SIerのエンジニア採用を成功させるために|他業種のエンジニアとの違いや重視すべきスキルとは

Tips for hiring engineers

IT人材需要の高まりや、フリーランスエンジニアの増加などで、優秀なエンジニアの採用難易度は年々高くなっているでしょう。また、SIer(システムインテグレータ)は事業会社に比べ、「受託」のイメージが強く採用が難しいこともあります。自社にマッチしたエンジニアの採用に悩むSIerの採用担当者も見受けられます。

本記事では、SIerがエンジニア採用を成功させるための手法やコツを紹介します。他社との差別化に悩む採用担当者はぜひ参考にしてみてください。

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日本はIT人材が不足している?

経済産業省の「IT人材需給に関する調査」では、2018年のIT人材不足を基準に、将来の人材需給状況を試算しました。調査によると、2018年は22万人だったIT人材の不足は、2030年には最大で約79万人に達します。

IT talent supply and demand
参考:経済産業省「IT人材需給に関する調査」

IT人材が不足する要因として、以下が挙げられます。

・労働生産人口の減少
・IT業界の最新技術習得スピードの速さ
・IT業界の拡大

日本は人口減少と少子高齢化によって、労働生産人口が減少傾向にあります。若年層が減少しシニア層が増加するため、平均年齢が上がってしまうのです。同じくIT業界においても人材の高齢化が進み、IT技術に対応できる人が少なくなってしまう結果人材不足に繋がります。

IT業界で必要となる最新技術が変化するスピードは速く、数年前に需要が高かったスキルの需要が数年後には減少するケースも多く見受けられます。常に情報をアップデートし続けている人ばかりではないため、最新技術の知識を持ったIT人材が少なくなってしまうのです。

しかしIT人材が減少する一方で、IT業界の規模は拡大しています。近年DX戦略に取り組んだりAIを活用したりと、IT化に取り組む企業が増えています。労働人口の減少とは反対に、IT市場は今後も成長していくと予想されているため、IT人材の需要は非常に高くなるでしょう。

関連記事:エンジニア採用でおすすめの採用手法|採用が難しい理由や失敗例も

SIerとその他のエンジニアの違いとは

Development_engineer

エンジニアが所属する企業によって求められるスキルは異なります。SIerのエンジニアに求められるスキルは主に4つあります。

・コミュニケーションスキル
・プロジェクトマネジメントスキル
・論理的思考能力
・ITスキル

以下で個別に解説していきます。

コミュニケーションスキルが求められる

communication

顧客の要件を理解するためには、円滑なコミュニケーションを図るためのスキルが不可欠です。SIerのエンジニアには、顧客のニーズを正確に理解し、適切なコミュニケーションを行う能力が求められます。

SIerのエンジニアは顧客と連携し、システムを作成するための意思疎通や情報共有を行います。顧客の課題をしっかりとヒアリングできないと工程に支障が出てきてしまい、クライアントの要望を満たせなくなってしまうのです。

また、開発はチームで進めるのが基本のため、プロジェクトメンバーともコミュニケーションを密に取る必要があります。コミュニケーションスキルがなければ、プロジェクトを成功に導くことは難しいでしょう。

プロジェクトマネジメントのスキルが求められる

management

SIerでは、受託したシステム開発を計画通りに遂行していかなければならないので、プロジェクトマネジメントのスキルが必要となります。

SIerはプロジェクトを円滑に推進し、QCDを担保しなければなりません。定められた納期までに顧客にシステムを納品できるよう、進捗管理やプロジェクトメンバーのスケジュール調整を行います。

プロジェクトを進めるにあたり、開発スケジュールの作成や管理、調整が非常に重要です。反対に言うとプロジェクトマネジメントスキルさえあれば、規模問わずどのようなプロジェクトにも対応できます。

また、プロジェクトマネジメントのスキルは上流工程やITコンサルでも重視されるスキルです。身につけられれば将来的なキャリアアップにも役立つでしょう。

論理的思考力が求められる

logical_thinking

論理的思考力は問題解決に必要なスキルです。ロジカルシンキングとも呼ばれます。論理的思考力を用いて目の前の物事の状況を整理し、解決に向けた筋道を構築していきます。

顧客が抱える問題の正しい解決策を見つけるためには、論理的思考力が求められます。根拠を明示して、顧客にわかりやすく解決策を提案しなければなりません。

またシステム開発においては、要件定義や設計段階で工程が矛盾せず、欠陥のない仕様書を提示する必要があります。要件定義や設計段階で論理的ではない仕様書を書いてしまうと、その後の工程に支障をきたし、欠陥品をつくってしまうことになるでしょう。

合理的な考えを導き出したり因果関係を正しく把握したりする必要があるため、SIerのエンジニアには論理的思考力が欠かせません。

総合的なITに関する知識・スキルが求められる

IT skill

SIerのエンジニアに第一に必要とされるのはITスキルです。ITスキルとは、プログラミングやサーバ、データベース、ネットワーク、セキュリティなどのIT全般に関する基礎知識を指します。

ITスキルがないと顧客やプロジェクトメンバーと円滑なコミュニケーションが取れず、技術的な質問をされても回答できないといった事態に陥ってしまいます。

SIerでは顧客の課題を解決するためにも、適した開発言語や手法を選ばなければなりません。適切なシステムを提案・開発するには、システムの受託開発に関する幅広い知識やスキルが求められます。

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SIerのエンジニア採用が難しいといわれる理由

engineer

エンジニアを獲得しようと多くのSIerが活発的に採用活動をしています。しかし、優秀なエンジニアを採用するのは容易ではありません。

SIerでのエンジニア採用が難しいと言われる理由は主に以下の5つの要因が考えられます。

・フリーランスや副業の増加
・エンジニアの離職防止
・スキルの見極めの難易度
・条件の不一致
・採用手法の複雑化・多様化

以下でそれぞれ解説していきます。

フリーランスや副業の増加

会社員として1つの企業に所属するだけではなく、フリーランスや副業として参画するエンジニアも増えています。

働き方の多様化や副業の解禁により、さまざまな選択肢が増えました。株式会社Brocanteの調査によると、2022年のITフリーランス人口は25万人を超えており、年々右肩上がりに増えています。

ITフリーランス人口

株式会社Brocante:ITフリーランス人材及びITフリーランスエージェントの市場調査

今までは「収入アップしたい」「この企業に入ってサービスに携わりたい」など、目的がある場合に転職を視野に入れる求職者がほとんどでした。現在は転職以外にも選択肢が増え、エンジニアは本業以外でも収入を得たり、幅広い案件に挑戦できるようになったのです。

エンジニアはより自身の実現したいキャリアを実現できるようになりました。その結果、転職市場になかなかエンジニアの求職者が現れず、採用活動をしても転職意欲のあるエンジニアに出会えない企業が増えました。

エンジニアの離職防止(待遇アップ)

Improved treatment

企業がエンジニアの離職を防止するために施策を打ち出しているのも、エンジニア採用が難しくなっている要因です。エンジニアの需要は高まっているため、企業は人材の流出を避けたいと考えています。

離職防止の策として、基本給や年収を見直したり、フルリモートを許容するなど、待遇の改善を図る動きが見られます。ファインディ株式会社の調査(2022)によると、年収800万円以上の層は95%以上がリモート勤務(フルリモート約8割)で、年収とリモートワークの割合は比例傾向にあると言います。

findy investigation

その結果、優秀な人材ほど転職市場に出てこなくなるため、コストをかけてもなかなか採用できないといった状況に陥ってしまいます。

スキルの見極めが困難

Difficult to determine

実はエンジニアはさまざまな職種に細分化されています。それぞれ求められる能力が異なるため、非エンジニアの採用担当者だけではスキルの見極めが難しいです。

実際の技術面の評価は現場責任者が実施する場合が多いものの、面接の前段階でスクリーニングするケースもあるでしょう。スカウトサービスのPaizaなど、プログラミングテストによりスキルがランクで可視化されているサービスもありますが、ほとんどのサービスは職務経歴を読み解く以外のスクリーニングに難儀しています。

採用のミスマッチを防ぎ、効率的に採用活動を行うためにも、非エンジニアの採用担当者も専門知識やIT業界の最新情報を押さえておかなければなりません。

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条件の不一致

mismatch

企業とエンジニア求職者が求める条件が合わないといった理由で、採用活動が苦戦する場合もあります。採用担当者は、転職市場におけるエンジニアの採用難易度の高さを理解しておかなければなりません。

昨今エンジニア採用は「売り手市場」となっており、エンジニア一人に対し複数の企業から内定が出るケースも。有効求人倍率の上昇によりエンジニアの市場価値は高まっており、エンジニアの給与水準や待遇条件も高まっているといえます。

しかし、企業によってはスキルの高いエンジニアが希望する給与水準や待遇を用意できないこともあるでしょう。競合他社が提示した条件より劣ってしまった結果、他社で承諾されてしまうケースが発生します。

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採用手法の複雑化・多様化

complicated

エンジニアの職種に限らず、現在の採用市場において採用手法が多様化・複雑化している背景があります。インターネットやSNSの発達により、求職者は欲しい情報を自ら収集できるようになりました。

求職者が就職先を探す方法が変化したため、企業側もさまざまな採用手法を組み合わせて活用していかなければなりません。しかし、採用担当者が少なかったり複数の採用方法を利用していたりすると、採用担当者は目の前の業務をこなすので精一杯です。

求職者の変化に対応できず、自社に適した採用手法が分からないまま採用活動を続けてしまうと、優秀なエンジニアを採用するのは難しいでしょう。

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SIerのエンジニア採用で苦戦するときに考えられること

エンジニア採用で苦戦する企業はどのような課題を持っているのでしょうか。エンジニア採用で苦戦する企業の特徴をいくつかご紹介します。

採用ブランディングができていない

エンジニアの求職者が魅力に思う情報発信が足りていないと、企業が本当に求めているような人材の獲得は難しいでしょう。

求人サイトでもスカウトサービスでも、社員インタビューや会社紹介ページなどを見てから問い合わせや返信をするエンジニアも少なくありません。

Engineer recruitment branding

自社が求めるエンジニアを採用するためには、まず入社してほしいターゲットに自社を知ってもらうために行動するのがよいでしょう。発信内容に困った時は、CTOのしくじり例をnoteで公開するのがオススメです。発信のコツは「これちょっと社内向けかも?」と思うことを思い切って曝け出してみることです。

採用条件が高すぎる

Increase in side jobs

Rails + Reactの開発経験が3年以上、メンバーマネジメントの経験も・・・など、求めるエンジニアと採用できるエンジニアのレベルにずれが生じて、採用条件が高くなってしまうと、採用がさらに難しくなります。

採用基準が高いにも関わらず、ターゲットのエンジニアが企業に求める給与や開発環境などを用意できないとなると、応募に進む人は必然的に少なくなるでしょう。競合の給与などの待遇を見てみることをお勧めします。

また、採用基準が高すぎる企業の傾向として書類選考の基準が厳し過ぎて、優秀な人材を落としてしまっている可能性も。歓迎条件のハードルが高かったり、「転職回数が〇回以下」などの制限を設けてしまったりすると、活躍の可能性があった人材を逃してしまうこともあります。

採用基準が高いつもりはなくても、エンジニアの求職者から見たら応募ハードルが高いと思われている場合もあるので、今一度条件が厳しすぎないか見直してみましょう。

内定者フォローが不十分

Unofficial offer declined

せっかくエンジニアを採用したのに、辞退されてしまうことが多いという企業もあるでしょう。

内定辞退が多い理由として、求職者の志向に合わせた動機づけが弱かったり、内定通知後のフォローが足りていない可能性が考えられます。選考段階から動機づけができていないと、求職者の志望度が上がりづらく、「絶対にここに入社したい!」という決め手に欠けてしまうでしょう。

エンジニアの求職者は複数の企業から内定をもらって比較し、入社する企業を決定する人が多い傾向があります。複数の企業の選択肢があると、内定をもらった後に新たな懸念が出てくることも。

内定を出したからといって「必ず入社してくれる」といった認識は改めなければなりません。

採用活動のボトルネックを把握できていない

そもそも採用活動のどの段階でつまずいているのかを理解できていない企業も多く存在します。

採用活動におけるボトルネックを把握するためには、母集団形成から入社に至るまでの採用プロセスごとのKPIの数値管理が重要です。数値化しておくことで、ボトルネックとなっている問題点を発見しやすくなります。

採用活動のボトルネックとなる要因としては、以下が考えられます。

・求人のエントリー数が少ない
・母集団の質が悪い
・面接の通過率が悪い

数値で可視化できていないと採用課題の特定が遅れ、計画していた採用人数の達成が困難になってしまいます。エンジニア採用に苦戦している企業が現状を改善するためには、まずは自社の採用課題を明確にしましょう。

関連記事:エンジニア採用代行のメリットや料金、導入すべき企業の特徴を解説

SIerにおすすめのエンジニア採用手法

New recruitment_methods

エンジニア採用の手法はさまざまです。その中から自社に合ったものを取り入れていないと、エンジニア採用で苦戦を強いられてしまいます。

ここでは、各エンジニアの採用手法について紹介していきます。それぞれの特徴を理解し、自社に合うものを選定しましょう。

求人広告

Job change site

転職サイトに求人広告を掲載して、サイト登録者からの応募を集めることで母集団形成ができます。求人広告による採用手法は大きく分けると、「掲載型課金」と「成功報酬型課金」の2つです。

掲載型課金では求人広告を掲載する際に費用が発生します。費用は掲載する期間や求人広告のサイズごとに定められています。料金が固定されているため、広告を通じて何名採用しても追加の費用は発生しません。

成功報酬型課金では求職者の採用に至ったときに初めて費用が発生します。広告を掲載できる期限の定めがないため、じっくりと自社に合った人材を探しやすいでしょう。

人材紹介

Recruitment

従来から企業で取り入れられているエンジニアの採用手法のひとつとして、人材紹介会社に依頼する方法があります。

人材紹介会社への依頼も、基本は採用が成功するまで料金は発生しません。求職者が内定承諾した際に、人材紹介会社にフィーとして求職者の年収の約30〜35%を支払うのが一般的。求職者がすぐに退職してしまった場合でも返金制度がある場合が多いです。

事前に人材紹介会社に求める人材像を伝えることで、条件に近い登録者をスクリーニングをかけて紹介してくれます。

求人紹介から入社後のフォローまでを一括して行っているため、採用担当者の工数も削減できるでしょう。人材紹介会社にも「総合型」と「特化型」があるため、自社の傾向に合った人材紹介会社を利用するのがおすすめです。

リファラル採用

Referral

優秀なエンジニアはリファラル採用で入社するケースが多くあります。リファラル採用とは、自社の社員から候補者を紹介してもらう手法です。

リファラル採用では、既存社員を通じて転職潜在層との早期接触を図れます。既存社員からの紹介のため、求めるペルソナに近い人材と出会える確率が高い傾向があります。他の採用手法と比較して、コストを安く抑えやすいのもポイント。

また、リファラル採用では、求職者は既存の社員から職場の社風や雰囲気、仕事内容、福利厚生などの情報を仕入れてから入社するため、入社後のミスマッチが発生しにくくなるのもメリットです。

SNS採用

SNS

SNSが普及したことで、ソーシャルリクルーティングと呼ばれるSNSを活用した採用手法を取り入れる企業も増えてきました。

SNS採用では、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを通じて、企業のブランディングや認知度向上、求人掲載やスカウトなどを目的としています。

各企業で取り合いとなっている転職顕在層にアプローチするだけでは、なかなか採用に至らないのが現状です。SNSは気軽に利用できるツールであるため、転職潜在層の優秀なエンジニアにもアプローチができます。

SNSを継続して運用し続けることで、優秀なエンジニアを獲得できる可能性があるでしょう。

ダイレクトリクルーティング

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ダイレクトリクルーティングは、自社のペルソナに近い人材にSNSやタレントプールから直接スカウトする採用手法です。社内の採用担当者の力量が求められます。

エンジニアの絶対数は不足しているため、待ちの姿勢だけではエンジニアを採用できません。ダイレクトリクルーティングであれば自社の求める人材にピンポイントにアプローチできるので、従来の手法よりも効率的に採用活動を進められます。

スカウトをする際、上手く自社の魅力をアピールできれば入社意欲を高めることも可能です。業務内容や事業戦略、社風、キャリアパスなどの魅力を文面に入れることで、自社に興味を持ってもらえるようにしましょう。

また、採用媒体によってはスカウトをすると開封率や返信率などの効果測定ができます。

課題を分析しやすくPDCAを回しやすいため、ダイレクトリクルーティングは長期的にみると自社の採用力強化にも繋がる手法といえるでしょう。

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関連記事:エンジニア採用がうまくいかない人事が抑えるべきポイント・知識まとめ

SIerのエンジニア採用を成功させるコツ

success story

SIerのエンジニア採用に成功した企業の傾向をもとにすると、以下の項目を意識するとよいでしょう。

・採用戦略の立案
・ターゲット・ペルソナの明確化
・自社や競合の強みの分析
・採用手法の見直し
・現場エンジニアからの協力
・候補者と出会う機会の増加
・入社後の体制を整える
・リモートワークが可能であることをアピール
・業務委託での採用を検討
・新卒や未経験の検討

採用戦略の明確化

Recruitment plan/strategy

エンジニア採用を成功させるために、まずは自社の採用計画に合った戦略を立てましょう。採用の目的を明確にすることで自社に必要な人材や、やらなければならないアクションが分かったりします。

また、採用戦略を立てることで、採用コストの削減やミスマッチの防止、応募数増加などのメリットが期待できます。

SIerの採用担当者が採用戦略を立てていく第一歩はプロジェクトの現状把握から始まります。プロジェクトの実態が把握できたら、採用計画の期限から逆算して戦略を立てていきましょう。

エンジニアの採用戦略を立てる上で重要なのは、競合他社がどのような方法でエンジニアを確保しているかです。他社の採用戦略を参考にすると、自社でも活かせるヒントを見つけられます。

ターゲット・ペルソナの明確化

target persona

採用戦略を立てたら、自社で採用したい人材のターゲット・ペルソナを明確にする必要があります。これが明確になっていないと、企業側はどのような人材にアプローチしていけば良いのかわからなくなってしまいます。

採用ターゲットを明確にするためには、まずはターゲットの能力や特徴を洗い出しましょう。洗い出すときは必須条件・歓迎条件に分けて優先順位をつけると判断がスムーズになります。

ペルソナはターゲットとなる人材の学歴や職歴、価値観、ライフスタイルなどの特徴や行動パターンを考えて設定します。詳細にペルソナ設定を行って、採用したい人材の解像度を高めることで、採用のミスマッチを防ぎましょう。

自社や競合の強みを分析する

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ターゲットの候補者に魅力を訴求していくために、自社や競合の強みの分析は欠かせません。自社の強みが伝わらず他社との違いを知ってもらえないと、求職者にk

自社や競合の強みを分析したい時は、3C分析を用いるのがおすすめです。採用における3C分析は以下のように考えられます。

・Customer(市場・顧客):採用活動の候補者
・Competitor(競合):採用市場において自社と比較検討される企業
・Company(自社):採用活動における強み・弱み

3C分析をうまく活用することで、採用市場での自社の立ち位置と競合優位性を明確化できます。自社の強みを見つけ出すことで、他社にはないアピールポイントを打ち出していきましょう。

採用手法を見直す

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ターゲット・ペルソナを設定して自社の強みが分かったら、今使っている採用手法が適しているのか見直しを検討しましょう。採用ターゲットによって有効な手法は異なるため、自社の状況に合わせて最適なものを選定する必要があります。

エンジニアの採用手法は多すぎても少なすぎても上手くいきません。採用手法が多すぎると管理できず、無駄なコストが発生してしまいます。反対に、少なすぎると採用媒体が限られてしまうため、自社の求める求職者に出会いにくいです。

ターゲット人材との接点を増やすために、採用活動がなかなか上手くいかない企業は新たな採用手法の導入も視野に入れましょう。

現場のエンジニアに協力してもらう

Maintain good relationships with field engineers

優秀なエンジニアを採用するためには、現場のエンジニアと協力することも大切です。エンジニアは専門性の高い職種のため、非エンジニアの採用担当者だけでは知識量で不足する部分が出てきます。

また、現場のエンジニアの方が候補者の能力をより的確に判断できる場合が多いのは言うまでもありません。

実際に一緒に働いてもらうことになるエンジニアに面接に参加してもらうことで、候補者にも入社後のイメージをしてもらいやすくなるでしょう。

候補者とマッチングする機会を増やす

Internship information session

積極的に候補者とのマッチングを図りましょう。通常、採用担当者は書類選考で候補者をある程度絞ります。しかし、コミュニケーション能力や成長性など、レジュメだけでは判断できないことも多くあります。

レジュメだけで候補者を絞りすぎることで、優秀な人材と出会う機会を逃してしまうかもしれません。

書類選考では会いたい人の選定をするのではなく、会う必要がない人を除外するように選考するのがおすすめです。「候補者に会ってから判断する」というスタンスで、できるだけ多くの候補者と会うことを意識しましょう。

入社後の体制を整える

エンジニアの採用活動を成功させるためには、入社後の社内体制を整えることも重要です。エンジニアを採用していざ入社しても、早期離職になってしまっては意味がありません。

早期離職にならないためには、以下を参考にしてみてください。

・入社後の研修の実施
・内定者同士の交流の場づくり
・既存社員との交流を図る懇談会

採用の最終目的は、採用した人材が現場で活躍することです。入社後も丁寧なフォローを行い、内定者が安心して働けるよう受け入れ体制を整えましょう。

リモートワークが可能であることをアピールする

remote work

ファインディの「エンジニア転職マーケットレポート調査概要」によると、エンジニアの55.9%がフルリモートを希望しており、週1-2日程度の出社を含めると8割以上のエンジニアの多数がリモートメインの働き方を希望しています。採用を強化する上でエンジニアにリモートワークができる環境を用意することは、ほぼ必須と言っても良いでしょう。

現状リモートワークができないという場合は、まずは体制の構築が優先事項となります。すでにリモートワークができる場合は、求人票や採用ページ、インタビューなどで積極的にアピールしましょう。

業務委託での採用を検討

業務委託エンジニア採用

当社でご支援したSIerは、元々正社員エンジニアに採用を絞っていましたが、将来的に正社員も可能という前提で業務委託を可能にして採用に成功しています。

業務委託の場合は即日でプロジェクトへの参画が可能であり、マッチングの期間が設けられるため、求職者と企業の双方にメリットがあります。

また、序盤でお伝えした通り、ITフリーランスは年々大幅に増加しています。正社員採用に絞っていると、今後より採用が難しくなるのは目に見えているのです。本当に正社員である必要があるか考えてみましょう。

新卒や未経験者の採用を検討

New graduates_Generation Z

エンジニア経験者の母集団が集まらない場合、新卒や未経験者の採用も検討してみるとよいでしょう。入社時点では必要なスキルを持っていなくても、将来の成長を考慮し、ポテンシャルのある人材を採用して育成するのもひとつの手です。

成長意欲が高い人材であれば、いずれ企業のニーズを満たすエンジニアに成長する可能性があります。エンジニアの中途採用で悩んでいる企業は、社内で人材を教育するリソースがあるのであれば、新卒や未経験人材の採用も視野に入れてみましょう。

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SIerのエンジニア採用の成功事例

最後にVOLLECT社の「PRO SCOUT」を導入してエンジニア採用を成功させた企業の成功事例を紹介します。実際の事例を参考にすることで、自社でRPOを導入した際のイメージが湧きやすいでしょう。

富士通ゼネラルOSテクノロジー

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求人広告や転職フェアで採用していましたが、求めるターゲットの要件が高いこともあり、求める層からの応募が少ないという課題を持っていました。そこで、ターゲットとする人材に直接アプローチできるダイレクトリクルーティングに力を入れることにしました。

また、ダイレクトリクルーティングは多大な工数がかかるため、エンジニアに強いダイレクトリクルーティング支援のPRO SCOUTに依頼。

導入後は、スカウトの返信率が向上し、応募数が3倍に増加。採用戦略のアドバイスも受けながら、早期に採用成果を出すことに成功しました。求人広告に比べ、ダイレクトリクルーティングは応募者の質が高く、改善のスピードも速いと評価しています。

参考:富士通ゼネラルOSテクノロジー様 成功事例インタビュー

フレックシステムズ株式会社

フレックシステムズ株式会社様では求人広告や人材紹介を利用していましたが、目標採用人数に達せず、採用コストが嵩んでいました。ダイレクトリクルーティングを行うリソースが不足しているものの、返信率の高いノウハウを蓄積したいという課題を抱えていました。

そのような課題解決のため、ダイレクトリクルーティングを導入。しかしコンサルティングファームの中で、最も採用が難しいと言われているSAP経験者の採用では、候補者が複数社からスカウトを受けている状態も珍しくなく、なかなか採用に至らなかったとのこと。

そのような課題を抱えていたため「PRO SCOUT」を導入。工数部分を削減するために利用を決意。対象者の経歴一人ひとりにスカウト理由を送るサービスが標準機能として入っていたのがよかったとのこと。スカウト文面や求人票作成の参考にもなりました。

PRO SCOUTを導入してからは、課題を都度改善するようになりました。対象者ごとのスカウト配信理由が記載され、応募率も高い数字を出せました。今後はダイレクトリクルーティングを主軸に採用計画や採用予算を考えていく予定です。

参考:フレックシステムズ株式会社様 成功事例インタビュー

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まとめ

エンジニア採用を成功させるためには採用計画に基づいた採用戦略を立て、自社に合った採用手法を用いて、採用活動を進める必要があります。

現在エンジニア採用で使われている採用手法は従来よりも増えたため、コストに見合った効果が期待できるか考え、それぞれ使いこなしていきましょう。

エンジニアの採用活動に課題や懸念をお持ちのSIer企業様は、ぜひダイレクトリクルーティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。