における以下のことがわかります。
・新卒エンジニア採用の市場感
・採用活動を行う際のポイントや注意点
・主要な採用方法
・自分の企業にあった採用手法
まずは、そもそもの新卒エンジニア採用の市場感について説明していきます。
目次
新卒エンジニア採用の市場感
結論からお伝えすると、新卒エンジニア採用は苛烈(しれつ)を極めています。
3つのデータから紐解きます。
1つ目は、25卒の有効求人倍率は、1.75倍であり、新卒の採用マーケットが「売り手市場になっている」ことです。
リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」
2つ目は、経済産業省がリリースした、国内のIT人材の不足状況を表すデータです。
2030年に最大約79万人のIT人材が不足することを示唆しており、国内のITエンジニアが大幅に不足していることがわかります。
どの企業もIT人材を欲しており、新卒採用でIT人材を確保しようと考える企業も多くなります。
3つ目は採用ターゲットになる可能性が高い、情報系学生の数についてです。
佐賀大学の掛下哲郎教授によると、情報系教育を受けた学生は2.8万人と言われています。
全員が民間企業就職を目指す訳では無いので、実質的に約2万人程度が就職活動を行うものと推測されます。
新卒就活を行う人数は全体で45万人程度に対して、メインターゲットの情報系学生は2万人程度。
このように、メインターゲットが少数であることがわかります。
※ 掛下哲郎・高橋尚子「国内750大学の調査から見えてきた情報学教育の現状-(3)一般情報教育編-」
※ 本データでは、26,112人と記載がありますが、アンケート回答率が85%なのを加味して、2.8万人程度と掛下教授は推測しております。
上記3つのデータから、新卒エンジニア採用市場は厳しいと捉えて間違いないでしょう。
主な新卒エンジニア採用手法
次に、具体的な新卒エンジニアの採用手法について紹介します。
エージェント
まだ新卒エンジニア採用を始めたばかりで、社内体制が整っていない企業にオススメの採用手法です。
採用にかかる費用は、1名決定で100万円程度になります。
オススメするエージェントは、RUNTEQをはじめとするプログラミングスクールです。
多くのプログラミングスクールが、卒業生を企業に紹介するエージェントの役割を有しています。
普通のエージェントよりも、プログラミング知識がありポートフォリオを持っている学生が多いため、積極的に提携していきましょう。
求人広告
求人広告には、リクナビ・マイナビといった大手媒体に加えて、Wantedlyなどベンチャーに寄った広告媒体もあります。
SIerであれば、リクナビマイナビ、ベンチャー系であればWantedlyといった使い分けを意識しましょう。
ダイレクトリクルーティング
学生が登録したレジュメをみて、企業側からスカウトを送り、マッチング後選考に誘致するサービスです。
新卒エンジニア採用では、このダイレクトリクルーティング中心で進めることを推奨します。
理由は2つあります。
1つ目は企業側からスカウトを送るため、企業の知名度が低くても学生と接点を作れるからです。
サービスによっては、学生のスカウト平均開封率が80%程度です。
そのため、知名度が低くて求人広告では学生が集まらない課題を抱えている企業には特に推奨します。
2つ目は1-2年生など、まだ就活を始めていない優秀な学生に早期からアプローチできるからです。
サービスによっては、1-2年生も登録しており、そういった学生に早期にアプローチできます。
これによって新卒エンジニアのタレントプールを形成して、より優位に採用を進めることができるでしょう。
具体的なサービスは記事の後半で紹介します。
大学のキャリアセンター
見逃しがちなのが、大学のキャリアセンターです。
まず大学のキャリアセンターに相談しにいく学生は一定数おり、大学とパイプを持っておくのは採用において有利に働きます。
パイプを作る方法は3つあります。
大学の就職課にアプローチする
就職課はどの大学にも必ず存在し、大学のHPに連絡先が記載されているので、そこから連絡をしてみましょう。
研究室にアプローチする
特に理系の研究室の教授とパイプを持っておくことで、エンジニア採用を優位に進められる可能性が高まります。
研究室のHPに連絡先が記載されていることが多いため、そこから連絡をするか、OB / OGが知り合いにいればその方に繋げて貰うよう依頼しましょう。
OB / OGの交流会に参加する
大学によっては、卒業後も繋がりを保ち続けられるよう、OB / OG交流会を開催しています。
OB / OG交流会は大学の様々な職員と交流できたり、大学とパイプを持つ方とも交流できたりする貴重な機会です。
自社にOB/OGがいる場合は、この機会を逃さず、参加しましょう。
新卒エンジニアを採用するポイント
次に、新卒エンジニアを採用するポイントと注意点を紹介します。
採用ブランディングに力を入れる
前述したように、新卒エンジニア市場は激化しているため、自社への入社によって、どのようなメリットがあるか伝えていく必要があります。
・条件面
・技術面
・カルチャー面
・職場環境面
上記の切り口で自社の魅力を考えて、継続的に発信していきましょう。
新卒エンジニアでの採用ブランディングに最も長けている企業は『ゆめみ社』です。
ゆめみ社のnoteは非常に参考になりますので、是非ともチェックしてみて下さい。
https://note.yumemi.co.jp/
自社エンジニアにOB訪問プラットフォームに登録して貰う
新卒エンジニア採用においては、
・なるべく早めに
・なるべく大勢
の学生と接点を持つことが大切です。
この2点を満たす手段が、Matcherやビズリーチ・キャンパスなどのOB訪問プラットフォームです。
このようなサービスに登録している学生は意欲が高く、優秀な可能性が高いです。
早い学生は学部1年生から登録している場合もあります。
そのため、優秀な学生に早期に接触できる可能性があります。
なるべく自社のエンジニアに登録して貰うよう呼びかけましょう。
また、大学によってはLINEのオープンチャットを使って、OB訪問をしている場合もあります。
自社に大学生のインターンがいる場合、オープンチャットがあるかどうかも聞いておくと良いでしょう。
足を使ってエンジニアに会いに行く
学生と接点を持つため、インターネット上だけではなく、実際に足を使って会いに行くことも大事です。
リアルで会うと、熱量が伝わって深い関係性になりやすいです。
足を使う方法には、2つオススメの方法があります。
大学のキャリアセンターと連携する
大学のキャリアセンターに行く学生は根強く一定います。
そんなキャリアセンターから学生を紹介してもらいやすくなるように、キャリアセンターに挨拶しにいくことも大切です。
特に地方学生はキャリアセンターを使って就活することが多いので、地方で新卒エンジニアを採用している企業は地元大学のキャリアセンターに挨拶回りをしましょう。
プログラミングコミュニティと提携する
最近は学生主体のプログラミングコミュニティが非常に増えています。
そういったコミュニティと提携しておけば、優秀なエンジニアと接点を持てる可能性が増えます。
Facebookやインスタグラムで、学生プログラミングコミュニティがないか調べてみましょう。
オススメのコミュニティを2つ紹介します。
新卒エンジニアを採用する際の注意点
新卒エンジニアを採用する際、企業が注意すべき点を紹介します。
実務経験や授業でのプログラミング経験を重要視しすぎない
新卒エンジニア採用では、授業でプログラミング経験がある情報系学生や、長期インターンで実務経験があるエンジニアを採用したい企業が多いです。しかし、それだけでは母数が少なく、採用が上手く行かない可能性が出てきます。
そのため、ポートフォリオを有している学生は文系にも会ってみる、未経験かつ文系の学生でも、コーディングテストを受けてもらい、問題なかったら選考を進めるといった形にして、間口を広げてみましょう。
面談を人事だけで実施しない
面談を人事だけで済ませることが多いですが、技術的な質問をされた時に答えられるように必ずエンジニアも同席してもらいましょう。
その際、エンジニアが面談で喋れるよう、ロープレや研修の機会を人事から提供することを忘れないようにしましょう。
スキルマッチを求めすぎない
新卒エンジニア採用では、スキルマッチよりもポテンシャルマッチが非常に重要になります。
そのため、目先の技術を確認するよりは、以下3点を見極めることが大切です。
・成長意欲があるか
自分から技術的な研鑽をしているか確認しましょう
・地頭が良いか
論理的なコミュニケーションができるかで判断しましょう
・長く働いてくれそうか
その人のモチベーションの根源がなにか見極めて、自社が提供できるものとマッチするか判断しましょう
具体的にどのような質問をすれば良いかわからない方は、こちらの記事をご確認下さい。
主要な新卒エンジニア向けダイレクトリクルーティングサービスの紹介
ここでは、新卒エンジニア採用で使われるダイレクトリクルーティングサービスについて紹介します。
LabBase
LabBaseは、理系院生がメインのDBを誇っており、5万人もの学生が登録しています。
また、登録学生の3割が東大・旧帝大といった優秀な学生が多く登録しているのも特徴です。
実際、筆者の知り合いの東大生も登録していました。研究室で登録するよう勧められるようです。
採用決定が顕著に出ている企業属性は、大手企業のため、大手企業が理系学生を採用したい際に導入しておいて間違いないでしょう。
詳しくはこの記事を参照下さい。
TECH OFFER
TECH OFFERは、LabBaseと同じく理系学生がメインのDBとなっており、登録数は3.5万人程度です。
LabBaseとの大きな違いは2点です。
1つ目は自動オファー機能が搭載されて、運用コストが下がっている点、
2つ目は比較的ベンチャー企業での採用決定も生まれている点です。
詳しくはこの記事を参照下さい。
Paiza新卒
Paiza新卒の特徴は大きく2つあります。
1つ目は優秀な学生が多く登録していることです。理系学生が全体の約8割、MARCH以上の学生が全体の3割なので、優秀な学生が多い採用媒体といえるでしょう。
2つ目は独自テストの存在です。会員登録の際に、この独自テストを受け、その出来によってスキルレベルが可視化されます。
学生が持つスキルが定量化されているため、優秀な学生を狙い撃ちしやすいのが大きな特徴でしょう。
ビズリーチ・キャンパス
ビズリーチ・キャンパスは、これまで紹介したサービスと異なり、エンジニア採用に特化していないものの、登録している約8割が上位校所属であり、優秀な学生と出会える媒体です。(そもそも、特定の大学に所属していないと登録できない仕組みになっています)
また、他と大きく異なる点として、OB訪問サービスも揃えており、学生と早めに接点を作りにいきたい企業にオススメです。
詳しくはこちらの記事を参照下さい。
OfferBox
OfferBoxは国内最大の新卒ダイレクトリクルーティング媒体です。
登録人数は圧巻の24万人で、平均オファー開封率は約80%と高い数値を誇ります。
とにかく多くの学生にアプローチしたい、エンジニア以外の職種にもアプローチしたいという企業にはうってつけの媒体でしょう。
詳しくはこちらの記事を参照下さい。
Wantedly
Wantedlyは新卒採用も中途採用もどちらも対応している媒体です。
求人広告の機能も備えているため、こちらからスカウトするだけでなく、学生から直接応募してもらえる可能性もある媒体です。
大きな特徴として、「志でつながる」というコンセプトのため、年収などの条件面の記載ができません。
そのため、条件面で劣るベンチャースタートアップにオススメの媒体といえるでしょう。
詳しくはこちらの記事を参照下さい。
ONE CAREER
ONE CAREERの大きな特徴はなんといっても登録人数です。
就活で最も利用したサービス2位に君臨し(1位はマイナビ)、32万人の学生が登録しています。
動画コンテンツや、大規模イベントを多く開催しており、集客力が強いため、登録学生が増えています。
登録している学生も大手志向の学生が多いため、大手企業向けのサービスといえるでしょう。
詳しくはこちらの記事を参照下さい。
サポーターズ
サポーターズは、エンジニア学生の3人に1人が登録する、国内最大級の新卒エンジニア採用支援サービスです。
スカウト機能に閉じることなく、イベントや人材紹介といった多様な手法でエンジニア学生と接点を持つことができます。
ハッカソン・技術勉強会等を年間150回以上開催しており、優秀な学生が多く登録しています。
企業の特色に応じたオススメの新卒エンジニア採用手法
この項目では、企業の特色に応じたオススメの採用手法を紹介します。
地方企業
地方企業のエンジニア採用における課題は、母集団が形成できないことです。
なぜなら
・そもそも地方にエンジニアがいない
・地方にエンジニアがいても、首都圏で就活をしたがる
からです。
そんな地方企業には、母集団形成をしやすい手法で採用を進めることをオススメします。
ここでは、4つ紹介させて頂きます。
OfferBox
前述したように、OfferBoxは登録者が24万人程度と非常に多く、地方学生の登録も多いです。
また、オファー開封率も82%程度のため、知名度が低い企業でも有効に採用活動ができるでしょう。
大学キャリアセンター
地元ではなく都心で就活する学生が増えているのは周知の事実でしょう。
しかし、キャリアセンターに来る学生は、地元に根ざして働きたいと思う学生も多いです。
そのため、会社近くの大学のキャリアセンターと関係性をつくり、自社を紹介してもらいましょう。
TECH OFFER
自動オファー機能がついているため、運用コストも低いですし、地方企業での採用決定も生まれています。(地方採用事例:https://sonar-ats.jp/special/saiyouwo_kaeyou/story01/)
人手不足になりがちな地方企業で採用決定が生まれている貴重な媒体なので、困っている地方企業は話を聞いてみることをオススメします。
自治体提携
また、自治体によっては、IT人材を育成するために以下のような取り組みをしている場所もあります。
自社が在籍している自治体で、このような取り組みをしていれば、提携するのも1つの手でしょう。
ベンチャー
ベンチャー企業でのエンジニア採用で大切なことは、自社カルチャーを形成してくれる学生を採用することです。
そのため、カルチャーマッチするかつポテンシャルを感じる学生を採用することが大切です。
このようなニーズに答える採用媒体を紹介します。
Wantedly
Wantedlyは「志で繋がる」をコンセプトにしているため、求人票の構成からカルチャーの訴求が可能です。
例えば、企業ページや求人票には「なぜやっているのか」という事業コンセプトの説明欄があります。
また、年収面の記載ができないことから、学生も条件面よりもカルチャーマッチするかを判断軸にしているため、自社とカルチャーマッチする学生を見極められます。
Paiza新卒
Paiza新卒の1番の特徴は、独自テストによって学生のスキルレベルを可視化する点です。
自分の技術を可視化されることもあり、技術が好きな学生が多く登録しており、成長志向の高い学生が多いです。
また、大学と提携してイベントをしたり、プログラミングが好きな人に刺さる独自の集客方法で集客したりしているため、優秀な学生が多い点も特徴です。
大手
最後に大手企業にオススメの採用手法を紹介します。
大手企業の採用活動における主要な課題は2つです。
・目標採用人数が多い
・採用要件が高い
上記2点を解消できる手法を3点紹介します。
ONE CAREER
ONE CAREERは前述したように、32万人の学生が登録している大規模なDBが特徴です。
また、登録層も優秀な大学に所属している方が多いです。
そのため、大人数かつ優秀な学生にリーチできる媒体といえます。
ONE CAREER上で行える合同説明会やセミナーで、一度に多くの学生にリーチできて、採用活動を効率的に行える点も魅力的です。
ビズリーチ・キャンパス
ビズリーチ・キャンパスの大きな魅力は、特定の優秀な大学に所属していないと登録できない仕組みになっているため、優秀な学生しかいないDBになっている点です。
また、学生も大手志向の学生が多いです。
そのため、優秀な大学に絞ってリーチしたい大手企業にオススメの媒体です。
LabBase
LabBaseは登録層の3割が東大・旧帝大生で構成されている、かつ理系学生に特化しているため、非常に優秀な学生にリーチしやすい点が特徴です。
また、採用決定も大手企業中心で生まれているため、大手企業での採用決定に実績があるかつノウハウも蓄積されています。
大手企業で理系学生を採用したいと思ったら、LabBaseを導入しない手はないと言えます。
以上がオススメの採用手法の紹介でした。
しかし、企業によって課題が異なるため、打ち手が変わってきます。
採用リソース、ノウハウがないとお悩みの企業担当者さまへ
ここまで、新卒エンジニア採用について解説しました。
そうはいっても、
・新卒、中途と採用業務を兼任しているためリソースがない
・新卒エンジニア採用を始めたばかりでノウハウがない
といったお悩みをもつ企業担当者さまも多いと思います。
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参考:IT業界に強い就活サイトおすすめ5選|新卒エンジニア向けに比較|サクフリブログ
投稿者プロフィール
- 担当案件の8割がWebエンジニア案件で、大手SIerから10名規模のスタートアップまで幅広い決定実績を持つ。返信率を0% → 23%に向上させた事例や、中堅SIer企業を担当2ヶ月で2名採用決定した事例あり。
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