「うまく採用できない…」とお悩みの担当者必見|原因や対策方法を解説

人材獲得競争が激化する昨今、「うまく採用できない…」と悩まれている採用担当者の方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんな採用担当者の方向けに、うまく採用できない原因やとるべき対策を紹介します。

採用難を勝ち抜きたい採用担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

採用活動がうまくいかないのは大きく分けると2パターン

「採用活動がうまくいかない」と一口に言っても、その意味は大きく2パターンに分けられます。それぞれ解説していきます。

採用はできても早期離職やミスマッチが多い

「採用活動がうまくいかない」の指す一つ目の意味は、採用はうまくいったが早期離職やミスマッチが多い場合です。

売り手市場の採用市場を勝ち抜き、やっと人材の採用に成功しても、その後すぐに離職されてしまったり、「思っていた仕事内容と違う」「想像していた社風と違った」などのミスマッチが起こったりしては採用活動がうまくいったとは言えないでしょう。

そもそも人が集まりすらしない

「採用活動がうまくいかない」が指す二つ目の意味は、そもそも募集段階で人が集まらず、思った通りの採用活動ができない場合です

「人が集まらない」の中にも3つの下記の種類があります。

・応募が0人だった
・少ない応募数で人材の厳選ができなかった
・応募は一定あったが、自社の求める人材ではなかった

応募が0人では、採用活動をしたくてもできません。また、応募数が少なかったり、応募は一定あっても自社の求めている要件を満たしていない場合には、なかなか理想の人材に出会えず、採用活動は苦戦してしまいます。

うまく採用できない原因とは?

採用活動がうまくいかない原因は、適切な採用手法を選択できていない、良質な母集団形成ができていないなどがあります。それぞれ解説していきます。

適切な採用手法を選択できていない

適切な採用手法を選択できていないと、母集団形成がうまくできなかったり、求めている人材に出会える可能性が低くなります。

採用活動での従来の募集方法は、求人サイトか人材紹介が主流でした。しかし、昨今の人口減少による人手不足に伴い、「攻めの採用」と呼ばれるダイレクトリクルーティングやリファラル採用が台頭してきました。

つまり、多様化する採用手法の中から、自社のターゲットに合う適切な採用手法を選択することが求められているのです。

まずはどのような人材が欲しいのかを明確にし、さまざまな採用手法やターゲットが集まる採用媒体などを調査しましょう。

関連記事:攻めの採用とは?ピンポイント採用でコスパとミスマッチ防止を両立

求人情報で魅力が伝わっていない

採用手法の選択は合っているのに、採用活動がなかなかうまくいかない場合があります。そのような場合は、自社の魅力が求人情報で伝わっていない可能性が大きいです。求人情報の内容や露出期間などを見直してみましょう。

現在は求人が無数にあり、求職者側が企業を比較し、吟味できる立場にあります。求職者が求めている情報をしっかりリサーチし、ニーズに合った情報発信を行いましょう。

求職者が求める情報は、具体的には下記です。

・具体的な仕事内容
・給与
・福利厚生
・社員の年齢分布、男女比 など

とくに、「具体的な仕事内容」については、株式会社ONEが行った調査※1によると、採用サイトで求職者が知りたい情報の1位です。

求職者は、自分のやりたい仕事ができるかどうか、また、未経験職種にチャレンジするのであれば、具体的にどのような仕事内容なのかを知りたがっています。
そのため、実際の案件情報やそれに関するプロジェクトストーリーなどを掲載すると効果的でしょう。

また、他社との差別化を図りやすいのが「給与」と「福利厚生」です。

株式会社マイナビが行った調査※2によると、転職の理由として最も多く上がっているのが、「給与の低さ」だそう。度重なる物価高の現在、求職者にとって給与は入社の重要な決め手となります。

入社時の給与が低めだったとしても、評価頻度やキャリアステップを明示することで、着実にアップしていく仕組みづくりをしているアピールをすることがポイントです。

福利厚生に関しては、たとえば、入社直後から有休制度を利用できたり、誕生日に休暇が取れる「バースデー休暇制度」を設けたり、住宅手当・家賃補助があったりすると、求職者は喜ぶでしょう。

近年では特別休暇で自社の特色を出す企業も。ペットを失った悲しみから回復するための「ペット忌引休暇」や、失恋で傷ついた心を癒すための「失恋休暇」などを設けている企業があります。

さらに、露出期間も重要なポイントです。たとえば、求人広告では掲載期間が2ヶ月などと決まっている場合が多いです。上位表示される期間もプランごとに定められており、場合によっては自社の求人が他社求人に埋もれてしまい、求職者の目に触れないケースも多々あります。

掲載期間が定められていない自社HPや自社運用しているSNS、ダイレクトリクルーティングでの求人内容の送付などを駆使すると良いでしょう。

※1:企業の「採用サイト」に関する意識調査|株式会社ONE
※2:転職動向調査 2024年版(2023年実績)|株式会社マイナビ

良質な母集団形成ができていない

Population formation

良質な母集団形成ができていないと、採用活動はうまくいきません。

良質な母集団形成ができない理由として、「理想ばかりを追い求めたペルソナ設定と応募条件」があります。

自社のペルソナを明確に持つことは大事ですが、その要件があまりに高すぎては選べる範囲が狭まります。応募条件に関しても、ハードルが高すぎると誰も応募してこない可能性があるのです。

自社の事業計画にマッチし、かつ理想が高すぎないペルソナや応募条件を設定しましょう。

選考プロセスが最適化されていない

選考プロセスの最適化も、採用活動をうまくいかせるための重要なポイントです。たとえば、面接回数が多すぎると求職者は負担に感じ志望度が低くなります。さらには、採用競合よりも合否結果を出す時間がかかり、結局途中で面接辞退をされてしまったり、内定承諾をもらえなかったりする可能性が高まります。

また、連絡の返信が遅いと、求職者に「自分はないがしろにされている」と思わせてしまう場合も。それを防ぐために、素早いレスポンスができるチーム体制を整えておくことも重要でしょう。

面接官の経験不足

面接官の経験不足も、うまく採用できない要因となります。面接官の経験が足りないと、自社に合った人材かどうか適切に見極められず、ミスマッチが起こる可能性が高くなるのです。ミスマッチは早期退職の要因になってしまいます。

さらには、自社説明がうまくできなかったり自社の魅力を伝えきれなかったりして、求職者の志望度を高めることができません。

うまく採用できない中小企業にありがちなこと

うまく採用できないのは、主に中小企業が多いとされています。そのような中小企業にありがちなこととして、知名度の低さや採用コストの制約が設けられていることなどが挙げられます。それぞれ解説していきます。

知名度の低さ

日本には約336万社の中小企業が存在し、日本の全企業数のうち99.7%を占めます。

引用元:日本を支える中小企業|独立行政法人中小企業基盤整備機構

求職者は一般的に、給与や福利厚生などの条件が安定した名の知れた大企業へ応募しがちです。一方で、中小企業には「聞いたことのない会社だから」という理由で応募を躊躇することもしばしば起こり得ます。

仮に同じ給与、福利厚生であっても、求職者の心理としては「聞いたことのない会社なのでなんとなく不安」「どのような事業かわからず、自分が働くイメージができない」となり、応募にいたるケースが少ないのが現状です。

知名度の低さから母集団形成ができない事象を打破するためには、自社を知ってもらうための施策が必要です。後述する企業ブランディング強化施策を実施し、知名度アップを図りましょう。

採用コストの制約

採用コストの制約があるのも、中小企業ならではの採用活動時の大きなハードルとなります。事実、企業規模別の採用コストの調査結果を見てみても、大手企業との差は歴然です。


引用元:中途採用状況調査2024年版(2023年実績)|:株式会社マイナビ

採用コストの制約があると、採用イベントの開催可否や選択できる採用手法・プランが左右されます。

限られたコストの中でも最大限の採用活動ができるよう、自社のブランディング向上や柔軟な働き方の提案など、大手企業と差別化できる要素を創り出すことが重要です。

安定性への不安

これまで述べてきたように、求職者は知名度のある大手企業と、知名度のない中小企業を比較する傾向にあります。

そのため、何十年も存続している中小企業であっても、「中小企業は安月給」「継続して安定した収入を得づらい」など、安定性への不安を抱く場合が多いです。

このような不安を払拭するためにも、業界内での自社のポジションや存続年数をアピールするなどの企業ブランディングが必要なのです。

採用活動に割ける人員がいない

採用活動に割ける人員がいないのも、昨今の中小企業によく見られるケースです。労働人口が減少し、有効求人倍率が右肩上がりの現在の日本では、採用担当者すら採用できない状況です。

また、中小企業の担当者は社員教育や評価制度の立案など、採用活動のほかにも担う業務がある場合が多い傾向にあります。

採用体制を強化することが、採用活動がうまくいく大前提です。

うまく採用できない企業がとるべき対策

ここまでうまく採用できない原因や中小企業の特徴を紹介してきましたが、それらに対しどのような対策が必要なのでしょうか?とるべき対策5つをそれぞれ解説していきます。

自社が求める人材像の明確化

まずは、自社の求める人材像を改めて明確にしましょう。

人材像の策定は基本的に、企業の経営戦略から必要なスキル・要件を割り出します。そのため、経営戦略が確立されていない場合は、まずは経営戦略の立案・策定を行いましょう。

そのうえで、社員に求めるスキルや要件を定義します。定義する際には、実際に働く現場社員を巻き込み策定することを強くおすすめします。採用担当が独断で要件定義してしまうと、後々「もっと〇〇な人材が欲しかった」などと現場から不満が出かねません。

「コミュニケーション能力がある」「営業経験がある」「エンジニアの経験がある」などの抽象的な要件ではなく、「〇〇業界での法人営業経験〇年以上の方」や「〇〇エンジニアとして上流工程を行った経験がある方」など、自社の仕事内容に見合った具体的な要件を定義しましょう。

採用手法の見直し

採用手法の見直しも、採用がうまくいかない企業がとるべき対策でしょう。今まで行ってきたからという理由だけで同じ採用手法を続けるのは危険です。効果の出ていない採用手法にコストがかかっている可能性があるからです。

まずは、費用対効果や歩留まりを算出し、今までの採用手法を検証しましょう。次に、採用手法の種類を調べ、特徴やメリット・デメリットを理解します。そこで自社に合った採用手法を決めます。

決めた採用手法を行う上で採用関連サービスを利用する場合は、各社の特徴や実績、ターゲット層を確認します。たとえば、エンジニアを採用したいのに総合型のサービスを利用しても効果は出にくいです。このような場合は、エンジニアに特化したサービスを選択するようにしましょう。

また、月額費用などが他社よりも安いからという理由で安易に契約しないことも重要です。いくら安くても、実績がなければノウハウを持ち合わせておらず、採用活動が長期化してしまいます。その結果、支払い期間が延びたりさまざまな追加作業をお願いしたりしなければならず、結果的には多くのコストがかかってしまう可能性もあるからです。

効果が出そうな採用手法を見極め、信頼できるサービスを選択しましょう。

関連記事:採用手法の最新トレンド|多様化する採用手法の種類を比較

企業のブランディング強化

企業のブランディング強化は、求職者の応募意欲を醸成していくもので、昨今の採用活動では非常に重要な施策です。前述した知名度の低さや安定性への不安などを払拭し、自社の魅力をアピールできるような強化施策を実施します。

たとえば、Xやnote、Instagramを使って自社の日常や魅力、業績を発信したり、ユニークな広告を展開することで印象付けを行い、自社を認識してもらう施策をしたりすると良いでしょう。

柔軟な働き方の提案

大手企業や採用競合との差別化を図るため、柔軟な働き方の提案も非常に重要です。

育児や介護を行わなければならない場合や、通勤のストレス軽減のためのテレワークを取り入れたり、コアタイムなしの、自分が集中できる、もしくは稼働できる時間に働くフルフレックスタイム制度を取り入れたりすると良いでしょう。
実際に、「Re就活」などを運営する株式会社学情が行った調査※によると、リモート勤務がある企業は「志望度が上がる」「どちらかと言えば志望度が上がる」と答えた26卒の就活生の合計は70.3%でした

さらに、近年ではワークライフバランスを重視した企業が多く、規定残業時間を超えた場合はペナルティを課すなど、過労働にならないような工夫をしています。

また、副業を認める企業も年々増加してきています。

柔軟な働き方を提案することで、求職者に選んでもらえる企業となる努力を惜しまないことが、採用がうまくいくための必須条件と言えるでしょう。

【26卒採用】半数以上の学生が“リモート勤務の有無”を重視。「フルリモート」や「居住地自由」制度が企業選びの決め手か|HRpro

採用体制の強化

採用体制の強化も、採用をうまくいかせるための手立てです。

採用難の現代では、採用活動はスピードが命と言われています。すばやいレスポンスや短期間での合否出しを行うことにより、採用競合に負けないようにしなければいけません。

そのためには、まずはノウハウを持ち合わせた人員を増やすことが重要です。人員が多ければ多いほど、対応できる件数は増えるので、早期レスポンスや面接のスパンは短くなります。

社内のリソースが足りない、もしくはノウハウを持ち合わせた人材を採用できない場合は、後述する外部委託も視野に入れることが重要です。

さらに、採用体制の強化では、面接官のトレーニングも行いましょう。ミスマッチが起こらないよう面接官の採用判断基準の画一化や、人材を見極めるためのコツやポイントをすべての面接官と共有することが重要です。

採用難を打開するための採用手法の選び方

採用手法の見直しが大切とお伝えしましたが、具体的にどのように選べばいいのでしょうか?本章では、採用手法の選び方のポイントを4つ紹介します。

ターゲット層に合わせる

採用手法を選ぶ際は、自社が欲しいターゲット層に合わせることが重要です。自社が欲しい人材が役員クラスの場合は、求人広告などは向かないでしょう。なぜなら、そのような人材は希少人材で転職市場にはあまりいないからです。この場合、ヘッドハンティングやダイレクトリクルーティングを活用するなどが向いています。

このように、自社のターゲット層に適した採用手法を選定しましょう。

関連記事:アルムナイネットワークとは?退職者の再雇用システムを拡充しよう

料金プランと採用計画・予算を照らし合わせる

採用手法を選ぶ際には、料金プランと採用計画・予算を照らし合わせることも重要です。いくら自社に合っている採用手法だと確信しても、採用計画を達成できそうになかったり、予算内におさまらなかったりする場合は適切な採用手法とは言えません。

大量募集を行う場合であれば先行投資型の求人広告、年間を通してピンポイントな採用を行うのであれば完全報酬型の人材紹介など、適切なプランを選択しましょう。まずは自社が行おうとしている採用手法の中にどのような料金プランがあるのか調べることから始めてみてください。

各採用手法の料金プラン一例は下記です。

採用手法 月額定額型 成功報酬型 従量課金型 先行投資型
ダイレクトリクルーティング 30~70万円 新卒:25〜40万円/人
中途:50〜100万円/人
1,000円〜3,000円/通
求人広告 50~120万円/人 50~700円/1クリック 約20~180万円/回
人材紹介 理論年収の25~35%
ヘッドハンティング 理論年収の40〜60%

関連記事:一人当たりの中途採用コストはいくら?コストを削減する方法も紹介

過去の採用データを活用する

過去の採用データを活用することも、適切な採用手法を選ぶ一助となります。

「過去のデータの活用」と聞いて成功したデータを思い浮かべる採用担当の方が多いと思いますが、成功したデータがなくても大丈夫です。

成功事例がない場合は、失敗した事例を思い返しましょう。失敗した採用手法を避けるという消去法的な選択の仕方もあるのです。

成功、失敗事例ともに、なぜ成功/失敗したのかの要因分析を必ず行いましょう。それをもとに、同じ理論が通用するのか、他の方法を選択すれば確実に失敗を回避できるのか検討することが重要です。

外部に委託する

採用担当者がいない、または採用担当者が少なく業務が回しきれていない、自社の採用ノウハウが乏しい場合は、採用代行と呼ばれる外部に委託する方法をとるのも一つの手です。

採用代行は、採用活動に特化した代行業者で、最新の採用市況やさまざまな採用手法に応じたノウハウを持ち合わせています。また、常時対応してくれる業者やプランも存在するため、スピードが命と言われる採用活動において競合に負けないスピード感で対応してくれるのもメリットです。

採用業務には、コア業務とノンコア業務が存在します。

コア業務:人事戦略の成否に直結しやすいプロセス

・採用計画・戦略立案
・募集条件の設定
・面接
・採用の可否決定

ノンコア業務:庶務にあたるプロセス

・説明会の代行
・求人票の作成、掲載
・募集方法の選定
・求人媒体選定・紹介会社選定
・母集団形成
・応募に対する窓口対応
・スカウト代行
・書類選考・応募状況フィードバック
・面接日時のリマインド連絡などの応募者管理
・入社前研修などの内定者フォロー

採用担当者がいない場合や、ノウハウが乏しい場合は、コア業務を任せ、自社でノンコア業務を行ったり、採用業務のすべて任せると良いでしょう。すべて任せる場合でも、決して丸投げせず、都度報告を受けたりノウハウシェアを行ってもらったりしながら、将来のために自社にノウハウを蓄積していくことが重要です。

採用担当者はいるけれど人手不足で業務が回っていない場合は、ノンコア業務を外部に任せると良いでしょう。迅速なレスポンスや、意外に手間のかかる日程調整などを行ってもらうことにより、効率的な採用活動が可能になります。

関連記事:採用の業務委託とは?メリットとデメリットをわかりやすく解説

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まとめ

今回は、うまく採用できない原因や特徴、対策などを紹介しました。

うまく採用できないとは、ミスマッチによる早期退職と、母集団形成ができないことの2種類を指します。

うまく採用できない原因として、適切な採用手法を選択できていなかったり、中小企業ではとくに企業の知名度の低さがあります。

改善策として、求める人物像の明確化や企業ブランディングの向上、採用体制の強化などを検討すると良いでしょう。

ぜひこの機会に、今一度自社の採用活動を見直してみてはいかがでしょうか?